明美
明美
とよぶ声がする
あれは両親だ
あと
明美とよぶのは夫しかいない
名前を説明するとき
(明るく美しいです)と
平然といっていたが
いつしか
(明治の明に
美術の美です)と説明するようになった
明美
明美
と高くよぶ声がする
あれは母の声だ
一階から二階へと
学生の頃いつまでも
おりてこない
わたしをよぶ
母の声だ
嫁いでから
座敷にいるわたしに
最後まで
おさなごに話しかけるように声をかけた
明美
お風呂におはいり
おやすみー
隠居所へ
あるいていく
父の声だ
ふいに
自分の名を思いだす
おかえり
たしかにふれあったものたちの処へ
R3.3.25
そうそう父はそんなことをいっていたなぁとか。
何だか泣きそうになりました。
申し訳ありません。
わたしたちは、慈しまれて育ちました。