宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

「気候温暖化ー前例のないシステム移行ー資本主義が根本から問われている」-改定綱領講座より(1)

2020年04月13日 | 綱領関連

 日本共産党の志位和夫委員長が3月14日に行った「改定綱領が開いた『新たな視野』」の講義内容が、「しんぶん赤旗」日刊紙に3月22日(日)から毎週日曜日、4月12日(日)まで4回にわたって掲載されました。多くの読者が楽しみにしながらお読みいただいたのではないでしょうか。講義内容は、中央委員会のホームページでも視聴できますが、文章で読むとまた、違った深まりがあるように思います。DVDを活用した学習会も、コロナウイルス対策をしながら進められています。パンフレット又は本の発行が待たれています。

 この間、「新型コロナウイルス」問題について考えてきました。人間社会の未来に深く関わる問題であることはが分かり始めているところです。そして一つの大きな疑問が、「地球の気候変動とウイルス、特に新型コロナウイルスの関係」であり、「資本主義のシステムの問題」です。

 志位さんの講義の中から、「気候変動」に関する部分を紹介し、考えて見たいと思います。(しんぶん赤旗「改定綱領学習講座」③4月5日付より)

「大会の綱領報告では、『いま注目すべきは、こうした(気候変動抑止の)運動にとりくんでいる人々のなかから、いまのシステムで解決策がないならば、システムそのものを変えるべきだ”という主張が起こっていることであります』とのべました」

「ここで紹介したいのは、この問題で、国連などにより設立された『気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が作成した『1・5℃特別報告書』(2018年)であります。この『特別報告書』では『予測される気候変動のリスクを詳細に明らかにするとともに、『1・5℃以内』に抑えるためには、”社会のあらゆる側面において急速かつ広範な、前例のないシステム移行が必要”だと強調して、次ぎの柱を列挙しています」

「-再生可能エネルギーへの大規模な置き換え、エネルギー消費の削減、エネルギー最終消費の電化の急速な進行など、『エネルギー分野におけるシステムの移行』

「-エネルギーの効率化、持続可能なバイオ燃料、リサイクル、電化および水素、二酸化炭素の回収・利用・貯留など、『産業分野におけるシステムの移行』

「-運輸および建物における大幅な温暖化ガス排出削減など『都市・インフラ分野におけるシステムの移行』

「-牧草地、農地、森林など、『土地利用分野におけるシステムの移行』

このように、社会のあらゆる分野における『システムの移行』が必要だということを言っています。たんにエネルギーを再生可能エネルギーにするだけでなくて、社会の全面的な『システムの移行』が必要だというのが、IPCCの『1・5℃特別報告書』に書かれているのであります」

「これらの前例のない全面的な『システムの移行』が、はたして資本主義のもとで実行可能かどうか、これは大きな問題だと私は思います」

 


「地球の最大の脅威は人類」 ”人類は解決できる”-米国の人類生態学者ジャレド・ダイアモンドさん

2020年04月12日 | 綱領関連

「読売」紙の10日付に、米国の人類生態学者ジャレド・ダイアモンドさんのインタビュー記事が掲載されました。同氏の近著「危機と人類」は日本でも評判になっているとのことです。私はまだ、読んでいません。同記事でジャレドさんが語っている「人類の4つの脅威」には、共感するところがありました。

 インタビュー記事は、「新型コロナ」問題から始まっていますが、後半部分の「4つの脅威」について紹介させていただきたいと思います。(一部、略)

-『危機と人類』で21世紀の4つの脅威を挙げていますね」

(ジャレド・ダイアモンド氏)第1は、核の脅威。日本は1945年の被爆体験に加え、中国と北朝鮮という核を持つ隣国があるので特に敏感でしょう。核を持つ2つの国が敵対する場合、相手の報復を封じ得ると確信すれば、核攻撃を仕掛ける恐れはある」

第2は、気候変動。短期的地域的な寒冷化はありますが、長期的総体的に地球は温暖化している。氷山が解けて海面が上昇し、国土の大半が低地のバングラデシュなど存亡の危機に直面している国があります」

第3は、資源の枯渇。石油・天然ガスなどエネルギー資源は無論ですが、再生可能な資源の魚介類、木材、表土、真水も乱獲や乱開発で減少、衰弱している。資源を消費する世界人口は今、1900年までに生存した全人類の総和よりも多いとの学説もある。昔に比べて1人あたりの資源消費も増えている。資源の再生は難しくなっています」

第4は先進国とそれ以外の国々との経済格差。私の見立てでは、先進諸国の計12億人の生活水準は、残る65億人の30倍以上。この不平等は先進諸国にとって脅威でもある。豊かさを求める移民の大量流入はその一つ。また、先進諸国に対する不満が全く意図しない形で表れることもある。中国発の新型コロナが米欧で猛威を振るっている現象に私はそうした不満の影を見てしまう」「4つの脅威は喫緊の課題で、今世紀半ばまでに解決する必要があります」

「-自身を楽観主義者と称していますが」

(ジャレド・ダイアモンド氏)ー人類の直面する脅威が地球に衝突する大惑星であるのであれば、人類は対処できない。私は悲観主義に陥ります。しかし、地球の最大の脅威は人類です。4つの脅威は全て人間の作為です。人類が本気になれば、解決できるはずです」

「私は環境保護活動に長らく取り組んできました。石油大手など大企業は敵でした。ところが、この15年来、資源に限りがあることに正対し、自然環境に配慮する大企業が現れてきた。米国で言えば、石油大手のシェブロンや小売り大手のウォルマートなどです」

「危機を危機と認める誠実さは、克服に向かう一歩です。私は今、人類が脅威の排除に成功するか確率を52%、失敗する確率48%と見なしている。慎重な楽観主義者であるゆえんです」


