ROCK & CINEMA DAYS

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扉の向こうにいたのは

2011-04-14 11:46:00 | 
生後わずか3ヶ月の命だった猫のPちゃんが亡くなって、はや3ヶ月がたとうとしています。
ここ数日、暖かくなったこともあり
ずっと片づけられずに倉庫に置いたままにしてあったPちゃんの物を
思い切って片づけることにしました。


Pちゃんが厳寒の倉庫で震えながらもぐっていた、保温ベッド
(ベッドというより「おくるみ」に近い)を
ハサミで切って分解し、ゴミ袋へ。
でも、捨てる前に、ベッドにうっすら残っていたPちゃんの毛を数本拾い集めておきました。
ちょっと涙が出てきました…。


Pちゃんの使っていたシステムトイレ。
中の防臭サンド(砂)と吸水シートは、Pちゃんの死後すぐに捨てたのですが
(捨てるとき、Pちゃんのおしっこが染みていた吸水シートを見て号泣でした…)
トイレ本体は片づけられずに置いてありました。
「よーし、天気はいいし、あったかいし、洗って片づけるぞぉっ!」
おひさまの下でゴシゴシ洗い。
乾かして、買ったときの箱に入れました。
まだまだきれいだから、捨てるのはもったいない。


また使うことがあるかもしれない。おそらくないだろうけど。


「すっきりしたね、Pちゃん」
いつもPちゃんが座っていた場所に話しかけました。
その場所には、今も毎日花と水を供えてあります。


システムトイレは意外と大きいので
なくなってしまうと、とても広く感じます。
そのトイレが置いてあったのは
外へ通じる扉の前。


扉と言っても
もう何十年も開けていません。
なぜかと言いますと
その扉の向こうは、すぐお隣の家の外壁。
しかもお隣との間はわずか30センチほど。
人が通れる幅ではありません。
せいぜい野良猫がたまに通るぐらいです。


だから扉を開ける必要がないので
戸口を針金でしばり、開かないようにしていました。


ところが先日、晴れているのに風が強く
「春一番?」と思いながら倉庫に入ると
例の何十年も開けていない扉が
風のせいで「これでもか!」と言うぐらい開いていました。


どんだけ強い風やねん!と思いつつ
初めてその扉の外に出てみました。
そう、私はその扉の外に出たことがなかったのです。
ここで生まれ育ったわけではないですからね。


外はお隣の壁が目前にあり
地面に雑草や落ち葉が散らかっています。
「ふうん、こんなふうになってるのか」
扉を閉めようかと思いながら少し先の地面に目をやると
………?


小枝や落ち葉の合間から何か見えました。
「え?え!え!え!え!」


骨。


ほね~!
猫の白骨~!


はい。
にゃんこの白骨でした。


思わず座り込んで手を合わせました。
なんてこったい…。
かわいそうに…。


子猫の白骨。
Pちゃんの兄弟かもしれない。


Pちゃんを供養して頂いているお寺に電話しました。
猫の骨を見つけたけど、ゴミとして捨てるのはかわいそうで…と話すと
こちらへ持ってきてください、と快くおっしゃっていただけました。
よかった…。



小さな段ボール箱に
花柄の包装紙を敷きました。
本物のお花じゃないけどごめんね、と呟きながら
ビニール手袋をはめて
手を合わせてから
骨を拾いました。


骨はほぼ全部つながっていました。
でも地面の土に張り付いていて、なかなかはずれません。
「折れないでよ~!がんばれにゃんこ!」
びくびくしながらも力を入れてひっぱり
なんとか折らずに箱に入れることができました。


「もう残ってないかな?忘れ物ないかな?」
そう言いながら、土の上の落ち葉をどけて地面をさわりました。
「よくわかんないや。でも、もういい?にゃんこ。お寺に行こうか」
段ボールを持って車に積み、動物供養のお寺へ。


お寺は他にもお葬式の動物がいたらしく
職員さんは忙しそうに動きながらも
私の持っていった段ボールを、うやうやしく受け取ってくださり
「ご苦労様でございました。さ、亡くなった子の位牌にも会ってやってくださいね」
と声をかけてくださいました。
そしてお経を唱えながら段ボールを運んで行かれました。
ほっとしながら、お寺の中にあるPちゃんの位牌のところへ行き
「Pちゃん、Pちゃんの兄弟だよ。よかったね」と手を合わせてきました。


骨の話なんて…と
気分を悪くされた方がいらっしゃったらごめんなさい。


でも
同じ兄弟なのに
1匹は飼い猫としてかわいがられ
もう1匹は、誰にも知られないまま骨になって…というのが
なんともかわいそうで。


にゃんこ、これでよかったかな?
成仏できるかな?


開かないようにしっかり縛り直された扉に向かい
何度もそう問いかけてます。