◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/12月1日~10日

2018-12-09 15:05:27 | Weblog

※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


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今日の秀句/12月1日~10日

2018-12-09 15:05:06 | Weblog

12月10日(2句)

★丁寧に掃き清められ冬の滝/多田有花
大阪の四条畷の奥の権現滝は、月に一度護摩が焚かれ、信仰の滝となっているようだ。丁寧に掃き清められて、寒さのなかに、すがすがしい緊張感を感じる。(高橋正子)

★菜園の二列ばかりや葱畑/桑本栄太郎
菜園に二列の葱が作る青々とした景色が生き生きとしている。九条葱の庭菜園なのであろう都思うが、ひと冬に家庭が食すには十分な葱。楽しみである。(高橋正子)

12月9日(1句)

★水仙のつぼみほのかに花壇かな/桑本栄太郎
様々な花に混じって花壇に水仙のつぼみが見える。寒さが強くなるにしたがって、水仙は花を開く準備を進めるが、この時期の水仙はまだ「つぼみほのか」なのだ。(高橋正子)

12月8日(1句)

★サイドカー下り来る毛皮婦人かな/小口泰與
六十代の夫婦の乗ったサイドカーか。毛皮を着た婦人が下りてきた。時代を映すような出達に懐かしさも湧く。(高橋正子)

12月7日(2句)

★心地よく初木枯の山をゆく/多田有花
初めて吹いた木枯は、心地よい寒さだったのだろう。「心地よく」が有花さんらしさが出ていて、よい。(高橋正子)

★ヒヤシンス薫り始めて喪の明くる/川名ますみ
一年の喪が明け、ヒヤシンスの花の香りとともに、新しく前へと過ごせることは、人生を美しく生きている証拠ではないだろう。(高橋正子)

12月6日(4句)

★冬山の常に浅間山(あさま)を仰ぎけり/小口泰與
冬山のとなった浅間山を常に仰ぐ。泰與さんはそういう風に暮らしている。冬が来れば、冬の浅間山に眼や心が行くのである。(高橋正子)

★枯葉踏み山に入るこそ楽しけれ/多田有花
山歩きのベテランの有花さんではあるが、枯葉を踏み、枯葉の音を立てて冬の山に入って行く楽しみは、低山の冬山の楽しみなのだろう。私には、山の木々のなかにいると、ほっこりとするような記憶がある。(高橋正子)

★街灯を包むが如き冬の雨/廣田洋一
冬の雨が静かに静かに降る。街灯を包むように。映画のような光景が思い浮かんだ。(高橋正子)

★生駒嶺の遠嶺となりぬ冬の靄/桑本栄太郎
冬の靄が立ちこめて、いつも見えている生駒嶺が遠い嶺となって望める。柔らかな冬の遠望。(高橋正子)

12月5日(2句)

★一軒に一本土産大根抜く/古田敬二
菜園の大根が見事に育った。一軒あたり、一本土産とする。一本の大根はもらった小家族には、うれしい量だろう。「一軒に一本」に温かさと面白さがある。(高橋正子)

★綿虫の虚空無尽や青空に/桑本栄太郎
「青空に」が効いている。最近と綿虫をぜんぜん見ていないが、子供の頃は、よく見た。井上靖の「しろばんば」の小説が思い浮かんだが、綿虫には、なにかしら、日本的なものがあるような気がする。(高橋正子)

12月4日(5句)

★寒林へ夕日差しけり鳥の声/小口泰與
寒林へ差す懐かしいような夕日。そこに鳥の声が聞こえる。鵯など鋭い鳴き声もあるのだろうが、それが却って寒林を奥行あるものにしている。(高橋正子)

★朝刊や霜踏む音の澄み渡る/廣田洋一
霜の朝。冷たく寒い朝ながら、霜を踏んで庭先の新聞受けまで歩く時の「音の澄み渡る」清々しさ。新聞のインクの匂いまでしてきそうなリアル感のあるいい生活句だ。(高橋正子)

 <赤星山登山>
★短日の陽を惜しみつつ稜線を/多田有花
稜線を歩く楽しみは、季節それぞれにあるのだろうが、短日の山の陽も惜しまれるもののひとつ。(高橋正子)

★笹鳴といえど小枝の重く揺れ/桑本栄太郎
チャッチャッという鶯の笹鳴き。もう聞かれるようになった。さぞや小さい鳥で、小枝の揺れも軽いだろうと思いいきや、「重く揺れ」なのだ。鶯の重さが感じ取れるような句だ。(高橋正子)

★石蕗の花海から遠くに咲きにけり/古田敬二
石蕗の花と海の取り合わせに明るいイメージが湧く。石蕗の花に海があれば、どれほどか印象的で明るい花になることだろうか、との思い。(高橋正子)

12月3日(3句)

<赤星山登山>
★登りゆく背中へ冬の光さす/多田有花
冬山の登山。背中に冬の光を浴びながら、明るい登山が伺える。赤星山は1400メートルを越える石鎚山脈につならなる四国の山。(高橋正子)

★天井をはたくは長身煤払い/廣田洋一
煤払いに長身の人はもってこい。その背丈を使って天井をはたくにも余裕がある。なんでもないようだが、ユーモアがある。(高橋正子)

★雪蛍何かし終えて一つ飛ぶ/古田敬二
初冬のどんより曇った日、いろいろ仕事をしてふっと見ると雪蛍がふわっと一つ飛んでいる。アブラムシ科の綿アブラムシとうものだが、初冬らしさを思わせる虫だ。(高橋正子)、

12月2日(2句)

 <赤星山登山>
★最奥の滝も明るし冬の晴/多田有花
明るい瀬戸内の最奥の滝は、冬でも明るい。赤星山は四国の山。話は別だが、愛媛大学の同学年に赤星君と言う人が居ましたが、ここの出身だったと思う。そのころは、なんで赤星なの?と思ってました。(高橋正子)

★冬耕の稲株白く晒しけり/桑本栄太郎
冬田を打ち返す。稲株を掘り起こすと、風に日にさらされて、稲株は白くなって転がる。あんなにしっかり稲を育てた株が枯れて、白くなる。淋しさも。(高橋正子)

12月1日(4句)

★靄流る黙の浅間や枇杷の花/小口泰與
枇杷の花が香り高く匂う。浅間山は、靄に包まれ沈黙を守っている。枇杷の花と沈黙の浅間山の遠近の風景がしずかで柔らかい。(高橋あmさ子)

★吟行の土産はズボンの草虱/古田敬二
吟行に出掛けて家に帰り着けば、知らぬ間にズボンのすそには草虱がたくさんついている。野に出て吟行したよい時間が証明される。(高橋正子)

★湧き上がる歓喜の歌や十二月/廣田洋一
十二月は街のあちこちでべードーベンの第九交響曲の歓喜の歌が歌われ、また流れ、一年が締めくくられる。日本にもすっかり定着した歓喜の歌である。(高橋正子)

<赤星山登山>
★橋いくつも渡り近づく冬の滝/多田有花
冬滝は水量が少なくなったり、凍ることもある。奥へ奥へと橋を渡ってたどり着いた滝はどうどうと水を落としている感じだ。滝に出会うということは、いい個性に出会うようでもある。(高橋正子)
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