「医師たちには国境はない、治療の糸口を探り合っている」-中国・武漢市在住の作家・方方氏

2020年04月03日 | 綱領関連

 4月3日付「しんぶん赤旗」(国際面)の記事に注目しました。

 見出しは「米中専門家『両国協力を』」「医師らは治療経験を交流」です。以下、紹介したいと思います。

「新型コロナウイルスをめぐり米中の政府や政治家がお互いをののしり合う中、両国の専門家はこの危機の中で米中が協力するよう訴えています。3月28日、29日の両日、中国発展研究基金会と清華大学戦略・安全保障研究センターとの共催で、18人の米中の専門家が参加し、『新型コロナウイルスと米中協力』と題するビデオ会議が開かれました

「中国メディアによると、多くの参加者が、米中はお互いを刺激する言動を減らし、新型コロナの制御に向けた協力に集中すべきだと主張。両国の医師や科学者、製薬企業の交流と協力を強めるよう促すべきだと呼びかけました。その上で、関税を下げ、貿易上の障害を取り除くよう求めました」

「米ハーバード大学のグレアム・アリソン教授は3月27日、米誌『ナショナル・インタレスト(電子版)に『新型コロナウイルスとのたたかいで、中国は敵か友人か』と題する論文を発表。その中で、『中国の治療の経験が有効だとしたら、ウイルスの発生源を理由に、米国はそこから学ぶことを拒否していいのか』とし、『ウイルスがまん延している時に、両国が協力を拒否すれば、お互いの国家利益を確保できないと、米中の協力を訴えました」

「中国メディアによると、3月18日に米中の漢方専門医がビデオ会議を行い、新型コロナに対する漢方治療の経験を交流。両国の医療関係者はさまざまな交流・協力を続けていきます」 

「武漢在住の作家・方方氏は3月24日の日記で、『面白いのは、米中の政治家たちがお互いを非難している時に、両国の医師たちが協力し、どのように病人を救うか、どの薬が死亡率を下げるのに有効かなどを相談していることだ。医師たちには国境という意識はなく、経験を伝え、治療の糸口を探り合っている』と紹介しました」

 また、「ハノイ=井上歩」からの記事として、同紙は、次ぎのように報じています。

「東南アジア諸国連合(ASEAN)10か国と米国は1日、オンラインの高官会合を開き、新型コロナウイルス対策について、科学研究を含む情報や経験の共有、技術援助を積極的に進めていいくことで一致しました。ASEAN議長国ベトナムが発表しました」

 こうした報道に接し、私は、「改定綱領」で新設された「第9節ー冒頭」部分を読み返しました。

「植民地体制の崩壊と百を超える主権国家の誕生という、20世紀に起こった世界の構造変化は、21世紀の今日、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しはじめている」

「一握りの大国が世界政治を思いのままに動かしていた時代は終わり、世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が開かれつつある。諸政府とともに市民社会が国際政治の構成員として大きな役割を果たしていることは、新しい特徴である」

 

 

 


米大統領選、民主党予備選ーサンダース氏(78歳)と若い世代の動向に注目 (3)

2020年02月10日 | 綱領関連

「朝日」9日付一面トップ記事は、「若者が支える78歳革新派」の見出しのアメリカ大統領選の民主党予備選で注目されているバーニー・サンダース上院議員(78)の活動や支持者の声、背景などを伝えるものでした。

 サンダース上院議員の活動は、「しんぶん赤旗」などの報道を通じて注目してきました。

「朝日」紙は、「収入にかかわらず、すべての国民が高等教育を受けられるようにすべきだ。公立大学の無償化と学生ローンの免除をともに実現しよう。話していたのは、民主党の大統領候補を目指すバーニー・サンダース上院議員(78)。音声のみの参加だったが、支持者からは大きな歓声が上がった」(1月31日、米アイオワ州デイモンのイベント会場)

 さらに、記事は次のように書いています。

「サンダース氏の主張は、米社会では『極端』と受け止められがちだったが、ここに来て勢いを増す。支えるのは、若者だ。米メディアが党員集会参加者に行った調査では、17~29歳の48%がサンダース氏支持と答えた。この世代でブダジェッジ氏の支持率は19%、同じく穏健派のバイデン前副大統領(77)はわずか3%」

「逆に、65歳以上では33%がバイデン氏を支持し、サンダース氏は4%。世代間で大きな違いが出た」

 そして、若い世代の声を生々しく紹介しています。日本の若い世代と共通した現実を実感させられます。

「貧富の格差の拡大や多額の学生ローン。米国の若い世代には『将来に希望が持てない』との思いが広がる。こうした閉塞感が、大統領選の行方を左右する可能性がある」 

 バーニー・サンダース氏の政策が若い世代の共感を得て、広がっていることに大変激励されています。同氏の政策の裏付けに関わる記事が2月9日付、「しんぶん赤旗」が報じています。(「マンチェスター=池田晋」記者)

「ニューハンプシャー州で、11日の投票日を前に民主党の主要7候補によるテレビ討論会が7日、マンチェスター市内で開かれました」この討論会で、「政治とカネ」をめぐって激論が交わされました。

 同紙によれば、以下のような内容でした。

「サンダース氏は、ブティジェッジ氏を名指ししながら『ここの数人の候補と違い、私の選挙は億万長者から寄付を受けていない』と指摘。150万人以上の市民から、のべ600万回以上の小口寄付で自らの運動が支えられており、『米政治史上、前例がないものだ』と強調しました」

