宮応かつゆきの日本改革ブログ

●日本共産党
総選挙で市民と野党の共闘で政権交代を、共産党の躍進をめざします。

「偉大な変革はいつも人々から始まった」-グレタさんのCOP25での発言  (29)

2019年12月20日 | 綱領関連

「私たちの歴史上、偉大な変革はいつも人々から始まった。 もう待つ必要はない。 今、変革を始めよう」(「しんぶん赤旗」日曜版12月22日付)。 この発言は、COP25の11日の全体会議での訴えです。

 同紙は、「6日にはマドリード市中心部で青年、市民とCOP25参加者による『気候行進』が取り組まれ、50万人(主催者発表)が参加。 『地球を守れ』の声が街を生めました」と伝えました。

 また、同紙17日付は次の記事を報じました。

 「国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の事務局は15日、パリ協定の目標である今世紀末までの地球の気温上昇を1.5度に抑えるための『気候野心連合(CAA)』に、これまでに121カ国、15州・地域、398都市、780企業などが賛同しました」

 「COP25事務局は、114の国家が、来年のNDC(2020年の排出削減の国別目標)の再提示で引き上げ決意を表明し、121カ国が2050年までのCO2ゼロに向けた長期戦略提示の意欲を示したと発表」

 「15日に閉幕したCOP25の成果文書は、来年、各国が行うNDCの再提示の長期戦略の発表にむけて、『可能な最高の野心』を呼びかけました」

 日本共産党の綱領一部改定案(第3章ー21世紀の世界)では、新たに、第9節の新設を提案しています。 この提案の中に「市民社会」の文言が使われています。

 「一握りの大国が世界政治を思いのままに動かしていた時代は終わり、世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が開かれつつある。 諸政府とともに市民社会が、国際政治の構成員として大きな役割を果たしていることは、新しい特徴である」

 「『ノ―・モア・ヒロシマ、ナガサキ(広島・長崎をくりかえすな)』という被爆者の声、核兵器廃絶を求める世界と日本の声は、国際政治を大きく動かし、人類史上初めて核兵器を違法化する核兵器禁止条約が成立した」

 「核兵器を軍事戦略の柱にすえて独占体制を強化し続ける核兵器固執勢力のたくらみは根づよいが、この逆流は、『核兵器のない世界』をめざす諸政府、市民社会によって、追い詰められ、孤立しつつある」

 気候変動問題をめぐっては「諸政府と市民社会の取り組み」は、この間、画期的な発展をしつつあるのは大きな特徴ではないでしょうか。 同時に、アメリカ政府や日本政府などの逆流も公然の事実となっています。 2050年までに、「CO2などの排出をゼロ」にする、人類の未来がかかったたたかいが、2020年を契機に新たな局面を迎えます。

 そうした事態を踏まえて、「諸政府と市民社会」の大きな役割を、「気候変動」の課題でも綱領の「第9節の中で明記」することを検討していただきたいと思っています。


「気候変動の是正・抑制」を”人類未来の死活的意義をもつたたかい”と綱領に明記(28)

2019年12月19日 | 綱領関連

 11月5日に、8中総が採択した綱領一部改定案の全党討議が進められています。 「改定案」は、この間の国内外の情勢と諸国民のたたかいの前進とも重なりつつ試され、生きた力を発揮しつつあるように感じています。

 スペイン・マドリードで開かれてたCOP25(国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議)が15日に閉幕しました。 COP25の閉幕を受けて、日本共産党の小池晃書記局長は、記者会見で次のように語りました。(「しんぶん赤旗」17日付)

 「『全体としては削減目標の引き上げが十分な形で盛り込まれず、多くの人々の期待を裏切る中見になった』と指摘。 安倍政権が温室効果ガスの削減目標を検討すらしなかったことについて、『日本政府は世界から求められている具体的な取り組みを何一つ提起することができず、この態度が世界の足を引っ張った』と批判しました」

 小池氏は、安倍政権の対応の問題点として、「①温室効果ガスの削減目標の引き上げを検討すらしなかった、②石炭火力発電の廃止どころか、さらに国内での新増設を推進する、③政府丸抱えで石炭火力発電の輸出をすすめるーことを上げました」

 「小泉進次郎環境相が化石賞の受賞について『私が演説で発言した効果だと思った』と発言したことについて『まったく意味不明だ』と批判。 環境活動家のグレタ・トゥンべりさんが、『本当に危険なのは政治家が行動しているように見せかけることだ』と指摘していることを紹介し、『まさに、日本政府に対する痛烈な批判だ』と述べました」

 その上で、国会で政府に責任ある対策を求めていく、と表明しました。

 日本共産党は、今回の綱領の一部改定案「第3章ー21世紀の世界ー第10節」について次のように提案しています。

 「地球的規模でさまざまな災厄をもたらしつつある気候変動は、資本主義体制が21世紀に生き残る資格を問う問題となっており、その是正・抑制を求める諸国民のたたかいは、人類の未来にとって死活的意義をもつ」

 位和夫委員長は、8中総での提案報告で次のように述べました。

 「地球的規模での気候変動もきわけて深刻であります。 今年9月の『国連気候行動サミット』で、16歳のスウェ―デンの環境活動家グレタ・トゥンべりさんが『人びとは苦しみ、死にかけ、生態系全体が崩壊しかけている』と世界に訴えたことは、大きな反響を呼びました」

 「2015年に採択された『パリ協定』は、世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2度より十分低く抑え、1.5度 に抑制する努力目標を設定し、そのために21世紀後半までに人間活動による温室効果ガスの排出量を実質的にゼロにする方向性を打ち出しました」

 「1.5度の上昇であっても、深刻な熱波、嵐、水不足、山林火災、食料生産の不安定化などが生じるとされていますが、現在提出されている各国の目標の合計では、21世紀末には約3度の気温上昇が起こると予測され、そうなった場合の破壊的影響ははかりしれないものがあります」

