醸楽庵(じょうらくあん)だより 

主に芭蕉の俳句、紀行文の鑑賞、お酒、蔵元の話、政治、社会問題、短編小説、文学批評など

醸楽庵だより   1361号   白井一道

2020-03-22 10:38:13 | 随筆・小説



   
 徒然草第185段 城陸奥守泰盛は



原文
 城陸奥守泰盛(じやうのむつのかみやすもり)は、双なき馬乗りなりけり。馬を引き出させけるに、足を揃へて閾をゆらりと越ゆるを見ては、「これは勇める馬なり」とて、鞍を置き換へさせけり。また、足を伸べて閾に蹴当てぬれば、「これは鈍くして、過ちあるべし」とて、乗らざりけり。
 道を知らざらん人、かばかり恐れなんや。

現代語訳
 城陸奥守泰盛(じやうのむつのかみやすもり)は二人といない馬乗りである。馬を厩舎から引き出させ、足を揃えて柵をひらりと越えるのを見ては、「これは気の立っている馬だ」と言って、鞍を別の馬に置き換えさせた。また、足を伸ばし、厩舎の柵に蹴り当てると「これは神経が鈍く事故を起こすかもしれない」と思って乗ることはなかった。
 馬乗りの道理をわきまえていない人は、このような小さなことに恐れないようだ。

 我が闘病記15  白井一道
 病院を退院して罹りつけ医に行った。病院で渡されたものを罹りつけ医に渡した。その中にCDロムが入っていることを私は知っていた。私はそこで病状について、詳しく説明を受けた。
 私の脳梗塞はアテローム血栓性の病のようだ。私の入院中の食事には高脂血症食というカードが乗せられていた。私はネットで調べていた。「脳梗塞」とは、脳の血管が細くなったり、血管に血栓(血のかたまり)が詰まったりして、脳に酸素や栄養が送られなくなるために、脳の細胞が障害を受ける病気のようだ。脳梗塞は詰まる血管の太さやその詰まり方によって3つのタイプに分けられている。
一つがラクナ梗塞である。脳の細い血管が詰まって起こる脳梗塞【小梗塞】である。脳に入った太い血管は、次第に細い血管へと枝分かれしていきます。この細かい血管が狭くなり、詰まるのがラクナ梗塞である。日本人に最も多いタイプの脳梗塞で、主に高血圧によって起こるようだ。ラクナとは「小さなくぼみ」という意味のようだ。
二つめが脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞【中梗塞】である。アテローム血栓性脳梗塞というようだ。動脈硬化(アテローム硬化)で狭くなった太い血管に血栓ができ、血管が詰まるタイプの脳梗塞である。動脈硬化を発症・進展させる高血圧、高脂血症、糖尿病など生活習慣病が主因であると説明している。私の脳梗塞は中梗塞のようだ。
三つ目が心原性脳塞栓症と言われているものである。脳の太い血管が詰まって起こる脳梗塞【大梗塞】である。心臓にできた血栓が血流に乗って脳まで運ばれ、脳の太い血管を詰まらせるものです。原因として最も多いのは、不整脈の1つである心房細動。ミスターG・長嶋茂雄氏を襲ったのも、このタイプの脳梗塞のようだ。
脳梗塞という病にも後遺症の軽いものから重いものへといろいろあるようだ。更に脳のどの部分の血管が詰まったのかによって病状はいろいろと変わってくるようだ。病院で仲良くなった新井さんの場合はラリルレロの発音だけができなくなっただけだった。実に軽症な脳梗塞だ。きっとラクナ梗塞症だったのではないかと私は思った。最近知り合った方は数字の引き算足し算が難しくなったという話を聞いた。やはり脳梗塞だと言っていた。この脳梗塞もラクナ梗塞というものなのかもしれない。
脳梗塞は生活習慣病の代表的なものの一つのようだ。日本人の食生活が欧米化することによって脳梗塞という生活習慣病の一つが老齢者に発症するようになったと罹りつけ医は手垢のついた言葉で説明した。脳梗塞は生活習慣病なのだから、食生活を変えなければならない。生活習慣病であるが故に再発しやすい病なのであろう。
私は病院を退院するに当たって、看護師さんに毎日配膳されるご飯は何グラムなのかを聞いてもらった。米の飯は一回、150グラムだと教えられた。退院後、私は毎回茶碗の重さが100グラム。飯の重さが150グラム、測って食べるようになった。基本的に牛肉、豚肉、鶏肉は食べない。魚は青魚が良いと罹りつけ医が説明していた。秋刀魚や鰯、サバがいいと聞いたが妻が嫌いだと言う。私は止む無く、鰤に何もふることなく、何かを付けることもなく、ただ焼くだけのものを妻の分をも一緒に私が焼き、夕食でだけ、食べるようになった。それ以外の魚を食べることはなくなった。勿論肉類は一切、食べなくなったが月に一度、ステーキを食べるようになった。特に旨いとも思わないが食べている。