「一方、ブティジェッジ氏は、トランプ大統領が巨額の献金を集めていることをあげ、『得られるものは全て使ってたたかう必要がある』と富裕層からの献金を正当化しました」

 サンダース氏が、どのような思いで政治活動を決意したのでしょうか。同氏の経歴などを「ウィキペディア」は次のように紹介しています。

「ニューヨーク州ニューヨーク市ブルックリンで、ポーランド系ユダヤ人移民の息子として生まれた。~(父)イーラクが渡米後、ポーランドの親戚のほとんどがホロコーストで殺害された。そのためサンダースは幼い頃から政治意識に目覚めていた。『アドルフ・ヒトラーという男が合法的に政権を取り、第二次世界大戦が起こり、ユダヤ人600万人を含む5000万人が殺害された。だから子供の私が学んだのは、政治とは本当に重大なものだということだった」

 サンダース氏は、1941年9月8日生まれです。日本軍が真珠湾攻撃を強行した3か月前です。私は1943年8月29日生まれです。同世代の政治家として深く尊敬してます。

 

 


「新たな危機を生み出す、米国のやるべきことは核戦争を回避すること」-ダリル・キンポール会長 (2)

2020年02月08日 | 綱領関連

「東京新聞」5日付、夕刊は、次のように報じました。

〈米シンクタンク、軍備管理協会のダリル・キンポール会長の話〉低出力の核兵器の配備は新たな危機を生み出すだけだ。米国の潜水艦に搭載されているのが、小型核かどうかはロシアには見分けがつかず、過剰な反応を招く恐れがある。米国がやるべきなのはロシアとの緊張緩和を探り、膨大な費用のかかる核戦争を回避すること。来年二月に期限が切れる米ロ間の新戦略兵器削減条約(新START)の延長なしには核戦争のリスクは増すばかりだ。〈ワシントン・共同)

 米国の保有している戦略原潜は14隻あり、うち8隻は太平洋に配備されています。2017年10月には、緊迫していた朝鮮半島情勢のなか、釜山に改良型オハイオ級ミシガンが入港しています。

 同年4月に入港した同艦について、「韓国メディアは、「アメリカ海軍特殊部隊シールズを韓国軍との共同訓練のために運んできた伝えた。訓練の訓練の目的は、北朝鮮の核兵器施設と同国の金正恩委員長を排除するこ。だが、米軍は訓練の目的は同国の政権転覆ではないと述べた」報じていました。(「2017・10・23」)

 日本への同艦の入港について、「神奈川新聞」が次のように報じていました。(2010年9月28日)

「米海軍のオハイオ級原子力潜水艦『ミシガン』(1万6764トン、マクローリン大佐ら158人乗り組み)が28日午前10時5分ごろ、米海軍横須賀基地に入港した。『乗組員の休養と物資の補給・維持』などが目的とされている」

 日本との関係では、「しんぶん赤旗」2月6日付の竹下岳記者の記事が注目されます。

「米国防総省はF35ステレス戦闘機の、新型核弾頭B61-12が搭載可能な『ブロック4』への移行に着手しました。B61-12は出力が低く抑えられているものの、命中精度が大幅に向上しており、結果として破壊力が増しているとされています」

「新NPRでは、核・非核両用の戦闘機や爆撃機(DCA)について、『必要なら北東アジアに配備する』と明記。F35Aはすでに17年秋から約半年間、米空軍嘉手納基地(沖縄県)に暫定配備されています」

「ロシアとの中距離核戦力(INF)全廃条約の破棄に伴い、米政府は日本を含むアジア地域への新たな中距離弾道ミサイル配備を検討しています。トランプ政権による陸上配備型ミサイル迎撃システム『イージス・アショア』の押し付けも、こうした新たな核戦略の一環といえます。米国の『核抑止』依存政治が続けば、日本は再び、米国の核戦略拠点にされかねません」

 改定綱領は、「(第9節)『ノーモア・ヒロシマ、ナガサキ(広島・長崎をくりかえすな)』という被爆者の声、核兵器廃絶を求める世界と日本の声は国際政治を大きく動かし、人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が成立した。核兵器を軍事戦略の柱にすえて独占体制を強化し続ける核兵器固執勢力のたくらみは根強いが、この逆流は、『核兵器のない世界』をめざす諸政府、市民社会によって追い詰められ、孤立しつつある」

 この立場で、核戦争阻止、核兵器禁止、廃絶のために全力を尽くす決意です。

 

 

 

 

 

 


「基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果」-憲法第97条 (2)

2020年02月06日 | 綱領関連

【昨日のつづき】

「(ハ)第2次世界大戦の結果は、この暗黒の歴史に大きな転機をもたらし、自由と民主主義をめぐる状況も一転することとなった。1948年の国連総会では世界人権宣言が採択された」

「反ファッショ連合勢力に敗北した日本の支配層は、『民主化』への同意を余儀なくされた。降伏条件となったポツダム宣言は、民主主義の復活・強化をはばむいっさいの障害の除去、言論、思想、宗教の自由、基本的人権の確立、軍国主義の一掃と平和的、民主的な日本の建設などを要求していた」

「戦前戦中、天皇の神格化と絶対主義支配を『国体』として強要され、ながい無権利状態で圧制に苦しんでいた国民も、日本の民主化と自由の実現を要求する運動に参加し、はじめて公然活動の自由を得た日本共産党はその先頭に立った」

「日本の反動的支配層は、大きな制約をもった占領下の民主主義にさえさまざまの抵抗をこころみた。にもかかわらず、1947年には主権在民をうたった新憲法が生まれた。この憲法は、その成立の経過や当時の複雑な状況を反映して、『象徴』天皇の条項など、国民主権の民主主義とは矛盾するものを残しているものの、積極的な平和的、民主的な条項をもっている。その精神は、さきにのべた憲法5原則に集約することができる」

(注:【憲法5原則】)

「1974年7月、宮本委員長(当時)の記者会見で、①国民主権と国家主権、②恒久平和、③基本的人権、④議会制民主主義、⑤地方自治、を憲法5原則と定式化し、これが日本社会の将来の進歩・発展のなかで、いっそう充実、徹底させられるべきことをあきらかにしました」