 「地球的規模の気候変動に対しては、資本主義の枠内でもその抑制のための緊急で最大の取り組みが強く求められていますがかりに抑制ができないとなれば、資本主義というシステムそのものを根本から変革することが求められるでしょう。 資本主義という制度は、新しい制度へその席を譲らなければならなくなるでしょう

 

 


「アメリカを信頼」37%、「アメリカを信頼していない」55%ー「読売」「ギャラップ」調査(27)

2019年12月18日 | 綱領関連

 「読売」紙18日付は、日米共同世論調査結果を公表しました。 調査の回答者等は以下の通りです。、日本では11月22日~24日、回答者は1024人(男性48%、女性52%)。 米国では11月18日~24日、調査ーギャラップ社。 回答者数1001人(男性50%、女性50%)

 私は、この世論調査結果を興味深く読ませていただきました。 この間、ブログでは、日本共産党の綱領一部改定案について、紹介させていただいていますが、その中で、今回の改訂対象にはなっていませんが、綱領第2章「現在の日本社会の特質」の第5節の規定の実態を解明することを一つの中心点として設定しています。

 第5節の冒頭部分では、「わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、国土や軍事などの重要な部分をアメリカに握られた事実上の従属国となっている」、

 「さらに、「日本とアメリカとの関係は、対等・平等の同盟関係では決してない。 日本の現状は、発達した資本主義諸国のあいだではもちろん、植民地支配が過去のものとなった今日の世界の国際関係のなかで、きわめて異常な国家的な対米従属の状態にある」と述べています。

 その上で、当面の改革の課題として、 【国の独立・安全保障・外交の分野で】次の改革の課題を提起しています。

 1、日米安保条約を、条約第10条の手続き(アメリカ政府への通告)によって廃棄し、アメリカ軍とその軍事基地を撤退させる。 対等平等の立場にもとづく日米友好条約を結ぶ。 経済面でもアメリカによる不当な介入を許さず、金融・為替・貿易を含むあらゆる分野で自主性を確立する。

 2、主権回復後の日本は、いかなる軍事同盟にも参加せず、すべての国と友好関係を結ぶ平和・中立・非同盟の道を進み、非同盟諸国会議に参加する。

 3、(以降、略)

 こうした立場で、「読売」紙等の世論調査結果について考えてみたいと思います。

 【日米安保条約は、アジア・太平洋地域の安全に、役立っていると思いますか、役立っていないと思いますか】

 《日本》 ・大いに役立っている 22 ・多少は役立っている 51  合計 73

 《米国》 ・ 同上          18 ・ 同上          54  合計 72

  この結果は、日米共に、70%を超えて「役立っている」と評価されています。 この「評価」の根拠はどうでしょうか。

 【あなたは、アメリカ(日本)を信頼していますか、信頼していませんか】

 《日本》 ・大いに信頼している 6  ・多少は信頼している 31  合計 37

 《米国》 ・ 同上         24  ・ 同上          49  合計 73

 《日本》 ・あまり信頼していない 45 ・全く信頼していない 10  合計 55

 《米国》 ・ 同上           17 ・ 同上           7  合計 24

 日米間の大きな違いを感じさせられます。

 【トランプ大統領が再び当選する方がよいと思いますか、そうは思いませんか】(日本側のみ紹介)

 ・再び当選する方がよい  14   ・そうは思わない  76

 【(トランプ政権の)「アメリカ第一主義」を評価しますか】(日本側のみ紹介)

 ・評価する  15  ・評価しない  76

 【(日米)貿易協定を評価しますか、評価しませんか】

 《日本》 ・評価する  34   ・評価しない  46

 《米国》 ・ 同上    59   ・同上      18

 【日本(アメリカ)にとって、軍事的な脅威になると思う国や地域】

 《日本》 アメリカ  30、 中国 73、 北朝鮮 77、 ロシア 59 、中東 35 等

 《米国》 中国  62、 ロシア 65、 北朝鮮 69 、中東 68  等  

 ≪「アメリカ」 30 については、驚いています≫

 【中国が影響力を増しているアジア・太平洋地域で、アメリカは、軍事力を増強すべきだと思いますか、現状を維持すべきだと思いますか、それとも、縮小すべきだと思いますか】

 《日本》 ・増強すべきだ  19  ・現状を維持すべきだ  62   ・縮小すべきだ  11

 《米国》 ・ 同上       24  ・ 同上           57   ・ 同上      15

 こうした、世論調査結果だけで、国民の日米関係の評価を判断することには不十分さがあることを前提にしても、いま、日本国民は、日米関係を一般論だけでなく、具体的に、身近な問題として考えていることを感じさせられます。 


憲法9条のある国の日本企業が1兆円を超える武器売上ーSIPRI報告 (26)

2019年12月17日 | 綱領関連

 「しんぶん赤旗」11日付は、スウエーデンのストックホルム国際平和研究所の2018年に関する世界の武器製造企業トップ100社の実績を9日、公表したことを報じました。 同研究所の「報告書」では、トランプ米政権の軍拡政策の下で、人類の貴重な人的知性、資金と資源が戦争のたの武器・軍需品に変えられている姿を明らかにしています。 以下、同紙の記事を紹介させていただきます。

 「世界の武器製造企業トップ100社による武器の総売上高(2018年)が前年比4.6%増となったことを明らかにしました。 全体の6割は米企業によるもの。 米企業の比重がますます突出している背景にトランプ政権の軍拡方針があると分析しています」

 「報告書によると、100社の総売上高は4200億㌦(約45兆6000億円)に上りました。 このうち59%を米企業が占めます。 米企業の総売上高は前年比7.2%増の2400億㌦(約26兆7000億円)でした」

 「100社中43社は米企業です。 今回は比較可能なデータのある02年以降初めて、トップ5社を米企業が独占。 同5社だけで100社の総売上高の35%を占めます」

 「17年に発足したトランプ政権は『力による平和の維持』を掲げ、中国とロシアへの対抗を念頭に、米軍の再編・強化に着手しています。 国防総省が18年に発表した国家防衛戦略でも、兵器やシステムを含めて米軍の最新鋭化を進める姿勢を打ち出しました」

