長尾景虎の戯言

読んだり聞いたりして面白かった物語やお噺等についてや感じたこと等を、その折々の気分で口調を変えて語っています。

東野圭吾著【素敵な日本人】

2019-08-23 21:50:02 | 本と雑誌

九編からなる短編集。
1日一編、寝る前にじっくり読む、そんなことを書いてあったので、9日間かけて読了。
『正月の決意』
前島達之・康代は、夫婦二人きりになっていたが、正月には書初めをし、お屠蘇を飲むのを習慣にしていた。
午前6時、近くの神社に初詣に行く。
ところが、神社の賽銭箱の前に、なんと町長が倒れていた。
警察を呼んで、さぁ大騒ぎとなるが…。
『十年目のバレンタインデー』
峰岸は、嘗ての恋人だった津田知理子に突然食事に誘われた、なんとバレンタインデーの日だった。
しかもフランス料理を、御馳走してくれる。
そしてバレンタインデーのチョコまでもらった。
しかし彼女には、ある目的があったのだった…。
『今夜は一人で雛祭り』
三郎は娘真穂の婚約者木田修介の両親と、高級料亭で食事をした。
俊介の家は東北でも屈指の総合病院を経営していて、大変な資産家だった。
東京で研修医をしいる俊介は、研修期間終了後東北に戻り、父親が院長をしている、その病院で働くという。
つまり、出版社を辞めて真穂もそれについていき、専業主婦となるのが条件だった。
真穂は夢を捨て、東北にいってしまうことになる。
面食らう三郎だったが…。
『君の瞳に乾杯』
三十路前の内村は恋人もなく、場外馬券場かパチンコ店に通うだけの、実につまらない人間。
嘗て大学時代の友人であった柳田と、偶然場外馬券場で出くわした。
そして内村の現状を知り、柳田は合コンに誘ったのだった。
相手はモデルのグループらしい。
今度の火曜日、場所は六本木、その日は内村もあいていた。
内村は喜んで参加することにした。
そして当日、内村の向かい側に座ったのは、モデルにしては小柄な、なんだかアニメキャラみたいな女の子・モモカちゃんだった。
アニメ鑑賞が好きということで、内村と意気投合して、話が弾んだのだった。
二軒目でも、殆ど二人で喋っていたし、別れ際連絡先まで交換した。
一週間後、二人は都心のお好み焼き屋にいた。初めてのデートである。
モモカちゃんはモデルなんかではなくキャバ嬢だったが、内村は気にしなかった。
モモカちゃんは、内村に店にくるなと宣言。
それにモモカちゃんは、自分のことを根掘り葉掘り訊かれるのを嫌がるようであった。
さてこの二人の結末は…?
『レンタルベビー』
エリーはロボットの赤ちゃんをレンタルして、長期休暇期間子育て体験をすることにした。
その赤ちゃんはまるで本当の赤ちゃんのごとく、実に精密に出来ていた。
赤ちゃんロボットには「パール」と名づけた、真珠のように肌が白いから。
恋人のアキラと一緒に暮らし、本格的に子育てを経験することになったのだが…。
『壊れた時計』
俺は働いていた居酒屋をクビになってからは、プー太郎状態が続いていた。
しかしAから突然電話がかかってきて、仕事を依頼された、報酬はかなりの額だ。
実は、家賃を三カ月分滞納していて、もうじき追い出される寸前の状態。
Aから依頼される仕事は、かなりやばい仕事なのだが、背に腹は代えられぬ、即引き受けた。
仕事は、あるマンションの一室から、ある彫刻を取ってくるだけなのだが、どうやら盗んでくるようだった。合鍵は既に出来ていた。
そのマンションの一室に、合鍵で忍びこみ、彫刻を探すが、なかなか見つからない。
時間がないので焦っていたら、その部屋の住人が突然帰ってきて、鉢合わせになってしまったのだが…。
『サファイアの奇跡』
未玖はある日冒険してみた。
いつも通う道とは違う、知らない町に足を向けた。
そして、とある神社を見つけた。
その神社で鈴を鳴らして、「お金持ちになれますように」とお祈りをした。
お賽銭なんか入れていなかった…。
未玖は父親を亡くし、母親が働いてなんとかギリギリの生活をしている、そんな貧乏暮らしだったからだ。
未玖はその神社で一匹の猫と出会う。
薄茶色の縞柄で、額だけ少し濃い茶色が幾筋か入っている。
態度は尊大で横柄なのだが、何故か憎めない。
それから毎日、その猫を目当てに、神社に通うことになった。
なんと、その猫はマシュマロが好物のようだった。
稲荷ずしに似ているので「イナリ」と名づけたのだが…。
『クリスマスミステリ』
黒須はクリスマスイブに、本当のパーティーの前に、二人きりで会いたいという、樅木弥生の提案に食らいついた。
黒須は、弥生を殺害する計画をたてていたのだ…。
『水晶の数珠』
直樹はボストンに根城おき、役者への道を模索していた。
バイトで鉄板焼きのレストランで働いているが、華麗なる包丁さばきを披露している時に、調理服の下でスマートフォンが振動していた。
後で確認したら姉だった。
直ぐに電話したら「来週の十四日に帰ってこられないか?」とのこと、父親の誕生日だそうだが、直樹は勘当された身。
断ろうとしたが、父親は癌でこの誕生日が最後になりそうだとのこと。
結局帰ることにしたが、東京駅で新幹線に乗ろうした直前、何故か父親から電話があった。
何故自分が帰ってくることを知っているのか、それになんでスマフォの番号を知っているのか、ちょっと疑問だったが、父親は直樹に対してひどい悪態をついた。
腹をたてた直樹は、成田空港に引き返すはめになったのだが…。
サスペンスあり、心温まる物語ありで、まったく飽きさせない。
各物語、最後のどんでん返しのオチがいい♪
意外性と機知に富み、四季折々の風物を織り込んだ、極上の九編。