「憲法第97条は、『この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果』であると、とくにのべている。自由民権運動や日本共産党をふくめ、進歩的国民の自由と民主主義のための苦闘のたたかいもまた、この『自由獲得の努力』の一翼であった」

「(二)-後段の最後部分ー1922年の党創立以来、一貫して自由と民主主義のために不屈にたたかってきた日本共産党は、この国民運動の先頭に立って奮闘するものであるわが党のこの立場は、自由と民主主義の問題にたいする科学的主会主義の本来の立場を自主的、創造的に発展させたものであって、たんなる一時期の戦術ではなく、現在から将来にわたる日本共産党の政策と活動の一貫した特徴をなすものである」


「日本の民主主義の過去と現在ー「自由と民主主義の宣言』(1996年一部改定)から (1)

2020年02月05日 | 綱領関連

「未来社会」における自由と民主主義については、今後も検討していきたいと思います。そうした思いを込めて、「自由と民主主義の宣言」の次の一節を紹介したいと思います。

「第2章 日本の民主主義の過去と現在」の次の部分です。

「(ロ)1922年(大正11年)に結成された日本共産党は、近代日本の自由と民主主義の伝統を継承するものであった。日本共産党は、国民主権の立場から君主制の廃止、貴族院の廃止を大胆にかかげ、はじめて男女平等、18歳以上の男女の普通選挙権を要求し、労働者の団結、出版、集会、ストライキの自由、8時間労働、小作人への土地の引きわたしなどをかかげた」

「日本共産党の鮮明な国民主権の立場は、当時の主権在君主義の『国体』とは真っ向から対立した。その侵略戦争反対、諸民族の自由、平等、植民地支配反対の立場も、好戦的軍国主義とは真っ向から対立するものであった」

「そうしたことのゆえに、日本共産党は公然活動の自由をいっさいうばわれ、『国賊』と非難され、治安維持法と特高警察によって世界に類例をみないほど過酷な弾圧をうけた。うむをいわさぬ逮捕、しばしば虐殺にまでいたった拷問、脅迫、長期拘留、特高の筋書きによる予審と暗黒裁判ーーこれらが日本共産党にたいして常用された」

「中国東地方の侵略以来15年間の侵略戦争、とくに日・独・伊反共軍事同盟による太平洋戦争への拡大とともに、気骨ある自由主義者、宗教者にいたるまで弾圧しながら、天皇制権力はファッショ的暗黒体制を極限にまですすめた。治安維持歩による犠牲者は、記録されているだけでも死者1682人、逮捕・送検者7万5681人、未送検の逮捕者は数10万人にのぼった」

「そして、まさに国民の自由や権利の最後の一片までの圧殺こそ、アジアと日本の国民にいいようのない苦悩と犠牲を強いることと表裏一体であった。いわゆる15年戦争で戦死・戦病死したものだけで230万人、戦災死亡者50万人以上、海外死亡の民間人30万人、被災者880万人にのぼり、そのほか国民各層の被害と困難ははかり知れなかった。中国人民をはじめアジア諸国民2000万人以上が犠牲となった」

この事実は国民の自由と民主的権利の一つひとつをかちとり、守りぬくことの大切さを、いまもわれわれに痛切に教えている」


「人為起源の要因以外に気温上昇の説明はできない」 ー 江守成多さん(国立環境研究所)(37)

2020年01月04日 | 綱領関連

「しんぶん赤旗」4日付は、「守ろう!地球の未来-襲いかかる気候危機」の連載が始まました。

【マーシャル諸島 上】の一部を紹介します。

 「マーシャル諸島の平均海抜は約2㍍。地球温暖化が原因とみられる海面上昇の影響を最も深刻に受ける国の一つです。~過去の報告書では、海面が1㍍上昇するとマーシャル諸島の人口の半分が集中するマジュロ環礁(首都マジュロ)の土地の8割が失われると指摘しました」

 「昨年11月には『キングタイド』と呼ばれる極端に大きな潮の満ち引きが発生し、マジュロでは道路や家が冠水。200人以上が避難を余儀なくされました。台風の巨大化、雨不足、干ばつなどの異変も相次いでいます」

 「マーシャル諸島政府によると、世界全体の温室効果ガス排出に占める同国の割合は0.00001%にすぎません。それにもかかわらず、石炭、石油、などの化石燃料に依存してきた国々が引き起こした気候変動の犠牲者になっています」

「前衛」誌1月号掲載の「頻発する異常気象と地球温暖化」についての江守成多国立環境研究所・地球環境研究センター副研究センター長のインタビューの一部を紹介させていただきます。

(編集部)地球温暖化が人為的なものであるということがなぜ言えるのでしょうか」

「(江守氏)過去、とくに20世紀後半以降ですけれども、実際に観測された気温上昇が何によって説明できるかということを詳しく調べると、人間活動によって大気中に温室効果ガスが増えたということを除いてはまったく説明がつかないのです」

「(江守氏)人間活動により増加している温室効果ガスで一番大きいのは、二酸化炭素(CO2 )で、そのうち一番大きいのがエネルギー起源によるものです。それ以外にも温室効果ガスの排出はありますが、石炭、石油、天然ガスを燃やすことによってエネルギーをつくるさいに出てくるCO2の大気への放出が一番多い」

(江守氏)IPCC(気候変動に関する政府間パネル)が2013年に出した第5次評価報告書では、20世紀半ば以降の世界平均気温上昇の半分以上は、人為起源の要因、つまり人間の活動による可能性がきわめて高い、ICPPの用語法では95%以上の可能性と評価されています」(「図3」が参考になります。同誌58頁)

【1.5℃未満でも危険がさらに深刻になる】

「(編集部)2015年の『パリ協定』で産業革命以前と比べてから気温上昇を『1.5℃未満』に抑える努力をすることが強調されていますが、これにはどういう意味があるのでしょうか。気候の変化はそのように予測されているのですか」

