脚本古沢良太:ノヴェライズ森晶麿
2017「探偵はBARにいる3」制作委員会
ススキノで探偵をする〈俺〉は、相棒である高田の後輩から、失踪した恋人・麗子の捜索を頼まれる。
報酬はたった1万800円である(800円は消費税らしい)。
調査の過程で、麗子がバイトをしていたモデル事務所のオーナー・岬マリに会った〈俺〉は、何故か既視感を抱く。
だが直後に何者かの襲撃を受け、捜索から手を引くように脅されることに。
事件は単なる女子大生の失踪ではなかった、札幌で成長著しい北城(きたじょう)グループの幹部殺害事件とつながっていたのだ…。
桐原組の若頭相田もこの頃は元気で、結構〈俺〉も恐れている。
組長桐原もザ極道って恰好していて、これまた元気。
今は敵対する花岡組と微妙な状態にあり、北城グループは花岡組の配下にあった。
だから桐原組も、麗子捜しから手を引くよう、手荒な方法で〈俺〉に迫る。
それでも何故かぼやきながら、〈俺〉も高田も絶対手を引かない!たった1万800円のためにか…?
そんな設定になっている。
そして今回は北大の空手部の高田もかなわない、手ごわい男・波留が登場する…。
謎の女・岬マリは果たして何者か、そして〈俺〉にとって女神か?疫病神か?
なかなかスリル満点で面白いとは思うが、これは映像化するために書いた脚本をノヴェライズ化しただけのもの。
所詮原作者の東直己に勝てるわけがない、つまりススキノ探偵シリーズは、こんな薄っぺらい文庫本に収まるような、そんな浅いものではない。
もっとユーモアにしろスリルとサスペンスにしろストーリーの展開にしろ、重厚な仕上がりになっている物語だと私は思う。
重量感?の感は拭えないだろう!
大体、〈俺〉が飲んでる酒に対してもセンスのかけらもない、食べているものにも。
本著は東直己の作品を模擬し誇張化したに過ぎない。
その方が映像的には面白いからだろうな…。
言っておきますが、この映画がどうのこうの言ってわけではないのです、この文庫本に対して、非常にがっかりしたということですので、悪しからず♡