長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

西澤保彦著【沈黙の目撃者】

2020-12-16 22:26:27 | 本と雑誌


事件のそばには、見慣れぬ器(飲み物用)の姿あり。
ミステリー界の奇才が贈る、予測不能の衝撃展開‼


それは都市伝説のような話だった。
県北部の山の麓に「常与(とこよ)」という村が昔あった。まるで隠れ里みたいな話だった。今は廃村になっているが、かつてそこに「紺屋」があった、その家系は既にもう途絶えている。
だが、その作業場は今もなお残っていて、そこを染め物ではなく、特殊な工房として使っている、とある怪しげな人物がいる。
特殊なと言うのは、人智を超えた物を作るからだ。なんと遺骨から容器(飲み物限定)を作るのだった。
その工房に辿り着くには、遺骨を持って行かないとならない、そうでないと絶対に迷って、分からずじまいで帰るしか術はない。
しかし、その工房で待ち受けているのは、気難しい老体の職人ではなく、なんと欧米系の金髪美女で、二十~三十歳くらいか?まるでハリウッド映画に出てくる女優のようであるが、くたびれたガウンを羽織り、如何にも魔女のイメージである。
彼女は日本語を流暢に操るのであった。
自分の飲めない飲み物を限定にして、注ぐとその器となった遺骨の人物(死者)と交信?が可能となる。
何故自分が飲めない飲み物かと言えば、うっかりその器の中身を飲んでしまうと、その死者に憑依され、体を乗っ取られてしまうからだ。
ところが実のところ、憑依は12時間という限定のシンデレラアワーだったのだ…。

『沈黙の目撃者』『まちがえられなかった男』『リアル・ドール』『彼女の眼に触れるまで』『ハイ・テンション』の五つの話に分かれている。
『ハイ・テンション』の最後、”乾いた音が重なる”とはいったい何の音だったのだろうか…?

私はこの小説をブログにアップしょうかどうか随分迷いました。
なかなか刺激が強い内容で、私としてはR‐18指定としておきますので、くれぐれも御注意!
だから五つの各個別の話の内容には触れないように、わざとしていますので、悪しからずご了承願います。


【祝アーモンドアイ有終の美・九冠達成💛】

2020-12-01 15:55:00 | 日記・エッセイ・コラム

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第40回ジャパンカップは史上でも希な、三冠馬が三頭激突するハードなレースとなった。
アーモンドアイのラストランをジャパンカップでと陣営が考えたのだろうが、私としては当初不安があった、ローテが短くないか2400は長いかもしれないなんて、でもよくよく考えたらここしかないなって考えなおした、東京コースが得意なので、他のレースはないのである。
ただし、陣営も少しでも馬におかしなところが出たら、出走を取り消す構えだった。
デアリングタクトはジェンティルドンナやアーモンドアイに倣って、ジャパンカップへ挑んできたのだから、それはそれでいいのだろうが、エリザベス女王杯での三歳牝馬の体たらくを見たら、この世代のレベルが一抹の心配ではある。
ただ、コントレイルの出走は解せないと強く感じた。
菊花賞3000を目一杯走ったのでまだ疲労が残っていると予想できた、案の定追い切りしたらボロボロだった、だが馬自身が目を覚ましたようで、万全ではなくとも調子を上げてきたようなので、不安は拭えないが、まぁよしと考えを180度急回転させた次第。
なんせ金輪際ないであろう、非常に強い三冠馬が三頭出走する三つ巴のドリームマッチは、やはり一度見てみたかった…。

さて、ゲートが開くと、スタートも綺麗に揃い、キセキが大逃げで果敢に引っ張る。
アーモンドアイは4番手位の好位に着けて追随。
一方デアリングタクトは7番手位で追随し、コントレイルはそれを見ての9番手位の位置取りか。
坂を上り直線に入ると早々と残り脚のなくなったキセキを捉え、いよいよアーモンドアイが抜け出し、デアリングタクトもそれを追うが、外からコントレイルが急襲してきた。
しかしながら、役者の違いか?アーモンドアイがコントレイルを1馬身1/4引き離し勝利した。
勝ち時計2:23.0(自身が前回のジャパンCで叩き出した、当時世界レコードの2:20.6には劣るが)好時計での勝利だった(上がり34.7)。良馬場発表ながら時計の出ない馬場状態(特に内ラチ沿いがひどかった)だった。
コントレイルも上がり34.3と出走馬の中1番時計で、よく追いかけたのだが及ばず。
デアリングタクトはカレンブーケドールとの熾烈な叩き合いで、辛うじてハナ差3着で入線(上がり34.4)。
競馬って1番・2番・3番の人気通りになかなか決まることが少ないのだが、やはり地力の差の結果か?
4着のカレンブーケドール(5番人気・上がり34.8)は、通称2着娘♪とか呼ばれている牝馬で、昨年のジャパンCでも2着だった、不思議なことに重賞勝ちは一度もないのだが、大レースで何故か上位に食い込んでくる、実にしぶとい馬である。
5着にはグローリーヴェイズ(4番人気・上がり35.2)だった。
大逃げしたキセキ(6番人気・上がり38.9)は8着と見事に玉砕した。
まぁ人気上位で決まってしまって、馬券的な面白味はなかっただろうが、2着以下がクビ・ハナ・クビと大混戦になったので、さすがに見応え抜群のハイレベルなレースではあったと思う。

これでアーモンドアイは桜花賞・優駿牝馬(オークス)・秋華賞・ジャパンC(2回)・天皇賞秋(2回)・ヴィクトリアマイル・そして海外ではドバイターフと九冠達成。
まさに現役最強馬及び史上最強牝馬の面目躍如であった。
15戦11勝(2着2回・3着1回・着外〈9着〉1回)の成績を残しターフを去り、今後は繫殖牝馬となる。
血統背景
父親はロードカナロア(香港スプリント2勝・スプリンターズS2勝・安田記念・高松宮記念等短距離で活躍)日本ダービー馬のキングカメハメハ産駒。遡ればミスタープロスペクター系。
母親はフサイチパンドラ(エリザベス女王杯)、サンデーサイレンス産駒、遡ればヘールトゥリーズン系。

コントレイルとデアリングタクトは,初黒星をきっしてしまったが、これで底が見えたとは考えてはいない、今後の成長力に期待し、加えて陣営には入念な準備もなしの、無謀なレースへの参戦は控えてもらいたものだと願う次第。