「(江守氏)私の理解ではその『1.5℃未満であれば安全であるというわけではないということです。そうではなく、産業革命以前に比べて世界平均気温は現時点で、1℃上昇しています。その1℃の温暖化ですでに脆弱な地域では非常に深刻な被害が出ています。サンゴが白化したり死滅したりしています」

「また、脆弱な途上国では、大干ばつで食料危機になっていますし、強力なストームによって大規模な風水害が発生してて住むところを失ったりするなど、これまでにない規模の被害が頻繁に起こるようになっています」

 「気候変動」問題を科学的に議論するするうえで参考にしたい、「グラフ」「表」なども掲載されています。さらに、探求し、研究するうえでも手引きになるのではないかと思います。 

 

 

 

 

 

 


「世界政治を大国が支配する時代が終わり、諸国政府と市民社会の時代が始まる」ー14日から党大会(36)

2020年01月03日 | 綱領関連

 明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

 2020年1月14日から18日まで、日本共産党は第28回党大会を開催します。21世紀が20年代を迎えるなかで日本と世界の政治は、人類の未来がかかった諸課題を巡って激動を続けることになると思います。「綱領一部改定案第9節」は、世界政治に対する見方を次のように提起しました。

「一握りの大国が世界政治を思いのまま動かしていた時代は終わり、世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代がひらかれつつある。諸国政府とともに市民社会が、国際政治の構成員として大きな役割を果たしていることは、新しい特徴である」

「核兵器のない世界」をめざす課題などとともに、諸政府と市民社会の運動は、「気候変動の是正・抑制」を求める取り組みでも大きな役割をは果たしつつあります。

「綱領一部改定案」提起のなかで「気候変動」問題が注目点の一つと思います。この16年間の世界政治のなかでも大きな危機とともに変化、発展を示しているのが、「気候変動」問題ではないでしょうか。

 現綱領は、「第4章 民主主義革命と民主連合政府」の【経済民主主義の分野】の3項目で、「(削除)国民生活の安全の確保および国内資源の有効活用の見地から食料自給率の向上、(削除)安全優先のエネルギー体制と自給率の引き上げを重視し、安心・安全な食料の確保、国土の保全など多面的機能を重視し、農林水産政策、(削除)エネルギー政策の根本的な転換をはかる。国の産業政策のなかで、農業を基幹的な生産部門として位置づける」と規定していましたが、「改定案」では、4項を新設して、次のように、3・11や「パリ協定」など情勢と国民的体験を生かして整理・発展させています。

「4、原子力発電所は廃炉にし、核燃料サイクルから撤退し、『原発ゼロの日本』をつくる。気候変動から人類の未来を守るため早期に『温室効果ガス排出ゼロ』を実現する。環境と自給率の引き上げを重視し、再生可能エネルギーへの抜本的転換をはかる」

 そして、気候変動問題に対する基本的立場については、「第3章 21世紀の世界」の10節のなかで、「とりわけ、貧富の格差の世界的規模での空前の拡大、地球的規模でさまざまな災厄をもたらしつつある気候変動は、資本主義体制が21世紀に生き残る資格がを問う問題となっており、その是正・抑制を求める諸国民のたたかいは、人類の未来にとって死活的意義をもつ」と明記しました。

 


海自中東派兵は憲法違反、出撃艦「たかなみ」にどんな「調査・研究」が期待できるのか (35)

2019年12月30日 | 綱領関連

 政府は27日、中東への自衛隊派兵を閣議決定しました。防衛省設置法第4条の「調査・研究」に基づく派兵です。国会審議も経ないまま、トランプ米大統領の対イラン有志連合への参加要請に事実上、応えるものです。国会承認は必要とされておらず、歯止めない派兵拡大につながる大きな危険の恐れがあります。

 派遣される予定の「たかなみ」とはどんな艦船なのでしょうか。「ウイキペデイア」で見てみたいと思います。

【たかなみ(護衛艦)ー主な仕様】

 〇 就役 2003年3月12日 〇 満載排水量 6300トン(基準排水量 4650トン)

 〇 全長 151m 〇 最大幅 17.4m 〇 最大速力 30ノット 〇 乗員 175名

 〇 兵装 ・54口径127mm単装速射砲×1門・高性能20mm機関砲×2基・艦対艦誘導弾4連装発射管×2基

      ・Mk.41VLS×32セル ・HOS-302 3連装短魚雷発射管×2基

 〇 搭載機 SH-60J/K 哨戒ヘリコプター×1/2機

  等々です。

 「たかなみ」の艦歴にも注目したいと思います。

 「豊富」な艦歴の一部を見てみたいと思います。(「ウイキペデイア」より」)

「2014年7月15日、第19次派遣海賊対処行動水上部隊として、「おおなみ」と共に横須賀を出航した。アデン湾においてNATO 軍と共同訓練を実施、デンマーク海軍戦闘支援艦『ESBERN SNARE』(エスベアン スナーレ)とともに通信訓練、戦術運動、立入検査訓練等を行った。10月16日にはEU海上部隊と共同訓練を実施、イタリア海軍駆逐艦『ANDREA DORIA』(アンドレア・ドリア)とともに同様の訓練を行った。

 こうした、艦歴からも「たかなみ」の今回の「出撃の理由」が、「調査・研究」に留まらない大きな危険性をひしひしと感じます。

 「調査・研究」での派兵について、「東京新聞」28日付に柳沢協二 元内閣官房副長官補の「寄稿文」が掲載されました。同氏次のように指摘していますす。

 「今回の派遣は、対イラン有志連合を主導する米国と、日本が敵対したくないイランの双方に配慮した政治的シグナルとしても分かりにくい。緊張が高まる中での軍事的対応は、相手を刺激して対立が激化する安全保障のジレンマを招きやすい。それを避けようとすれば、軍事的意味がない行動を取らなければならない。それが調査・研究という奇手の真意だ」

