(あの人は星になった?
(わたしも星になるのだろうか
中学の頃
父と兄とで浅間山に登った
やめればいいのに
父は山小屋の番人への土産にと
一升瓶を持ちながら歩いた
歩きにくそうだった
山小屋に一泊した
狭い小屋をぬけ外に出ると
くらやみに
満天の星
翌朝
頂上で朝日を拝んだ
あれから
たくさんの人を見送った
父も兄ももういない
すべての色が消えた、
闇の中で
星だけが輝いていた
(星になる途中だったら
わたしがいくまで待っていてくれる?
その時
ゆっくりと
空に手をかけ
星化していく
だれかが頷いた
R3.3.24