木崎淳平は小学校の教師だったが、生徒の早希に本気で恋をして、学校を追われた。
心に傷を受けて、何もしないでぶらぶらしていたら、友人の杉下に勧められ、ハワイのヒロの町から車二十分くらいの場所にあるホテル・ピーベリーに3カ月ほど滞在することになった。
何故か宿泊するのは一度きりで、リピーターとして再び訪れることを許さない、それに滞在は最長三カ月までという。
そこは日本人が経営する、ホテルとにしては小さい、六部屋だけのこじんまりとした宿だった。
白いバンで空港に迎えにきたのは和美という、日本では受け入れられないようなラフな格好した、あまり色気のない痩せた小柄な中年の女性だった、ちょうど一緒になった桑島ナナという若い女性とホテルに向かった。
ホテルには先客の佐奇森真と蒲生裕司がいた。
それに、夜プールで泳いでいる青柳…日焼けが嫌で、夜だけ行動しているらしいが、「楽しみにしてろよ。きっとおもしろいものが見られる」と淳平に告げた。
和美の亭主洋介は不愛想で、昼間はコーヒーショップで働いてホテルにはいない。
ふとしたきっかけから、淳平は意外な一面を見せ色気のある和美と接近した、彼女は淳平を優しく受け入れてくれた…。
ホテルに来て二週間が経ったころ、淳平がオアフ島を訪れていたとき、蒲生がプールで溺れて死んだ。
蒲生と名乗った人間は、嘘の住所や電話番号を書いていた…。
何故か青柳は、そそくさとホテルを出て行った。
しかしバイクの事故で、彼もまた死んだ…。
淳平の心が癒え始めようとした頃、のんびりしたハワイ島で事件は起きたのだった…。
驚愕のミステリ!!