 「朝日」紙28日付は、現場の自衛官の声を紹介しています。

 「幹部自衛官は『海賊と、別のリスクとが同時に起きた場合、現場は迷いかねない。危険につながる』」「『現場の安全より、日程ありきで物事が決まった印象』」「あえて行く必要があるのか。無用な刺激になるのでは』」など、率直で、真剣な声を伝えています。

 日本共産党の小池晃書記局長は、自衛隊の中東派兵の閣議決定に対して、「厳しく抗議 撤回を求める」表明し、次のように強調しました。

 「日本がやるべきことは、トランプ政権に核合意に戻るように説得すること、イランに緊張を高めないように自制を求めること、9条を生かした平和外交でこの地域の平和の実現に努力することだ」

 日本がアメリカに従属し、主権を失い続けていることが、自衛隊の中東派兵ー戦争への道、という憲法違反政治が深刻な形で現れつつあります。2020年は平和の祭典、東京オリンピック・パランピックが開催される年です。日本国民の主権を回復し、平和と民主主義を求めるたたかいがいっそう重要になってくると感じています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


安倍政権を退陣させ野党連合政権樹立への展望を切り開く2020年へ (34)

2019年12月27日 | 綱領関連

 安倍政権の内外政策の行き詰まりがいよいよ誰の目にも明らかになるなかで、2019年が暮れようとしています。 今年最後の大和駅頭朝宣伝を後援会のみなさんと行いました。 ガーベラを生かした「希望」の大判プラスターと新しい「日本共産党」の旗等を掲げての宣伝でした。 いつになく、温かい視線を感じました。

 「国民の希望」を奪いつづける安倍政権、ついに、「桜疑惑」で野党共同のたたかいで追い詰められ、カジノ汚職で自民党衆議院議員(離党)が逮捕されるという異常事態となりました。

 外交では日中韓首脳会談でもみるべき成果を国民に語れない姿がさらけ出されました。 尖閣諸島の日本の領海内に公船の侵入を繰り返す中国の周近平国家主席の来春の国賓来日には自民党内からも反対の声が公然と上がりはじめています。 また、米軍海兵隊のための辺野古新基地建設の破たんがあらわになりました。 防衛省は当初見通しの2倍以上、9300億円の費用と工期も10年近く延長されることを明らかにしました。 しかし、完成の見通しはありません。

 沖縄県の玉城デニ―知事は26日、県庁で新基地建設の「根拠や必要性が失われた」「(普天間基地の)1日も早い危険性の除去にはつながらない」「(新基地建設が)国民の理解が得られるのか。 国会での議論を注視したい」と語りました。

 「朝日」紙の世論調査(21、22日実施)では安倍政権の支持率は、38%に下落し、不支持率は42%に上昇し逆転しました。

 しかし、安倍政権の暴走は止まりません。 今日(27日)、中東への海上自衛隊の派兵を閣議決定しました。 消費税を10%に増税し、赤字国債を増額し医療や介護を改悪し、年金を減額する憲法違反の政治をどこまでも突き進める、「戦後最悪の安倍政権をもう許さない」。 こうした決意と運動がいよいよ重要になっていることを痛感しています。 

 

 


日本の年平均気温偏差+0.92℃、世界は同+0.42℃上昇ー気象庁が公表 (33)

2019年12月25日 | 綱領関連

 気象庁が12月23日、日本と世界の天候について公表しました。 日本が世界の2倍を上回る上昇度になっていることに、深刻さを強く感じました。 以下、気象庁の発表の要旨を紹介します。

 【日本の年平均気温偏差】

 「2019年の日本の年平均気温偏差値(1981~2010年の30年平均値からの偏差)は+0.92℃(1~11月の期間から算出した速報値)で、統計を開始した1898年以降で最も高い値となる見込みです。(第2位は2016年の+0.88℃)。 日本の年平均気温は、長期的には100年あたり1.24℃の割合で上昇しており、特に、1990年代以降、高温となる年が多くなっています」

 「近年、高温となる年が頻出している要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響が考えられます。 また、エルニーニョ現象やラ二―ニャ現象などの数年程度から数十年程度の時間規模で繰り返される自然変動の影響も受けて変動していると考えられます」

 【世界の年平均気温偏差】

 「2019年の世界の年平均気温偏差(1981~2010年の30年平均値からの偏差)は+0.42℃(1~11月の期間から算出した速報値)で、統計を開始した1891年以降で、2番目に高い値となる見込みです。 また、最近5年(2015~2019年)は、すべて歴代5位以内となる見込みです。 (第1位は2016年の+0.45℃)。 世界の年平均気温は、長期的には100年あたり0.74℃の割合で上昇しており、特に、1990年代半ば以降、高温となる年が多くなっています」

 「近年、高温となる年が頻出している要因としては、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加に伴う地球温暖化の影響が考えられます。~2019年が歴代2位の高温となった要因としては、地球温暖化の影響と2018年秋から2019年春まで続いたエルニーニョ現象等の自然変動の影響が考えられます」

 日本の気候状態が異常状態になっていることが大変心配されます。 

 「しんぶん赤旗日曜版」12月22日付で、気候ネット東京事務所長 桃井貴子さんはインタビューに次のように答えています。

 「世界気象機関(WMO)の最新のデータでは、昨年の地球全体の大気中のCO2濃度は0.04%を超えました。 過去40万年間で人類が経験したことのない濃度です。 そのために温室効果が高まり、気温が上昇しました。

