◆自由な投句箱/花冠発行所◆

主宰:高橋正子・管理:高橋句美子・西村友宏

自由な投句箱/12月11日~20日

2018-12-12 12:22:14 | Weblog

※当季雑詠3句(冬の句)を<コメント欄>にお書き込みください。
※投句は、一日1回3句に限ります。
※好きな句の選とコメントを<コメント欄>にお書き込みください。
※お礼などの伝言も<コメント欄>にお書きください。
※登録のない俳号やペンネームでの投句は、削除いたします。(例:唐辛子など)
主宰:高橋正子・管理:高橋信之


◆俳句添削教室◆
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◆俳句日記/高橋正子◆
http://blog.goo.ne.jp/kakan02
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今日の秀句/12月11日~20日

2018-12-12 12:20:03 | Weblog

12月20日(2句)

★裸木の彼方に鉄骨の透けて/多田有花
裸木自体、鉄骨のように見えないでもないが、そのすっきりと葉を落とした裸木を透かして建設中のたてものであろうか、鉄骨が見える。裸木と鉄骨の取り合わせが愉快だ。(高橋正子)

★一枚の皿の孤食や石鼎忌/桑本栄太郎
12月20日は、原石鼎の忌日。島根県の医家に生まれる。作者栄太郎さんの故郷は、山陰鳥取。同じ参院の生まれで、孤独の影を持つ原石鼎に、今日の一枚の皿に食事に身を重ねて思った。単に妻の留守だったのかもしれないが。(高橋正子)

12月19日(1句)

★青々と笊に干したり葱洗ふ/桑本栄太郎
葱は九条葱などの葉を主に食べる葉葱であろう。冷たい水で洗われた葱は清冽というほど青々といきいきしている。笊にあげられ、水を切られるところだ。(高橋正子)

12月18日(2句)

★午後の日の五色の彩や沼の冬/小口泰與
午後の日差しに色を変える沼の水。午後の日差しの変化を沼の水に見た良さ。五色沼というのもあるが、それでなくても、冬の沼は日差しに色を変えやすい。(高橋正子)

★家々の壁薔薇色に冬落睴/多田有花
冬落暉の明るさに、家々の壁が幸せそうに薔薇色に染まる。瀬戸内の夕暮が、明るく詠まれて幸福感に満たされる句だ。(高橋正子)

12月17日(1句)

★冬山路明るき色で走る人/多田有花
冬は色が少なくなるとき。そんな冬の山路を明るい、原色のような色で走る人に出会うと、気持ちがぱっと華やぐ。(高橋正子)

12月16日(2句)

★瀬戸内や冬青空を友として/多田有花
瀬戸内に日々暮らし、日々瀬戸内海を見て暮らした私には晴れた日が多い瀬戸内は、その身になってみれば、冬青空を友としては、実感できること。それを見事に言った有花さんには、感服。(高橋正子)

★せせらぎにせり出し水に実南天/桑本栄太郎
南天の実が赤く熟れている。伸び放題の南天が水にせり出して、中には水に浸っているものがある。水に浸かる南天の赤い実のきれいなこと。水と南天の取り合わせの妙。(高橋正子)

12月15日(1句)

★座してすぐ灯火に染まり年忘/小口泰與
朋友や仕事仲間が集まって、今年の労を忘れ、無事を祝う年忘。用意された座に座ると、すぐに灯火にそまるように馴染み、心落ち着く。華やいだ灯火に染まる身に、今年の無事が思われる。(高橋正子)

12月14日(2句)

★水仙や思ひ出したる海の音/廣田洋一
水仙を見ていて、ふと海の音を思い出した。海の近くの水仙では、越前海岸の水仙が有名だが、そのようなところの水仙であろう。海の音を思い出すと同時にかつて見た水仙郷が思いされたのだ。水仙と海の音の取り合わせが清らかだ。(高橋正子)

★茹でものを待つて窓辺や冬の月/桑本栄太郎
台所で茹でている。茹で上がるまで、火の傍を離れるわけにはいかない。台所の窓辺からは冬の月が輝いているのが見える。厨仕事のあいだも、冬の月を楽しむ心がゆかしい。(高橋正子)

12月13日(1句)

★金色の星の瞬く聖樹かな/廣田洋一
聖樹に飾られた星。金色に瞬く星によって、聖樹がいきいきとして、金の星は、本当にベツレヘムの星となるようだ。(高橋正子)