 「SIPRI報告書は政府の軍拡方針を受け、米国の大手武器製造企業が契約を結ぶうえで有利な立場に立とうと合併や買収に乗り出していると指摘。 SIPRIの軍事費部門を率いるオ―デ・フローラン氏は『米企業はトランプ大統領が発表した新たな武器最新化計画に向けて準備している』と述べました」

 「報告書によると、100社の総売上高に占める各国企業の割合は、ロシアが8.6%で2位、英国が8.4%で3位、フランスが5.5%で4位でした。 中国はデータ不足のため調査対象に含まれていません」

 「日本からは6社が入り、総売上高の2.4%を占めています」

 日本企業の実績は以下ようになっています。

 ▼ 25位 三菱重工業 36億㌦ ▼ 48位 川崎重工業 23億ドル ▼ 72位 富士通 13億㌦ ▼ 82位 IHI 11億㌦

 ▼ 97位 三菱電機   9億㌦  ▼ 99位 NEC 8億㌦

 安倍政権がトランプ大統領に要求されるままに、F35の「爆買い」に乗り出しています。 導入予定機数は147機、イギリスの138機を上回り世界第2位の規模です。購入額6.7兆円に上ると言われています。米国の導入機数は2456機とに及びます。 これらの製造会社が世界トップの軍事企業ロッキード・マーチン社です。 同社の18年の売上高は473億㌦で世界トップの軍事企業です。

 しかし、米国内からも、こうした大軍拡、巨額コスト負担について批判の声が上がっています。

 「朝日」紙11月22日付は、次のように報じています。

 「まず、問題になっているのはコストだ。 米政府機関を監視する政府監査院(GAO)によると、米国が導入する予定の合計約2500機だけで、開発から生産、維持、廃棄に至るライフサイクルコストは総額1兆㌦(109兆円)超と見積もられている。 特に高いのは維持費で、全体の約7割を占めるという」

 「GAOによれば、年間50~60機だった生産機数が130まで上がったことは別の問題につながっている。 飛行機は安全性の確保のため、スペア部品を事前にそろえる必要がある。 しかし、GAOが4月に公表した報告書によると、F35は生産機数を増やしたことで、スペア部品が追いついていない」

 「この結果、昨年5~11月は必要な飛行時間のうち約3割が実際には飛行できなかった。 スペア部品の供給は即応態勢にかかわる。 GAOの防衛能マネジメント部門の責任者で、報告書を執筆したダイアナ・マウア―氏は『大きな問題だ。 日本などでも同様の問題が起きる恐れがある』と語る」

 「GAOは安全性をめぐっても、重大な危険を及ぼす恐れのある『カテゴリー』の欠陥が17件あったと指摘した。 マローン氏は『我々は欠陥を把握しており、問題修復のために取り組んでいる』と語った」

 オスプレイもF35戦闘機にしても、欠陥だらけの高額な武器、それらの購入財源は国民の税金、こんな大軍拡、戦争への道に未来を託すことはできません。 

 

 

 

 

  

 


2019年度補正予算に軍事費が、4,287億円計上。 災害対応は十分か (25)

2019年12月16日 | 綱領関連

 安倍政権は今月13日、2019年度補正予算を閣議決定しました。 補正予算については、財政法第26条で次のように条件が設定されています。

 ①法律上または契約上国の義務に属する経費の不足を補う場合、②予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった経費の支出または債務の負担を行うために必要な予算の追加を行う場合、を挙げています。 

 補正予算案では、台風19号などに伴う被害対策などの関連経費として、防災・減災対策として、河川の水位上昇を防ぐ川底掘削や堤防強化などに2兆3080億円などが計上されていますが、なぜ、4,287億円もの軍事費が計上されているのか。 国会での徹底した審議を強く求めたいと思います。

 「しんぶん赤旗」14日付によれば、4,287億円の内訳は次のようになっています。

 ①台風19号に伴う装備品損傷の復旧など災害対応― 344億円

 ②弾道ミサイルや巡航ミサイルに対処する「総合ミサイル防衛能力」-1,456億円

 ③航空機整備などー2,327億円

 ④燃料費ー160億円

  ①以外は、災害とは無関係の予算案となっていることは明らかではないでしょうか。 

  同紙16日付は、補正予算に軍事費を盛り込む異常な事態が第2次安倍内閣が発足後から増大していることを詳しく報じています。 以下、要旨を紹介させていただきます。

 「安倍政権は、米国からの有償軍事援助(FMS)などによる高額兵器購入を推進。 これにより高額兵器の購入費を複数年で支払う『後年度負担』が急増しています。 支払い残高は19年度までで5兆3,613億円にのぼりました。 19年度の軍事費当初予算の総額を上回る水準に至っています」

 「後年度負担は、毎年度の軍事費から『歳出化経費』という費目で返済に充てられていますが、この『軍事ローン』こそ、予算を圧迫しています」

 「こうしたなかで安倍政権が”利用”し始めたのが補正予算です。 次年度以降に支払うべき『歳出化経費』を補正予算につけ回すことが常態化しています」

 「安倍内閣のもとで、補正予算に盛り込まれた軍事費は、緊急性のない『歳出化経費』の割合が高くなっています。 18年度補正予算では、最新鋭ステルス戦闘機F35Aの費用など『歳出化経費』が7割に達しました」

 「18年度軍事費の当初予算と補正予算の合計は5兆6,456億円でした。 当初予算の比較では前年度から1.3%でしたが、当初予算と補正予算の合計で比較すると、5%と伸び率が高くなっています。 19年度も、当初予算と補正予算を合計すると5兆6,861億円となり、18年度を上回ります」

 「当初予算と補正予算の合計が、軍事費の実態を表しています。 当初予算に計上すべき経費を補正予算にもぐりこませることで、国会と国民の目をごまかす手法は、財政民主主義の規律をゆがめています」

 

