不破報告は、このテーマの冒頭部分で、「私たちの党にとっては、社会主義社会・共産主義社会というわが党の目標は、かなり遠い目標です。 しかし、日本の世論にとっては、社会主義というとやはりソ連を思いだすのが普通の常識です。 われわれは、ソ連を社会主義とは異質の存在だったと見ていますが、われわれがめざしている社会主義とは本来どんなものかということを明らかにすることは、いまの仕事をやる上でも非常に大事な任務になっています」と述べています。
未来社会論は、日常の活動、対話の中でも常に問われている問題です。
不破さんは、この報告の結論部分で、来週に迫っている、第26回党大会議案に関連して、 「この未来社会論をより身近なものにするために、一つの具体的な提起をしています」と述べ、「社会主義が日本社会にどんな展望を開くかを具体的に示しました」として、次のように報告しました。
「資本主義から社会主義に転換したら、この浪費(大量生産、大量消費、大量廃棄など)をなくしたら、いまの日本の到達している生産力の水準でも『すべての国民に健康で文化的な生活を保障する条件は十分に備わっている』、さらに経済のムダな部分を削りとって、国民に必要な生活のためのその労働をすべての国民が分担をしたら、すべての国民に自由な時間、『自由の国』が保障される。 そういう変革を実現する政治的条件をつくることは大事業だが、客観的には、これは決して遠い将来の問題ではない」
ここで言われている「国民に自由な時間の保障」こそが、社会主義社会の目標になるという提起について、不破さんは、「報告」の前段で、マルクスの「発見」を指摘しています。
「マルクスが、未来社会について、一番詳しく展開した分析は、実は『資本論』第三部にありました。 私たちは、そこに科学的社会主義の未来社会論のいちばん重要な、そして発展的な内容があると考えて、これを綱領の根本にすえました」として、さらに、次のように説明しています。
「マルクスは、『時間は人間の発達の場だ』という言葉を残していますが、社会のすべての人間が自由な時間を持つようになれば、これを遊びに使うことも休養に使うことも自由ですが、自分の持っている知的、肉体的能力のすべてを発展させる人間的発達の条件が社会のすべての構成員に保障されるようになります。 いわば全社会が知的な活動をになうわけで、社会のすべての人間の能力が社会の発展のために活用される、まさに新しい時代が始まることになります。~中略~すべての人間に発達の機会を保障しながら、その力を活用して人間社会が前進してゆく、ここにマルクスは未来社会が本当に人類社会の『本史』、本来の歴史となる根拠を発見しました」
人類の壮大な展望を切り開く立場から、現在の世界を、その中の日本の現状と発展の展望、可能性を、堂々と明らかにして、活動している政党が、日本共産党です。
自民党も今月19日に、党大会を開き、2014年運動方針を決定します。 明らかにされた運動方針の最大の特徴は、侵略戦争への反省を投げ捨てる一方で、「戦争する国づくり」を進める最悪の路線です。 人間の命も能力も否定し、人間の自由も人権も奪う「戦争社会」です。 こうした、自民党型政治に日本の未来を託すことはできません。