12月12日(3句)

★あけぼのの障子明りに鳥の声/小口泰與
あけぼのの障子の明かりは、白の美しさを極めていると思える。ぴんと張った障子に冷気が迫り、あけぼのの光が透ける。耳には鳥の声。春でなくとも、冬のあけぼのも貴重なときである。(高橋正子)

★空仰ぎ日を吸ふ花や寒椿/廣田洋一
寒椿は花が平らで、空を仰いでいるようだ。その花の咲くままに日が当たり、日を吸い込んでいるようだ。日を吸った花が暖かい色に咲くのも道理だ。(高橋正子)

★柚子の実のたわわに黄なり山の畑/桑本栄太郎
山の畑に柚子の実がたわわ。その黄色がさびしい山の畑を明るくしている。見慣れて、一見平凡なような風景なのだが、平凡で、当たり前のような風景の良さがしずかに伝わってくる心惹かれる句だ。(高橋正子)

12月11日(2句)

★山茶花の散るほどにまた咲き続く/多田有花
山茶花の花は賑やかと思うほどに咲く。散るとそれ以上に花を咲かせているようにも見える。花の盛りの山茶花が詠まれた。(高橋正子)

★日本海の匂ふが如き鰤の背/廣田洋一
鰤一本の背の光が鋭い。日本海の海の匂いがしているかのようだ。鰤の美味な時がきて、刺身、鰤大根、照り焼きなど食の楽しみも広がる。それを思えば活きのいい鰤が日本海から釣り上げられた様子も目に浮かぶというもの。(高橋正子)
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12月11日~20日

2018-12-12 12:16:19 | Weblog

12月20(4名)

小口泰與
目配せで知らす縁先寒雀★★★
越後へと車の列や十二月★★★★
背伸びして偵察顔や寒雀★★★

多田有花
冬の雨はや街灯の点りおり★★★

裸木の彼方に鉄骨の透けて★★★★
裸木自体、鉄骨のように見えないでもないが、そのすっきりと葉を落とした裸木を透かして建設中のたてものであろうか、鉄骨が見える。裸木と鉄骨の取り合わせが愉快だ。(高橋正子)

昼の雨洗われて咲く山茶花よ★★★

桑本栄太郎
青々と畝のつづくや冬菜畑★★★
枯蔓の畑にのこりぬ支柱かな★★★

一枚の皿の孤食や石鼎忌★★★★
12月20日は、原石鼎の忌日。島根県の医家に生まれる。作者栄太郎さんの故郷は、山陰鳥取。同じ参院の生まれで、孤独の影を持つ原石鼎に、今日の一枚の皿に食事に身を重ねて思った。単に妻の留守だったのかもしれないが。(高橋正子)

廣田洋一
休耕の畑の合間に冬菜畑★★★★
狭き庭形ばかりの冬菜畑★★★
月上り夕焼け残る冬菜畑★★★

12月19(4名)

小口泰與
沼の面の彩を分け行く真鴨かな★★★★

泳跡の色の違えし冬の沼(原句)
泳跡の色を違えて冬の沼★★★(正子添削)

神官の居らぬ社や寒鴉★★★

多田有花
イヤーマフしてパソコンに向かいおり★★★
玄関に飾られ籐の聖樹かな★★★
肉球の滑り止めなり手袋に★★★

廣田洋一
改札前手袋の右落ちてをり★★★★
スマホ用指先開く手袋す★★★
手袋外してかざすスイカかな★★★

桑本栄太郎
注連飾り並ぶイオンや入口に★★★
青々と笊に干したり葱洗ふ★★★★
葱は九条葱などの葉を主に食べる葉葱であろう。冷たい水で洗われた葱は清冽というほど青々といきいきしている。笊にあげられ、水を切られるところだ。(高橋正子)

”ご無沙汰”と決まり文句や賀状書く★★★

12月18(4名)

小口泰與
電飾の湖や小犬は着ぶくれて★★★
午後の日の五色の彩や沼の冬★★★★
午後の日差しに色を変える沼の水。午後の日差しの変化を沼の水に見た良さ。五色沼というのもあるが、それでなくても、冬の沼は日差しに色を変えやすい。(高橋正子)

沼の面を飾る五彩や浮寝鳥★★★

多田有花
家々の壁薔薇色に冬落睴★★★★
冬落暉の明るさに、家々の壁が幸せそうに薔薇色に染まる。瀬戸内の夕暮が、明るく詠まれて幸福感に満たされる句だ。(高橋正子)