 

 


自衛隊の動向と実戦化・規模拡大する日米共同演習の異常事態 (24)

2019年12月15日 | 綱領関連

 連日の「しんぶん赤旗」報道に注目しています。 以下、紹介させていただきます。

 12月15日付、同紙記事です。 2面で、「自衛隊中東派兵閣議決定(要旨)」として、次のように報じています。

 【自民党が13日の会合で了承した自衛隊の中東派兵についての政府の閣議決定案要旨の一部】

 「(情報収集活動) 中東地域で日本関係船舶の安全確保に必要な情報収集態勢の強化のため、防衛省設置法4条1項18号の規定に基づき、自衛隊による情報収集活動を行う。 護衛艦を新規に1隻派遣し、海賊対処行動に支障を及ばさない範囲で、海賊対処部隊のP3C哨戒機を活用する」

 「地理的範囲はオマーン湾、アラビア海北部、バベルマンデブ海峡東側のアデン湾の三海域の公海とする。 沿岸国の排他的経済水域を含む」

 「不測の事態の発生などの場合、自衛隊法82条に基づき海上警備行動を発令して対処する」

 など、武力行使を想定した内容となっています。 こうした自衛隊の活動が米軍指揮下の有志連合の行動と一体に進められることは、軍事上の常識と言っていいのではないでしょうか。

 同紙の同日付15面では、「米海兵隊が過去最大演習」「年明け北海道で実施」「自衛隊と一体で」と報じました。 紹介します。

 「米海兵隊と陸上自衛隊が来月、約4100人が参加する日本国内では過去最大規模の合同実動演習『ノーザン・ヴァイパー』を実施することが14日、わかりました」

 「同演習は年明け1月22日~2月8日の日程で北海道内の北海道大演習場、矢臼別演習場、帯広駐屯地、航空自衛隊千歳基地で実施。 ▽米海兵隊は沖縄県に拠点を置く第4海兵連隊(歩兵)、12海兵連隊第3大隊(砲兵)、第36海兵航空群など約2500人 ▽陸自は道内の第4普通科連帯(歩兵)、第5特科隊(砲兵)、第1対戦車ヘリコプター隊など約1600人ーが参加します」

 「米海兵隊はMV22オスプレイ、高機動ロケット砲システム(HIMARS)など、陸自はAHISなどが参加。 ヘリやオスプレイによる部隊投入、 攻撃ヘリからの射撃、 ロケット砲による砲撃訓練なども実施されます」

 こうした、記事を読むだけで、演習が実戦に即した内容になっていることを、強く感じさせられます。

 同紙、13日付は、海上自衛隊鹿屋航空基地(鹿児島県)で行われた給油機からオスプレイへの地上給油訓練が11月26日行われたことを報じました。 この訓練は、空中給油とならぶ、米海兵隊のKC130の主要な任務の一つです。 十分な給油施設のない最前線で航空機や戦術車両に燃料を補給し、海兵隊の迅速な展開を支援する訓練です。

 さらに、同紙14日付は、「陸自習志野演習場(千葉県船橋、八千代両市)で、米空軍初参加の降下訓練が来年1月12日、陸自のパラシュート部隊の訓練に米陸軍に加え参加する、と報じました。

 日本全国の自衛隊の演習場、同基地が米軍との共同訓練、演習に大規模に使われる実態が次々に明らかになっています。

  こうした、実動演習、訓練には国民の貴重な税金が湯水のように使われるいるのです。

 


「世界に例がない異常事態」-在日米軍の侵略力の強化と自衛隊の海外派兵 (23)

2019年12月14日 | 綱領関連

 「しんぶん赤旗」12日付、「主張」は、在日米軍の異常な増強の実態を厳しく告発しています。 「主張」の内容を紹介させていただくと同時に、米軍と自衛隊が一体的に「侵略力」の強化を進めている危険性を感じています。

 「主張」は最後の部分で、次のように指摘しています。

 「米軍の揚陸艦部隊、F35B戦闘機部隊、海兵遠征隊が駐留している国は、米国を除けば日本だけです。 それは、来年締結60年を迎える現行日米安保条約の下、日本が米国の世界戦略にとって最重要な前進拠点になっているためです」

 「世界に例のない主権侵害の異常事態をこれ以上許していいのかが根本から問われています」

 一体どのような事態になっているのでしょうか。 同「主張」が指摘している事実を紹介したいと思います。

 「米海兵隊部隊を輸送し、海からの上陸作戦を支援する最新鋭の揚陸艦が今月上旬、米海軍佐世保基地(長崎県佐世保市)に相次いで配備されました。 佐世保基地の揚陸艦は、沖縄を拠点にした米海兵隊部隊とともに、海外への遠征作戦を行うことを主な任務にしています」

 「新たな揚陸艦の配備は、米海兵隊の最新鋭ステルス戦闘機F35Bの運用能力を大きく高めることが狙いで、海外への『侵略力』を強化する危険な動きです」

 「佐世保基地には、6日に強襲揚陸艦『アメリカ』(全長257㍍、満載排水量4万4970㌧)が、1日にはドック型輸送揚陸艦『ニューオ―リンズ』(同約208㍍、同約2万4900㌧)が配備されました」~中略~

 「この結果、佐世保基地を母港とする揚陸艦部隊(第11水陸両用戦隊)はこれまでの4隻から5隻に拡大しました。 以前から佐世保基地に配備され、機雷の除去を任務にする4隻の掃海艦と合わせれば過去最大の9隻となります」

 「佐世保基地の揚陸艦は、沖縄に司令部を置く『第31海兵遠征隊』を乗せて作戦を行います。 第31海兵遠征隊は、沖縄県各地の海兵隊基地に駐留する地上戦闘部隊や後方支援部隊、普天間基地(同県宜野湾市)配備のオスプレイや輸送・攻撃ヘリ、岩国基地のF35Bの航空部隊などで構成されます」

