アメリカ奴隷解放
6月19日・奴隷解放記念日/フロイドさん殺害抗議に連帯し 国際港湾倉庫組合がスト 人民新聞2020/07/09
アメリカでは、6月19日をジューンティーンス(英語:June teenth)と呼ぶ。1865年に奴隷解放を最後に受け入れたテキサス州が奴隷解放宣言を読み上げ、真の奴隷解放が実現した歴史的な記念日だ。
例年、アメリカ各地で奴隷解放を祝う行事が行われているが、今年は5月25日にミネアポリス警察官により殺害されたジョージ・フロイド氏の事件に端を発した抗議活動が拡大。6月19日には3万8千人の労働組合の造船所労働者が、米国の太平洋岸の29の全ての港とカナダの6つの港を閉鎖するストライキに発展した。
主にアフリカ系の人々で構成され、1930年代に黒人労働者を組合員として受け入れた米国で最も進歩的な労働組合の一つである「国際港湾倉庫組合」(ILWU)が主導し、労働者たちは「黒人奴隷解放の日」に人種差別的な警察の残虐行為に対し抗議した。また、数百万人の人々が「Black Lives Matter」「ジョージ・フロイド!」と声を上げてデモを行った。
6月19日の労働アクションを支持する組織と人々の中には、教師、交通機関の労働者、看護師の組合も含まれ、知識人のアンジェラ・デイヴィス、ミュージシャンのブーツ・ライリー、俳優のダニー・グローヴァーはジューンティーンスの意義についてスピーチした。カナダも同様に奴隷制、日系カナダ人の強制収容、「駒形丸事件」などの人種差別があったため、カナダの造船所労働者の多くもジューンティーンスの抗議行動に参加した。
(愛知連帯ユニオン・ ジョセフ・エサティエ)
日系人の強制収容とは、第二次世界大戦時においてアメリカ合衆国やアメリカの影響下にあったペルーやブラジルなどのラテンアメリカ諸国の連合国、またカナダやオーストラリアなどのイギリス連邦において行われた、日系人や日本人移民に対する強制収容所への収監政策であり、12万の日系アメリカ人と2万人の日系カナダ人が収容された。
「国際港湾倉庫組合」は、米国で最も進歩的な労働組合の1つ。
リンカーンの有名なゲッティスパーク演説
87年前、われわれの父祖たちは、自由の精神にはぐくまれ、人はみな平等に創られているという信条にささげられた新しい国家を、この大陸に誕生させた。
今われわれは、一大内戦のさなかにあり、戦うことにより、自由の精神をはぐくみ、自由の心情にささげられたこの国家が、或いは、このようなあらゆる 国家が、長く存続することは可能なのかどうかを試しているわけである。われわれはそのような戦争に一大激戦の地で、相会している。われわれはこの国家が生 き永らえるようにと、ここで生命を捧げた人々の最後の安息の場所として、この戦場の一部をささげるためにやって来た。われわれがそうすることは、まことに 適切であり好ましいことである。
しかし、さらに大きな意味で、われわれは、この土地をささげることはできない。清めささげることもできない。聖別することもできない。足すことも引 くこともできない、われわれの貧弱な力をはるかに超越し、生き残った者、戦死した者とを問わず、ここで闘った勇敢な人々がすでに、この土地を清めささげて いるからである。世界は、われわれがここで述べることに、さして注意を払わず、長く記憶にとどめることもないだろう。しかし、彼らがここで成した事を決して忘れ去ることはできない。ここで戦った人々が気高くもここまで勇敢に推し進めてきた未完の事業にここでささげるべきは、むしろ生きているわれわれなのである。われわれの目の前に残された偉大な事業にここで身をささげるべきは、むしろわれわれ自身なのである。―それは、名誉ある戦死者たちが、最後の全力を 尽くして身命をささげた偉大な大義に対して、彼らの後を受け継いで、われわれが一層の献身を決意することであり、これらの戦死者の死を決して無駄にしない ために、この国に神の下で自由の新しい誕生を迎えさせるために、そして、人民の人民による人民のための政治を地上から決して絶滅させないために、われわれ がここで固く決意することである。
アメリカ国務省ホームページより
理想は高く掲げられ、公民権法が成立したがアメリカ合衆国における黒人迫害は現在にいたるも続いている。