赤川次郎著【鼠、嘘つきは役人の始まり】

2019-08-14 19:53:53 | 本と雑誌

2016年12月17日初版発行
祝!赤川次郎、作家生活40周年、著書600冊突破
江戸一番の人気者は、大泥棒〈鼠〉か、はたまた与力〈鬼万〉か。
巷で話題、奉行所の名与力、〈鬼の万治郎〉。しかしその正体は、盗人よりもなお悪い…!?
表題「鼠、嘘つきは役人の始まり」
謎と活劇に胸躍る、人気の〈鼠〉シリーズ。
さてさて今宵の出来事は…。
壱、大名屋敷に響く女の泣き声。そして〈鼠〉に弟子入り希望の浪人…。「鼠、横車を押す」
弐、〈鼠〉が出会った貧乏侍。剣のつかい手に間違えられてさぁ大変。「鼠、雨の夜の人助け」
参、謎の「おさとさま」を巡ってすわ討ち入りかと大騒ぎ。「鼠、空っ風に向かう」
肆、盗人を次々お縄にする与力〈鬼万〉。彼の裏の顔とは…。「鼠、嘘つきは役人の始まり」
伍、刺客に狙われた広之進。しかも理由は不義密通!?「鼠、刺客修行の裏表」
陸、天井裏で見つけた人骨。同じ屋敷で、簀巻きにされた男…。「鼠、天井裏に眠る」
相変わらず、治郎吉とその妹で、小太刀の達人小袖も、ほんとうに活き活きと活躍していま~す♡

島田荘司著【鳥居の密室(世界にだだひとりのサンタクロース)】

2019-08-09 20:06:20 | 本と雑誌

発行2018年8月30日
厳重な密室に殺人者とサンタだけが出入りした。
古都で御手洗潔が見出した「奇蹟の道」とは?
完全に施錠された少女の家に現れたサンタ、殺されていた母親。
鳥居の亡霊、猿時計の怪。
クリスマスの朝、少女は枕もとに生まれて初めてのプレゼントを見つけた。
家は内側から施錠され、本物のサンタが来たとしか考えられなかった…。
別の部屋で少女の母親が殺されていた。
誰も入れないはずの、他に誰もいない家で。
周囲で頻発する怪現象との関連は?
そこには偶然にできた、驚天動地のからくりが隠されていた!!
さすがに「斜め屋敷の犯罪」を書き上げた著者、油断はできないって思い知ってしまう作品である。
書き下ろし本格ミステリ。あなたは「奇蹟の道」にいつ気づくだろうか…?
この著者にはめずらしくラストシーンは、涙もろい方は要注意(涙)♪

申し訳ございません、ブログを暫く休止致します!!

2019-08-01 23:12:27 | 日記

東直己著【挑発者】を読みました、畝原シリーズで大作なのですが、記事を書くことが出来ません。
実は部屋のエアコンが故障致しまして、室温が35℃になっております。
エアコン復旧のめどは現在たっておりません。
せっかくの小説を記事にすることは、暑さに負けてどうしても出来ません…。
どうか事情を御くみ頂いて、ご容赦の程お願い申し上げます!