 「米国が2003年に開始したイラク侵略戦争では、04年に佐世保基地の揚陸艦で出撃し、大量の市民を殺害したファルージャ総攻撃の最前線に立っています」

 「最新鋭揚陸艦の配備は、佐世保・岩国・沖縄一体となった基地機能の強化、部隊増強の一環です」

 こうした、部隊の増強が沖縄、本土での米軍の戦闘訓練の激増を引き起こし、住民の安全が脅かされています。 そして、増強された「侵略力」が、空母打撃軍やサイバー、宇宙作戦、さらに核戦争想定を含めてどこに向けられているのでしょうか。

 当面の最優先の出撃地域として、中東地域が想定されているのではないか、との危惧の念を拭いきれません。 そして、日本の自衛隊は~ 《つづく》。

 

 

 

 


国会審議なしで自衛隊の中東派兵ー事実上の米主導の有志連合参加に反対 (22)

2019年12月10日 | 綱領関連

 安倍政権は自衛隊の中東派兵について今月中旬の閣議決定を目指しています。 トランプ米政権が参加をよびかけた各国部隊の活動が来年1月に本格化することを踏まえ、日本としても派兵決定を急ぐ構えです。

 「日経」紙電子版12月4日付は派兵部隊は、「4千~5千㌧級でヘリコプターが搭載できる中規模の護衛艦で、約250人が乗艦する予定だ。 司令部要員の50人も載せる」 「哨戒機の要員としては約20人を確保する。 現在、ソマリア沖アデン湾の海賊対処任務にあたっている『P3C』を活用していく」と報じています。 これらの部隊は横須賀、厚木基地から派兵される可能性が考えられます。

 また、「安倍晋三首相は来年1月中旬の中東訪問を検討する。 サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)を訪れる方向だ」とつたえています。 これらの国は、有志連合参加国です。

 日本は、米国主導の有志連合「番人(センチネル)作戦には参加せず、防衛省設置法による「調査・研究」活動を行うとしていますが、「情報収集などで米国と連携する」(「日経」同前)ことが明らかにされています。

 こうした、一連の経過や派兵部隊の活動内容から、事実上の「有志連合」参加であり、米軍の指揮下での活動になることはあきらかです。 しかも、作戦・事態の拡大、深刻化のもとでは、自衛隊の増派、日本がアメリカが引き起こす戦争に巻き込まれる危険性が強く懸念されます。 

 日本共産党の綱領第2章第5節は、「日本の自衛隊は、事実上アメリカ軍の掌握と指揮のもとにおかれており、アメリカの世界戦略の一翼を担わせられている」と規定しています。

 そして、第6節では、次のように規定しています。

 「日本独占資本主義と日本政府は、アメリカの目したの同盟者としての役割を、軍事、外交、経済のあらゆる面で積極的、能動的に果たしつつ、アメリカの世界戦略に日本をより深く結びつける形で、自分自身の海外での活動を拡大しようとしている」

 「軍事面でも、日本政府は、アメリカの戦争計画の一翼を担いながら、自衛隊の海外派兵の範囲と水準を一歩一歩拡大し、海外派兵を既成事実化するとともに、それをテコに有事立法や集団的自衛権行使への踏み込み、憲法改悪など、軍国主義復活の動きを推進する方向に立っている」

 「軍国主義復活をめざす政策と行動は、アメリカの先制攻撃戦略と結びついて展開され、アジア諸国民との対立を引き起こしており、アメリカの前線基地の役割とあわせて、日本を、アジアにおける軍事的緊張の危険な震源地の一つとしている」

 日本共産党の小池晃書記局長は2日の記者会見で次のように強調しました。

 「そもそも中東沖へに自衛隊派遣に反対だが、国会の審議をしないで進めるのは、論外中の論外。 なし崩し的自衛隊の海外での活動を拡大していくことになる」

 「日本がやるべきことは、トランプ政権に核合意に戻るように説得すること、イランに緊張を高めないように自制を求めること、欧州諸国などと連携しながら平和外交でこの地域の平和を実現のために努力すること。 それこそが日本が憲法9条に基づいて果たすべき役割だ」 

 

 


沖縄県の対米自治体外交ー”新基地はいらない、民意を無視するな”一歩一歩成果 (21)

2019年12月09日 | 綱領関連

 日本共産党綱領第2章第5節は、「わが国は、高度に発達した資本主義国でありながら、国土や軍事などの重要な部分をアメリカに握られた事実上の従属国となっている」と規定し、さらに次のように述べています。

 「わが国には、戦争直後の全面占領の時期につくられたアメリカ軍事基地の大きな部分が、半世紀を経ていまだに全国に配備され続けている。 なかでも、敗戦直後に日本本土から切り離されて米軍の占領下におかれ、サンフランシスコ平和条約でも占領支配の継続が規定された沖縄は、アジア最大の軍事基地とされている」

 「沖縄県民を先頭にした国民的たたかいのなかで、1972年、施政権返還がかちとられたが、米軍基地の実態は基本的に変わらず、沖縄県民は、米軍基地のただなかでの生活を余儀なくされている」

 「アメリカ軍は、わが国の領空、領海をほしいままに踏みにじっており、広島、長崎、ビキニと、国民が三度核兵器の犠牲とされた日本に、国民に隠して核兵器持ち込みの『核密約』さえ押し付けている」

 とアメリカの軍事支配を告発しています。 こうした、事実に基づいて日米関係の異常な関係を規定し、日本の主権を回復し、真に独立した国家の建設、対米関係を対等・平等な関係に変革することを当面する日本改革の最重要課題として掲げている政党は、現在は日本共産党だけです。 広く、国民的、野党共通の合意になるために大いに努力したいと思っています。 

 こうした努力が、具体的な行動で示しているのが沖縄ではないでしょうか。 

 「しんぶん赤旗」12月7日、8日付が、沖縄県政与党訪米団(6県議が参加)のとぐち修県議団長(日本共産党)のインタビ―記事が掲載されました。 今回の訪米の目的は、(訪米期間は11月11日~17日)「県民投票で示された民意の尊重を米政府・連邦議会関係者等に面会して訴え、県議会決議を届けること」(とぐち団長)でした。