 「気温が上がると大気中の水分(水蒸気)が増えます。 日本近海の水温が上がり、台風が強い勢力のまま上陸し、豪雨や水害が起きます。 気象庁も台風19号など最近の災害と気候変動の関係を指摘しています。 世界各地のこうした現実は『気候危機』と呼ばれています」

 「気候変動の影響は地域差があります。 島国や途上国の貧しい人は、温室効果ガスを大量排出する生活をしていないのに、その影響を受けやすい。 逆に脆弱でない先進国ほど大量に排出し、加害者になっている。 この格差、不公平から、『気候正義』という考えが生まれています」

 「『気候正義は世代間格差の問題だ』との見方も出ています。 『気候変動の影響をあまり受けない世代と、将来大きな影響を受ける若い世代の間に格差、不平等がある。 大量の温室効果ガスを排出してきた世代が責任を取るべきだ』といのです。 スウェ―デンの環境活動家グレタ・トゥンべりさんの訴えが世界の若者の心に響く背景に、この見方があります」

 「15年のCOP21で採択されたパリ協定は、気温上昇を2度未満~1.5度に抑えるよう求めています。 それには21世紀半ばまでに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにしなければなりません。 日本は火力発電所新設を直ちにやめ、再生エネ推進に大転換すべきです」

 日本共産党の綱領改定案では、「貧富の格差」の問題と合わせて、次のように気候変動問題について述べています。

 「地球的規模でさなざなな災厄をもたらしつつある気候変動は、資本主義体制が21世紀に生き残る資格を問う問題となっており、その是正・抑制を求める諸国民のたたかいは、人類の未来にとって死活的意義をもつ」

 この人類史的意義をもつたたかいが、特に、私たち日本国民に強く求められていると感じています。

 


「未来社会(社会主義・共産主義社会)の目標ー”人間の自由で全面的な発展” (32)

2019年12月24日 | 綱領関連

《「BSフジ番組プライムニュース」での志位氏の発言のつづき》

反町ー 今は、どうなんですか?」

「志位ー 私たちは、今の日本で、一気に社会主義にいこうというプログラムではありません。 まず、アメリカ従属と財界中心というゆがみをただす民主主義革命を行い、そのうえでその先(社会主義・共産主義)に進もうとというプログラムなのですが、日本の場合、いま言った5つの要素がみな熟しているのではないですか。 ですから、社会主義に進むならばはるかに大きな可能性と展望が開けてくる」

反町― 今の日本にこそ社会主義革命の条件は整っているということですか」

「志位ー そこに進むいろんな要素が熟してきていると思います」

反町ー 社会主義革命をめざすという心を共産党は捨ててはいないのですね」

志位ー もちろんです。 私たちは、『社会主義的変革』という言葉を使っています」

反町ー 革命ではなくて、変革なんだ。 革命はやはり武力を使うこと?」

「志位ー 違う、違う。 私たちの立場は議会で多数を占めて、平和的に進むということです」

反町ー そうか、暴力的革命というのはすでに捨てているんだ。 闘争手段としては。

志位ー それは決してやらない。 平和的な手段でやっていくのですが、革命というのはいわば権力が移るということです。 私たちも入って民主主義的な革命を実行したとするじゃないですか。 そうした民主主義な政権が今度は国民の多数の合意で、社会主義に進もうといった場合に、同じ勢力が中心となって社会主義の道に進むという可能性がかなり高いですよね。 その場合は、革命というより『社会主義的変革』という言葉が、適切になると思います」

「反町ー 民主的議会制度に基づいた、徐々な変化」

「志位ー そうです。 一段一段とやっていくということです

志位ー 一番大事なのは労働時間が短縮され、たとえば1日3時間や2時間、週3日とか4日でもやっていけるようになるとということです。 残りの自由な時間で、すべての人々に眠っている潜在的な能力を自由に開花させ、自分の能力を豊かに全面的に発展させることができるようになる。 すべての人間の自由で全面的な発展を保障する社会ーーこれが私たちのめざす社会主義なんですね」

 「日本共産党の綱領第2章ー現在の日本社会の特質―第4節」は、第2次世界大戦後の日本の「大きな変化」の一つとして、次のように述べています。 

 「第2は、日本の政治制度における、天皇絶対の専制政治から、主権在民を原則とする民主政治への変化である。 この変化を代表したのは、1947年に施行された日本国憲法である。 この憲法は、主権在民、戦争放棄、国民の基本的人権、国権の最高機関としての国会の地位、地方自治など、民主政治の柱となる一連の民主的平和的な条項を定めた」

 「形を変えて天皇制の存続を認めた天皇条項は、民主主義の徹底に逆行する弱点を残したものだったが、そこでも、天皇は『国政に関する権能を有しない』ことなどの制限条項が明記された」

 「この変化によって、日本の政治史上はじめて、国民の多数の意思にもとづき、国会を通じて、社会の進歩と変革を進めるという道すじが、制度面で準備されることになった」

 そして、綱領第4章ー当面する「民主主義革命と民主連合政権」の課題を、資本主義の枠内で可能な民主的改革であることを明確にした上でー「憲法と民主主義の分野で」の課題として、「1、現行憲法の前文をふくむ全条項をまもり、とくに平和的民主的諸条項の完全実施をめざす」

 「2、国会を名実ともに最高機関とする議会制民主主義の体制、反対党を含む複数政党制、選挙で多数を得た政党または政党連合が政権を担当する政権交代制は、当然堅持する」ことなどを国民に明確に約束しています。


「ロシア革命と中国革命ー社会主義にすすむ前提のないところからの出発」 (31) 

2019年12月23日 | 綱領関連

前回からのつづき

反町ー ロシア革命のころに比べて、もっと大きな貧富の格差が生まれているのであれば、いまこそ社会主義革命の時期が目の前に来ているんだぞという意味でおっしゃっているんですか」