玄関に冬陽を入れて掃除する★★★
短日や急ぎ取り込む干し物を★★★

廣田洋一
熱燗はこれに限ると九谷焼★★★★
差し向かひちびりちびりと燗の酒★★★
とろ刺身冷えたる舌に燗の酒★★★

桑本栄太郎
中州よりはるか下流や冬の靄★★★
どどどどと冬の入日へ新幹線★★★★
ご無沙汰といつもの措辞や賀状書く★★★

12月17(4名)

小口泰與
浅間山雪定まりてさだかなり★★★
ラガー等の泥塗れなり利根河原★★★★
平成の終り近しや息白し★★★

多田有花
冬山路明るき色で走る人★★★★
冬は色が少なくなるとき。そんな冬の山路を明るい、原色のような色で走る人に出会うと、気持ちがぱっと華やぐ。(高橋正子)

落葉焚く煙の見えし山家かな★★★
冬の雨降りだす山を歩きけり★★★

廣田洋一
着ぶくれや懐薄き長財布★★★
着ぶくれて三人掛けに浅く掛け★★★★
着ぶくれて見えなくなりぬ二重顎★★★

桑本栄太郎
青々と畝の盛りや冬菜畑★★★★
水色の空の彼方やしぐれ雲★★★
主を望む待降節の祈りかな★★★

12月16日(4名)

小口泰與
落葉踏む定かな音や我と犬★★★★
鉢巻の男が囲む焚火かな★★★
漆黒の赤城山より冬の雨★★★

廣田洋一
あかぎれやワセリン塗りし幼き日★★★★
あかぎれのお湯も沁みこむ痛さかな★★★
水仕事終えては塗りし皸薬★★★

多田有花
山上の池に積もりし落葉かな★★★
トレーニングする少年ら冬の坂★★★

瀬戸内や冬青空を友として★★★★
瀬戸内に日々暮らし、日々瀬戸内海を見て暮らした私には晴れた日が多い瀬戸内は、その身になってみれば、冬青空を友としては、実感できること。それを見事に言った有花さんには、感服。(高橋正子)

桑本栄太郎
松籟や寒風荒ぶ建仁寺★★★
せせらぎにせり出し水に実南天★★★★
南天の実が赤く熟れている。伸び放題の南天が水にせり出して、中には水に浸っているものがある。水に浸かる南天の赤い実のきれいなこと。水と南天の取り合わせの妙。(高橋正子)

乙訓の丘よりはるか冬かすみ★★★

12月15日(4名)

廣田洋一
鋤焼きの締めはうどんの煮込みかな★★★
子と二人鋤焼き鍋のたぎりけり★★★★
鋤焼きや隣の嫁も加はりぬ★★★

多田有花
散りきった落葉の山の木々の影★★★
瀬戸内は青空山茶花の映えて★★★★
車通り過ぎれば落葉舞い踊る★★★

小口泰與
渓谷の秘湯の宿や河豚料理★★★
渓流の闇の波音紅葉鍋★★★

座してすぐ灯火に染まり年忘★★★★
朋友や仕事仲間が集まって、今年の労を忘れ、無事を祝う年忘。用意された座に座ると、すぐに灯火にそまるように馴染み、心落ち着く。華やいだ灯火に染まる身に、今年の無事が思われる。(高橋正子)

桑本栄太郎
入口に注連飾り売るイオンかな★★★
水色の青空ありぬしぐれ雲★★★
子の呉れし花の小さき冬薔薇★★★★

12月14日(4名)

小口泰與
同胞の家の年忌や寒牡丹★★★
凍星や静かなる夜の二人酒★★★
夕暮の赤城流石や空っ風★★★★

多田有花
下りゆく落葉舞い散る歩道橋★★★
レモン背に駅を目指すや冬の暮★★★
冬の日を歩き通してのち晩餐★★★★

廣田洋一
水仙花門の前にて俯けり★★★
一輪はそっぽを向きし水仙花★★★

水仙や思ひ出したる海の音★★★★
水仙を見ていて、ふと海の音を思い出した。海の近くの水仙では、越前海岸の水仙が有名だが、そのようなところの水仙であろう。海の音を思い出すと同時にかつて見た水仙郷が思いされたのだ。水仙と海の音の取り合わせが清らかだ。(高橋正子)