 とぐち団長は、今回の訪米について、次のように語っています。(同紙、8日付)

 「私は、2015年の翁長雄志前知事の訪米に参加し、今回で訪米は4回目です。 訪米のたびに一歩一歩、成果を得ています。 米国内でも着実に県民の民意を支持する輪が広がっています。 初めは『沖縄ってどこ?』という反応でしたが、今回は本当に話し合いができる状況でした

 「これまでの翁長前知事や『オール沖縄会議』、『島ぐるみ会議』、玉城デニ―知事の訪米行動などの積み重ね、県民の粘り強いたたかいがあってこその今回の成果だと思います」 

 「訪米したら終わりではなく、つながった人たちと日常的に連絡をする運動をつくりあげていくことが今後の課題です。 成果を生かし、さらに大きな運動を沖縄、全国、世界で展開していく必要があります」 

 「何より大事なことは、沖縄であきらめない、揺るぎないたたかいと民意をもっと示すことです。 そのためにも来年6月予定の県議選で、日本共産党の現有6議席を7以上にして、玉城デニ―県政を支える力をもっと強固にしなければなりません」

 日本の地方、国政を変えるたたかいが、対米関係を変える力になることを私たちは実感しています。  

 


植民地体制の崩壊のかなで「世界の構造変化」が。 対米従属下の日本の未来は (20)

2019年12月08日 | 綱領関連

 マハティール首相発言をどう考えるか、それぞれの立場があると思います。 マハティール氏は、「いまの日本の行動は日本のためにも、ほかの国のためにもなっていない」と指摘し、その根拠として、「敗戦後、日本は平和を希求して、攻撃的な戦争をしないと憲法にも書き込みました。 でもその一方で、日本は米国の強い影響下にあります。~米国の利益だけ考えていたら、アジアの平和は実現しないのです」

 日本が、世界をどう見て、どう行動するか。 また、世界、アジア諸国は日本をどう見て、対応しようとしているか。 このことは、私たちの地域の日常活動にとっても大変重要な課題です。

 日本共産党の「綱領一部改定案」は、新たに「第9節」を設け、「世界論」を整理し発展させました。 その一部を紹介させていただきたいと思います。 ご意見、ご批判は直接中央委員会に届けていただきたいと思うます。

 「(九)植民地体制の崩壊と百を超える主権国家の誕生という、20世紀に起こった世界の構造変化は、21世紀の今日、平和と社会進歩を促進する生きた力を発揮しはじめている」

 「一握りの大国が世界政治を思いのままに動かしていた時代は終わり、世界のすべての国ぐにが、対等・平等の資格で、世界政治の主人公になる新しい時代が開かれてつつある。 諸政府とともに市民社会が、国際政治の構成員として大きな役割を果たしていることは、新しい特徴である」

《中略》

 「東南アジアやラテンアメリカで、平和の地域強力の流れが形成され、困難や曲折をへながら発展している。 これらの地域が、紛争の平和解決をはかり、大国の支配に反対して自主性を貫き、非核地帯条約を結び核兵器廃絶の世界的な源泉になっていることは、注目される」

 「特に、東南アジア諸国連合(ASEAN)が、紛争の平和的解決を掲げた条約を土台に平和の地域共同体をつくりあげ、この流れをアジア・太平洋地域に広げていることは、世界の平和秩序への貢献となっている」

 私は、この大きな躍動的ともいえる「世界の構造変化」を考える時、異常な日本の対米従属状態を直視し、その変革についての課題を国民的なレベルで考え、行動することがさけられない時代となっているように思います。 

 

 


マハティール首相 「日本には独立した外交政策がない」-「朝日」報道 (19)

2019年12月06日 | 綱領関連

 「朝日」紙の12月5日付、「インタビュー」欄には、昨年15年ぶりに首相の座に就いたマレーシアのマハティール首相(94)の発言が掲載されました。 以下、日本に関する発言部分を紹介させていただきます。

 「--では、日本について、国際社会で果たすべき日本の役割や存在感をどう見ていますか」

 「(マハティール首相) 日本はアジアの問題にもっときちん役割を果たすべきです。 米国から命令を受けているだけの衛星国だとみなされれば当然、日本の影響力は弱くなる」

 「--日本はいま、そのように見られているというわけですか」

 「それが私の印象です。 日本には独立した外交政策がないように見えます

 「--日本は対米依存を弱め、米中の間でもう少し中立的になるべきだということでしょうか」

 「そうです。 いまの日本の行動は日本のためにも、ほかの国のためにもなっていない。 米国は常に対立的で、それに付き従っていては、常に紛争に巻き込まれることになります」

 「アジアのためにならない米国の政策は突き放すべきです。 米国が正しいことをしている時には従えばいい。 米国は世界一の軍事大国で、対抗するために多くの国が、自国の防衛力に無駄にコストをかけなければならない。 日本はこうした米国の政策に引きずられてはいけません」

 「ーーかつて『ルックイースト政策』を掲げていました。 日本に学ぶことはまだ残っていますか

 「ありますよ。 特に日本の失敗からですね。 『ルック・イースト』は日本や韓国のいい面だけでなく失敗からも学ぶ。 同じ過ちをしないということでもあるのです」

 「日本の失敗、とは何を意味するのですjか」

 「敗戦後、日本は平和を希求して、攻撃的な戦争をしないと憲法にも書き込みました。 でもその一方で、日本は米国の強い影響下にあります。 攻撃的な外交政策をとる米国が引き起こす紛争に、日本がその紛争を招いたわけでもないのに、引きずり込まれる可能性があるということ。 米国の利益だけ考えていたら、アジアの平和は実現できないのです」

 マレーシアは、1957年8月イギリスから独立し、1963年9月16日に成立しました。 アメリカのベトナム侵略戦争が激しさを増している時代でした。 東南アジア諸国連合国。 人口 31,786千人。 GDP 3,124億㌦(世界35位)

