読んだ最初の感想として、松田優作ではないが「なんじゃこりゃ!」であった。
著者の本格推理物の様々なお約束事に甘受する作家や読者に対する、提議或は挑戦又は叱責と捉えるべきなのか…。
はっきり言って、私は作家東野圭吾が本格推理小説を執筆することに倦み、乱心したとしか思えない。
その後も気が狂った状態で、ベストセラー作を書き続けているが、気ちがいと何とかは紙一重の世界ではないだろうか?
とにかくこの作では、寅さんじゃないけれど「それをいっちゃおしめぇよ」の連発である。
プロローグ(脇役の憂鬱・前半)第一章 密室宣言 (トリックの王様)第二章 意外な犯人(フーダニット)
第三章 屋敷を孤立させる理由 (閉ざされた空間) 第四章 最後の一言 (ダイイングメッセージ)
第五章 アリバイ宣言 (時刻表トリック) 第六章 『花のOL湯けむり温泉殺人事件』論 (二時間ドラマ)
第七章 切断の理由 (バラバラ死体) 第八章 トリックの正体 (???)
第九章 殺すなら今 (童謡殺人) 第十章 アンフェアの見本 (ミステリのルール) 第十一章 禁句 (首なし死体)
第十二章 凶器の話 (殺人手段) エピローグ (脇役の憂鬱・後半) 最後の選択 (名探偵のその後)
完全密室、時刻表トリック、バラバラ死体に童謡殺人。フーダニットからハウダニットまで、12の難事件に挑む名探偵・天下一大五郎。
すべてのトリックを鮮やかに解き明かした名探偵が辿り着いた、恐るべき「ミステリ界の謎」とは?
本格推理の様々な”お約束”を破った、業界騒然・話題満載の痛快傑作ミステリと書いてあるが…。
脇役代表として大河原番三警部が登場して、その悲哀を語るのだが…。
私がこの著者の作品を読んだ中で「殺人の門」「手紙」に続く、大っ嫌いな駄作であると思う。
最後に解説者が何頁もさいて、本格推理論を熱く語っていたが…読者が求めているのはエンターテイメント性であるので、そこを勘違いしてはいけないと私は思う!
作中に時刻表や屋敷の図面等を提示しても、読者の殆どが無視するって書いてあったが、あったりまえだろう!!
作家が独りよがりで書いた作品は、見向きもされず売れないと思う…。
私は元々、横溝正史のおどろおどろした世界にはまって、ミステリを読むようになったので、本格推理小説は嫌いではないが、読者もちゃんと謎解きしなさいって、書き手に強制されるいわれはないのである。
息抜きに本を読んでいる人間にとって、もっと気楽に本を読みたいのであるだ(^^♪