インフルエンス=景況を及ぼす人。 あくまでも、当ブログの筆者kagetora98(長尾景虎)による主観であります、悪しからずご了承願います。
戸塚友梨(とつか・ゆり)、坂崎真帆(さかざき・まほ)、日野里子(ひの・さとこ)。
大人になった三人の人生が交差した時、衝撃の真実が見える。
「誰にも知られてはいけない。私たちが繋がっていることを」
それは一通の手紙が、女流エンタメ作家に届いたことから始まる。
実は、お手紙を書いたのは、先生がわたしたちの話に興味を持つのではないかと思ったからです。同い年ですし、女同士の関係のことをよく書いてらっしゃいますから。わたしと友達ふたりの、三十年にわたる関係は絶対あなたの興味を引くと思います。
女流作家は一読して、単なるナルシストと一笑にふすつもりだったが、さっと読んだときは、読み落としていたが、文末にこんな一文があった。
実はひとりに、膵臓癌が見つかりました。
彼女が亡くなったあとには、もう話すことはできません。もし間違っていても、彼女は訂正できないからです。
どうか、一時間だけでも時間を取っていただけないでしょうか。
以前新聞で、大阪にお住まいだと読みました。
わたしも大阪です。興味を持っていただけましたらメールや電話などいただけるとうれしく思います。
これらの一文を読み、単なるナルシストではなく、真摯な気持ちがこもっていると思い、一度会ってみることにしたのだが…。
待ち合わせをしたのは、ホテルのラウンジだった。
彼女はおとがいの尖った小さい顔をした痩せた女性だった。
戸塚友梨と名のった。
結局その日だけでは終わらず、あと二日間、計三日間に分けて語られた話は驚愕の内容だった!
彼女の小学生から中学生・高校生・大学生・社会人にわたる、坂崎真帆と日野里子との壮絶な関係と繋がり…。
女流作家も途中で気づく、自分も彼女らと同じ中学で同じ時間を、クラスは違えどもすごしていたことに。
そして、今目の前にいる女性が、母親が持ってきた卒業アルバムより、戸塚友梨とは似ても似つかない別人であることも…。
「あのね、よく聞きなさい。団地で男の人が殺されたの」
知っている。わたしが殺したのだ。
母は続けてこう言った。
「警察に里子ちゃんが連れて行かれたの」
三人の少女を巻き込んだ不可思議な事件。
現代社会の焦燥感と緻密な心理サスペンス!
著者渾身の傑作長編エンタテインメント!