 ★1967年 東南アジア諸国連合結成。 結成時の加盟国 インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア。 1999年4月カンボジア加盟で10カ国となる。 人口 約6億人(2010年)

 マハティール氏の概略を「ウイキぺディア」から見て見たいと思います。

 1925年7月生まれです。 1946年統一マレー国民戦線(UMNO)発足に、関与、独立運動および政治活動を開始。 1953年 医師の資格を取得。 1963年マレーシア成立。 1964年4月総選挙で、下院国会議員に。

 1981年7月16日、第4代首相に就任。 以降、2003年まで首相を務めた。 2018年5月に15年ぶりに首相に就任。

 マハティール首相の発言は、青年時代の独立運動への参加以来の長い政治活動から生まれた鋭い指摘ではないでしょうか。 同時に、東南アジア諸国連合の当初からの加盟国の立場からの発言でもあると思います。

 私たち国民にとっても、大いに検討する意味のある提起ではないでしょうか。


日本の未来社会ー国民主権、基本的人権、議会制民主主義は継承、豊かに発展 (18)

2019年12月05日 | 綱領関連

 《続き》

[②未来社会への移行の過程の条件]

「自由と民主主義、政治体制について」

 「自由と民主主義、政治体制という点でも、日本での社会主義の道は、中国などとは異なる道をすすむことになる。 中国、ベトナム、キューバでは、政治体制の面で、事実上の一党制をとり、それぞれの憲法で『共産党の指導性』が明記されている。 これは、それぞれの国で社会主義をめざす勢力が、革命戦争という議会的でない道を通って政権についたことと関連がある」

 「もちろん、議会的でない道を通って政権についた場合でも、レーニンがロシア革命の初期に実践したように、反対政党の禁止は一般的な革命の原則とはいえない。 同時に議会も民主主義の経験も存在しないという条件から革命が出発したことが、現在のこれらの国ぐにの政治体制のあり方と結びついていることを、見ておかなければならない」

 「日本では、このようなことは決して起こりえないことである。 日本共産党は、当面する民主主義革命でも、将来の社会主義的変革においても、その一歩一歩を、選挙による国民の審判を受け、議会で多数を獲得することによって進むことを、綱領で宣言している。 綱領にはつぎのように明記している」

 「社会主義・共産主義の日本では、民主主義と自由の成果をはじめ、資本主義時代の価値ある成果のすべてが、受けつがれ、いっそう発展させられる」

 「さまざまな思想・信条の自由、反対政党を含む政治活動の自由は厳格に保障される」

 「『社会主義』の名のもとに、特定の政党に『指導』政党としての特権を与えたり、特定の世界観を『国定の哲学』と意義づけたりすることは、日本における社会主義の道とは無縁であり、きびしくしりぞけられる」

 「これが綱領が国民に約束している社会主義日本の展望であるが、これはたんに綱領上の公約というだけにとどまらない。 日本のように憲法で国民主権、基本的人権がうたわれ、議会制民主主義が存在する社会を土台にするならば、未来社会において、それらが全面的に継承され豊かに花開くことは歴史の必然である」

 「発達した資本主義国から社会主義・共産主義への道に踏み出した経験を、人類はまだもっていない。 この変革の事業のもつ可能性は、その出発点の諸条件を考えるならば、はかりしれない豊かさと壮大さをもつものとなるだろう。そこのとに深い確信をもって、未来を展望し、前進しよう」

 


日本の未来社会ー”現在の経済力でも、憲法第25条を国民すべてに保障できる” (17)

2019年12月04日 | 綱領関連

 綱領一部改定案が提起している日本の未来社会への「豊かで壮大な可能性」について関心が寄せられています。 このことに関して、日本共産党第26回党大会(2014年1月開催)決議が、すでに、わかりやすく明らかにしています。 しかし、この間の国政選挙などではこうした、日本の未来社会へのー「豊かで壮大な可能性」について、語ることが不十分だったと、反省させられています。 

 そこで、あらためて、第26回党大会決議(第6章ー「日本における未来社会の展望について」、第29節)を紹介させていただきたいと思います。 

 「日本が、社会主義の道に踏み出したときには、その出発点の諸条件を考えるならば、きわめて豊かで壮大な展望が開けてくる。 中国、ベトナム、キューバが抱える『政治上・経済上の問題』は、根本的には、これらの国の革命が、経済的・社会的・政治的に発達の遅れた状態から出発したことと不可分に結びついている」

 「中国やベトナムは、それに加えて、外国帝国主義による侵略戦争で国土が荒廃させられたところからの出発という問題があったし、キューバには長年にわたる米国による無法な経済封鎖という問題がある」

 [日本における未来社会への豊かで壮大な展望]

 ①未来社会への移行の過程の条件ーー経済力の水準について

 「日本における未来社会を展望した場合には、未来社会への移行の過程の条件は、異なったものとなる。 日本が、当面する資本主義の枠内での民主主義革命の課題をやりとげて、社会主義への道にすすむ場合には、発達した資本主義のもとでつくられた巨大な経済力の水準を引き継ぐことになる。 その場合には、現在の中国社会で進行しているような経済の急成長、それにともなう社会的諸矛盾の拡大という現象は、決しておこらないだろう」

 「日本経済は、現在の水準でも、日本国憲法にいう『健康で文化的な最低限度の生活』を国民すべてに十分に保障できるだけの経済力をもっていいる。 社会の現実がそうなっていないのは、財界・大企業の横暴な支配のもとで社会的格差が拡大しているという問題にくわえて、今日の資本主義がきわだった『浪費型の経済」 --繰り返される恐慌、大量生産・大量消費・大量廃棄、金融経済の異常な肥大化などーーになっているためである」

 「生産手段の社会化によって、資本主義に特有の『利潤第一主義』という狭い枠組みから解放され『生産と経済の推進力』が『資本の利潤追求から、社会および社会の構成員の物質的精神的な生活の発展』に移されるなら、人間による人間の搾取を廃止するとともに、現在の資本主義経済のこうした『浪費的な部分』は一掃されることになるだろう」