桑本栄太郎
玄関に家人待つ猫底冷す★★★
冴えざえと夕刊取りに宵の外★★★

茹でものを待つて窓辺や冬の月★★★★
台所で茹でている。茹で上がるまで、火の傍を離れるわけにはいかない。台所の窓辺からは冬の月が輝いているのが見える。厨仕事のあいだも、冬の月を楽しむ心がゆかしい。(高橋正子)

12月13日(4名)

小口泰與
鴛鴦や一年ぶりに便り来し★★★
火の山のここは溶岩道枯尾花★★★
渓谷のここに湯宿屋大氷柱★★★★

多田有花
<大阪府民の森ほしだ園地三句>
冬なかば星伝説の地を歩く★★★
冬晴に屹立クライミングウォール★★★
散紅葉見送る星のブランコで★★★★

廣田洋一
金色の星の瞬く聖樹かな★★★★
聖樹に飾られた星。金色に瞬く星によって、聖樹がいきいきとして、金の星は、本当にベツレヘムの星となるようだ。(高橋正子)

冷たき手ポケットに入れなお冷た★★★
底冷えのせりあがり来る厨かな★★★

桑本栄太郎
あおぞらの雲の間やしぐれ雲★★★
歩みゆく比叡颪や京の町★★★
芸舞妓祇園の路地に事はじめ★★★★

12月12日(4名)

★柚子の実のたわわに黄なり山の畑/桑本栄太郎
山の畑に柚子の実がたわわ。その黄色がさびしい山の畑を明るくしている。見慣れて、一見平凡なような風景なのだが、平凡で、当たり前のような風景の良さがしずかに伝わってくる心惹かれる句だ。(高橋正子)

小口泰與
あけぼのの障子明りに鳥の声★★★★
あけぼのの障子の明かりは、白の美しさを極めていると思える。ぴんと張った障子に冷気が迫り、あけぼのの光が透ける。耳には鳥の声。春でなくとも、冬のあけぼのも貴重なときである。(高橋正子)

炬燵より出ぬ老犬のおりにける★★★
老いてなお健脚なるや冬銀河★★★

多田有花
冬枯れの湿性植物園をゆく★★★
暮早し道に迷えばなお早し★★★
<大阪府交野市・磐船神社>
見上げたる巨石を拝す冬の午後★★★★

廣田洋一
濃き緑ふわりと浮きし寒椿★★★
空仰ぎ日を吸ふ花や寒椿★★★★
寒椿は花が平らで、空を仰いでいるようだ。その花の咲くままに日が当たり、日を吸い込んでいるようだ。日を吸った花が暖かい色に咲くのも道理だ。(高橋正子)

寒椿落ちたる庭を彩れり★★★

桑本栄太郎
柚子の実のたわわに黄なり山の畑★★★★
山の畑に柚子の実がたわわ。その黄色がさびしい山の畑を明るくしている。見慣れて、一見平凡なような風景なのだが、平凡で、当たり前のような風景の良さがしずかに伝わってくる心惹かれる句だ。(高橋正子)

鞍馬嶺の峰の明るく片しぐれ★★★
バス道の瘤の目立つや冬木立★★★

12月11日(4名)

小口泰與
祝い日のマグロ解体五十集かな★★★
大根干す無くてはならぬ赤城山★★★★
黒塗りの社の床や冬紅葉★★★

多田有花
<府民の森むろいけ園地三句>
室池や冬青空と雲浮かべ★★★
池の辺に残る紅葉を愛で歩く★★★

山茶花の散るほどにまた咲き続く★★★★
山茶花の花は賑やかと思うほどに咲く。散るとそれ以上に花を咲かせているようにも見える。花の盛りの山茶花が詠まれた。(高橋正子)

廣田洋一
鰤を煮て酒を酌みたる夕べかな★★★
日本海の雪を偲びつ鰤を煮る★★★

日本海の匂ふが如き鰤の背★★★★
鰤一本の背の光が鋭い。日本海の海の匂いがしているかのようだ。鰤の美味な時がきて、刺身、鰤大根、照り焼きなど食の楽しみも広がる。それを思えば活きのいい鰤が日本海から釣り上げられた様子も目に浮かぶというもの。(高橋正子)

桑本栄太郎
風強き川端通りや枯銀杏★★★
冬空の嶺に茜や放れ雲★★★★
しがみつく枯葉下枝にありにけり★★★
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