長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

樋口有介著【海泡】

2019-03-17 19:58:36 | 本と雑誌

この著者の作品には、必ず、ばかみたいに美女が登場するってさ。
あっちみたいな莫連女は出てこないってわけかねぇ。
小笠原諸島・父島、人口二千人の洋上の楽園に、殺人事件は似合いやしないのさ。
木村洋介二十歳が今回の主人公さね。
東京の大学に通ってて、二年ぶりに二十六時間かけて小笠原に帰ってきたってわけなんだけどさ、それがなんだかきっかけのように、父島ではよっく考えれば、太平洋戦争以後初めての大事件が勃発することになるわけさ。
洋介と同級生だった一宮和希が、三日月山の展望台から転落して死んだ。妊娠四カ月…。
それから、その和希にストーカーしていて、わざわざ小笠原までやってきていた、真崎仁が一宮家の墓の前で死んでいた。
どうやらスパナで頭を殴られたらしい。
そんなわけで、父島の島中大騒ぎってわけさねぇ。
さて今回登場する美女は、丸山翔子、洋介の同級生にして憧れの女性だが、白血病で余命いくらもなく、もうガリガリに痩せ細っていて、美女も台無しだぁね。
その外は洋介の父親が有名な画家で、今回の作品のモデル契約して東京からやってきた、干川雪江。
洋介の同級生で、今は漁師をやっている山屋浩司の彼女で、板戸可保里。
棚橋旬子も洋介の同級生だが、いつも化粧をしないで真っ黒に日焼けしていて、気がいいんだが、とても美女とはいかないねぇ。
民宿の女将同然に働いている。
物語は小笠原・父島の自然の豊さを、存分に描写して、洋介をどんどん事件の渦中に巻き込んでいくってさ。
実はこの作家先生の描く女たちゃぁ、莫連女ばかりなのさ、だから今回はこんな口調になったのさ、おあいにくさまだったねぇ。
登場する男たちも貞操観念なんて、欠片も持ち合わせちゃぁいねぇのさ!
人の命って、実際に海の泡のような、切ないもんだってさ!!


宮部みゆき著【ドリームバスター4】

2019-03-05 18:06:08 | 本と雑誌

いよいよドリバス4でございます。
宮部みゆきはん5連発は、少々やりすぎどすけど、やっぱり気になりますよって、読むことにしましたんえ…。
それでは前回のおさらいいたしまひょ(^^♪
大災厄の影響でできた「抜け穴」によってテーラと地球は繋がり、テーラの凶悪犯の意識が地球に逃亡した。
シェンとマエストロはD・B(ドリームバスター)。
地球の人々の悪夢に潜む逃亡犯の意識体を捕獲する賞金稼ぎだ。
シェンの友人のD・B、マッキーが謎の「場」で行方不明になったらしい。
ドレクスラー博士によるとそれは「場」ではない。
時間の源泉のそばにあり、湧き出した時間が結晶化している「時間鉱山」なのだという。
シェンはマッキー救出のためマエストロと共に時間鉱山に飛ぶ。
時間鉱山に着くと、11歳のヒロム、28歳のキエとユキオが救出を待っていた。
地球人がここにいるということは現実世界では昏睡状態か仮死状態であることを示す。
ヒロムは交通事故で、キエとユキオは心中を企てたらしい。
シェンたちはドレクスラー博士からもらった「カウンター」の数字が0になる前に帰還しないと身が危ない。
彼らは共に、時間鉱山の鍵を握る城壁に向かう。
その途中の森に、作業場があり、トロッコのレールがトンネル奥に続いていた。
そしてマエストロは以前、村野理恵子が目撃した殺人事件の犯人、カキモトのおぞましい自己投影像をみかける。
不安を抱きつつ、シェンたちは時間素の濃い鉱山の中に入っていく。
そこで、死にたがっていたキエが断崖から落下した。
シェンのカウンターは残り50を切っている。そろそろ戻らねばならない。
しかしシェンは怯えて泣いているヒロムを置き去りにできないと、帰還を拒否。
マエストロだけ、いったん帰還して、シェンはヒロムたちと残ることにした。
ここまでのお話、お分かりになりましたかしらん?
さて時間鉱山に残ったシェンとヒロムとユキオは、とにかく探索を開始した。
まずはキエを探しに地下に入っていくことから始めた、しかし時間鉱山は一筋縄ではいかぬ偏屈な奴だった…。
いろんなおかし気な現象に悩まされながら、シェンは地下で腑抜け同然となったマッキーと再会できた。
キエも見つかった。
シェンは思い切って、山に登ることを考えた。かなり険しい山だが…。
一方テーラに帰還したマエストロは、ドレクスラー博士に委細を報告し、助言をもらう。
博士も山こそ三名の地球人の生死を握る鍵だと。
マエストロはすぐさまバレンシップに乗り込み時間鉱山に向かうが、今度は時間鉱山に拒まれ入ることができないでいた…。
地球人の3名とそしてシェンやマッキーそれにマエストロたちは、無事に生還できるのか…。
いよいよ今回はシェンの母親、逃亡犯の”血まみれのローズ”が本格的に登場するのでございます!!
母子の出会いは…やはり険しく哀しいものどした…。
今時は酷い親もいますけど、母親を憎むって、ひどく哀しいことどす!
シェンはとことんローズを憎んでいます、ほんまに辛いことですよってに…。