 「そのことによって、現在の社会的生産の規模でも、日本国民すべてに『健康で文化的な最低限度の生活』を十分に保障し、労働時間の抜本的な短縮を可能にすることだろう。 そのことは、社会のすべての構成員の人間的発達を保障する土台となり、社会と経済の飛躍的な発展への道を開くことだろう」

 [②未来社会への移行の過程の条件ーー自由と民主主義、政治体制についてーーは「続編で紹介させていただきます]


「今のたたかいが、未来社会を根本的に準備する」-志位氏の民青全国大会の講演(16)

2019年12月03日 | 綱領関連

 志位和夫委員長が11月23日、日本民主青年同盟第43回全国大会で、「21世紀の世界をどうとらえ、どうたたかうか」と題して党綱領一部改定案について講演した内容が、11月26日の「しんぶん赤旗」に「要旨」が掲載されました。 綱領改定案を読み、深めていただく上で大変参考になっています。

 「講演」の最後の部分、「今のたたかいは、そのすべてが未来社会を根本から準備する」を紹介させていただきたいと思います。 

 「志位氏は、一部改定案で『発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道である』と明記していることにかかわって、その『特別な困難性』と『豊かで壮大な可能性』について詳しく解明しました。 ここは、『今の私たちのたたかいが、すでに未来社会実現の土台を築いていることがよくわかった」(千葉県・男性)など参加者から大きな反響が寄せられた部分です」

 「一部改定案は、『資本主義の高度な発展そのものが、その胎内に、未来社会に進むさまざまな客観的条件、主体的条件をつくりだす』として、①高度な生産力 ②経済を社会的に規制・管理するしくみ ③国民の生活と権利を守るルール ④自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験 ⑤人間の豊かな個性ーーという5つの要素を列挙しています」

 「この5つの要素について、志位氏は、『このなかには資本主義の高度な発展が必然的につくりだす要素もありますが、人民のたたかいによって初めて現実のものとなる要素もあります』と指摘」

 「たとえば、労働時間の短縮、社会保障の充実、学費の無償化、ジェンダー平等など、『国民の生活と権利を守るルール』は、自動的につくられたものではなく、たたかってこそ現実のものとなります。 『自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験』も、自由と民主主義を守り、発展させる国民のたたかいの歴史的経験を積み重ねてこそ、未来社会に確実に引き継がれ、発展させることができます」

 「さらに、『人間の豊かな個性』の発展についても、資本主義社会のもとで自動的に進行するものではありません。 すべての人が生まれながらにして平等だという民主主義の感覚、個人の尊厳が何よりも大切だという人権の感覚、国民こそが国の主人公であるという主権者意識などは、人間に最初からそなわっていたのではなく、人民のたたかいによって歴史的に形成されてきたものでした」

 志位氏は、次のように、若い世代に熱く訴えました。

 今のたたかいは、未来社会と地続きでつながっています。 そのすべてが未来社会を根本的に準備します。 こういう大志とロマンのなかに現在のたたかいを位置づけ、たたかいの大きな前進をかちとろうではありませんか。 発達した資本主義国での社会主義的変革は、まだ誰も歩んだことがない、人類未到の道の探究。 そこには『特別の困難』もありますが、はかりしれない、『豊かで壮大な可能性』があります」

 


「発達した資本主義の国の社会変革は、社会主義・共産主義への大道」 (15)

2019年12月02日 | 綱領関連

 日本共産党の綱領一部改定案は、「第3章21世紀の世界」への改訂が中心ですが、その改定の関連で、「第5章社会主義・共産主義の社会めざして」についても改定される予定です。 その内容が、「毎日」紙の報道を考える参考になるのではないかと感じています。

 以下、新たに追加される部分を紹介させていただきたいと思います。

 「これまでの世界では、資本主義時代の高度な経済的・社会的な達成を踏まえて、社会主義的変革に本格的に取り組んだ経験はなかった。 発達した資本主義の国での社会主義・共産主義への前進をめざす取り組みは、21世紀の新しい世界史的な課題である」

 「発達した資本主義国での社会主義的変革は、特別の困難性をもつとともに、豊かで壮大な可能性をもった事業である。 この変革は、生産手段の社会化を土台に、資本主義のもとでつくりだされた高度な生産力、経済を社会的に規制・管理するしくみ、国民の生活と権利を守るルール、自由と民主主義の諸制度と国民のたたかいの歴史的経験、人間の豊かな個性などの成果を、継承し発展させることによって、実現される」

 「発達した資本主義国での社会変革は、社会主義・共産主義への大道である。 日本共産党が果たすべき役割は、世界的にもきわめて大きい」

 志位和夫委員長は、8中総での、「綱領一部改定案」の討論の「結語」のなかで、次のように述べました。

 「一部改定案が、『発達した資本主義国における社会変革は、社会主義・共産主義への大道である』という命題を押し出したことの意味についてであります。 これは、私たちが、一つの世界史的な『割り切り』をしたということであります」

 「わが党は、資本主義の発展の遅れた国ぐににおける社会主義的変革の可能性を否定するものでは決してありません。 そのような断定は、図式的で傲慢なものとなるでありましょう」

 「同時に、ロシア革命から1世紀をへた世界史的経験は、資本主義の発展が遅れた国ぐににおける社会主義的変革には、きわめて大きな困難があることを証明しました」

 「そうしたもとで、発達した資本主義国で社会主義・共産主義への道を開くという人類未到のとりくみに、腹をくくって挑戦しようーーこれが一部改定案の立場であります」

 「一部改定案では、発達した資本主義国での社会主義的変革の『特別の困難性』とともに、『豊かで壮大な可能性』を全面的に明らかにしています。 私が、結語で強調したいのは、今の私たちのたたかいが、『特別の困難性』を突破するとともに、『豊かで壮大な可能性』を準備するたたかいであるということです」