「志位ー ロシアで起こった革命というのは、第1次世界大戦という状況下で起こったものです。 特別の状況下で起こった革命なのです。 レーニンの時代、とくに晩年の時代には、ずいぶん合理的な探究がされたんですけれども、スターリンになって専制主義・覇権主義という大きな変質が起こって(ソ連)崩壊に至ったわけですね」

「このロシアの革命を見るときに、スターリンの誤りは決定的に大きいんですけども、やはり出発点の遅れというものは大変なものがあったんですね」

反町ー 出発点の遅れ?」

志位 たとえば、レーニンが最晩年に書いている論文を読むと、ロシアで文字の読み書きができる識字率は、1920年の統計で(国民全体の)3割、女性は2割です。 ですから、レーニンは、”自分たちは社会主義の革命をやったが、これから文明をつくらなければいけない”と言っています」

「生産力の水準も低い、まだ主要部門で電化さえされていないところからスタートしなければならない難しさがあった。 つまり社会主義に進むうえで不可欠な、高度な生産力、自由と民主主義の制度、人間の豊かな個性ーーいろんな前提がないところから始めなけrばならなかった」

反町ー 今はできている?」

志位ー マルクスの考え方のなかに、『資本主義の高度な発展は次の社会ーー社会主義・共産主義に進んでいく条件をつくる』と(いうのがあります)。 一つは高度な生産力。 二つ目は、経済の社会的な管理と規制の仕組み。 たとへば銀行制度など経済の社会的な管理の仕組みができてくると。 三つは、人民のたたかいによって労働時間の短縮など『暮らしと権利を守るルール』ができてくる」

反町ー いまそういうのが進んでいるような気がしますけど」

志位ー ええ。 四つ目に、自由と民主主義の諸制度がつくられる。 最後に五つ目に、人間の豊かな個性が、まだ搾取制度はあるけど生まれるんだと。 こういう五つの要素が資本主義の発展の中でつくられてくる。 もちろん、いま述べた要素のうちのいくつかは、人民のたたかいによって初めてつくられるし、たたかってこそ先に進めるんですけれど、資本主義の高度な発展のなかで、次の社会に進む物質的な条件、客観的な条件、そして主体的な条件がつくられてくるというのが、マルクスの展望だったわけです」

「そいうことから考えると、ロシア革命が開始された時代、それに中国革命の出発点では、そういう諸条件というのは整っていない。 あるいはきわめて未成熟です。 そういうところから始めた場合は、革命のあとにそういう条件をつくらなければならなかったわけです。 これが非常に難しかった」

 


”資本主義の総本山 アメリカで社会主義の「復権」が”-志位氏、BS番組で語る (30)

2019年12月22日 | 綱領関連

 19日放送れたBS番組「プライムニュース」に出演した志位委員長の発言を視聴しました。 聞き手は、フジテレビ反町理 解説委員長と長野美郷キャスターでした。 1時間近くの番組でしたが、時間を感じさせない真剣な応答が行われた内容であったと感じています。

 「しんぶん赤旗」21日付は、この番組での対話の内容を2頁にわたって報道しました。 その一部を紹介したいと思います。

(2~3回)

 【貧富の格差の拡大ーー資本主義の”総本山”のアメリカで社会主義の「復権が・・・】

 長野ー綱領改定案の報告で志位さんは、資本主義の矛盾として貧富の格差の拡大を問題視する一方、資本主義の発達が遅れた国々における社会主義的変革は難しいという指摘もしています。 共産党は今の資本主義と社会主義の関係をどうとらえているんですか」

 「志位ー私たちは、『二つの体制が共存するという特徴づけは成り立たなくなった』と表明したんですけれども、それでは資本主義の方が万々歳かというと決してしそんなことはない。 利潤第一主義ということが資本主義の原理です。 その矛盾が噴出している。 (綱領一部改定案では)とりわけ貧富の格差の世界的規模での拡大と地球的規模での気候変動について、まさに人類の生存のかかった大問題として世界資本主義の矛盾の焦点になっていると特記しました」

 「貧富の格差について言いますと、アメリカの『フォーブス』誌は『世界のビリオネア』ー10億㌦以上の資産保有者がもっている資産総額が、なんとアフリカのGDP(国内総生産)の4年分に匹敵すると』(発表しています)。 そぐらい世界の格差が目もくらむような勢いで広がっている」

 「反町ーなりほど」

 「志位ーそれから先進国の内部でも、ほぼ例外なく格差が広がっているという状況があるんですね。 その中で私がたいへん印象深かったのが、資本主義の総本山であるアメリカでの二つの世論調査です」

 「一つは、大手世論調査機関の『ピュ―リサーチ』。 今年4~5月に実施した調査では、20代~30代の若者の半数が資本主義より社会主義がいいと答えた。 社会主義に希望を見い出している」

 「もう一つは、NBC系メディアの世論調査で、女性の55%が資本主義より社会主義の社会に住みたいと答えていることです」

 「反町―民主党上院議員のサンダース氏の政策は共産党から見たら、『マル』なんですか。 オッケーなんですか」

 「志位ーすべて『マル』と言わないけれど、ずいぶん接点がある」

 「反町ーアメリカの人たちのソーシャリスト、ソーシャリズムが意識するのはサンダース氏ですよ」

 「志位ーサンダース氏あるいは民主党下院議員のアレクサンドリア・オカシオコルテスさんらの政策を見ますと、富裕層に増税をと(主張しています)

 「反町―再配分を強化しますと」

 「志位それから、社会保障をきちんとやろうという方向です。 再配分をしっかりやる。 1%のための富裕層や大企業のための政治から、99%の国民のための政治に切り替えようというというのは、私たちと向いている方向は一緒です」

 「資本主義の”総本山”のアメリカで、一種の社会主義の『復権』が起こっているというのはたいへん重要なことだと思いますね