ROCK & CINEMA DAYS

映画とROCKと猫が大好きです

新井浩文の大阪弁~「血と骨」を観て

2019-04-03 11:34:00 | 映画

Amazonプライムで無料視聴した映画三連発が、百円の恋・クヒオ大佐・血と骨。
偶然だが、どれ観ても新井浩文。どこを切っても金太郎というぐらいに新井浩文だった。
で、特に印象に残ったのが「血と骨」での彼の大阪弁。

関西弁のイントネーションというのは独特である。これは関西で生まれ育った人間しか習得できないといっても過言ではない。
しかも関西人は、関西以外の人間が関西弁をしゃべるのを異常にいやがる。少しでもイントネーションが違うと「キモイわっ!」と拒否反応を起こす。
特に大阪。人情味があるといいつつ排他的な土地柄なのだ。

この映画は戦前から戦後にかけての大阪・朝鮮人街が舞台である。当然、コテコテの大阪弁と朝鮮語がとびかう。
田畑智子・濱田マリ・北村一輝・國村隼・平岩紙などは関西出身なのでもちろん違和感のない大阪弁を使う。対して、たけしや鈴木京香は「あ...」だった。

しかし、この映画の醍醐味はたけしの怪演と鈴木京香の体当たり演技なので、イントネーションの違いなんて誤差の範囲ぐらいにしか感じない。が、驚いたのは新井浩文。

実に大阪弁が巧い。確か青森出身のはずだけど、あの難しい大阪弁のイントネーションを正確に操る。
ナレーションも彼が担当しているが、ネイティブと変わらないしゃべり方である。
「クヒオ大佐」で、ちょろっと英語をしゃべるシーンがあったが、その時も流暢な英語で驚いたものだ。きっと耳がいいのだろう。
美空ひばりが、英語を知らないのに実にきれいな発音で英語の歌を歌うように。タモリがデタラメな外国語をいかにもそれらしく聞こえるような喋り方をするように。
それは天性の才能なので、役者としてはこのうえない武器になるはずだった。それだけに今回の不祥事は非常に残念でならない。

加賀まりこが超ドーリィな映画「月曜日のユカ」

2011-11-01 00:03:00 | 映画
楽天レンタルが無料サービスを実施してくれるおかげで
ここしばらく映画を観ることのなかった私が
立て続けにDVD鑑賞しています。
今回借りたのは
加賀まりこが「和製ブリジッド・バルドー」と呼ばれた時代の作品
「月曜日のユカ」です。


私より上の世代の方々は、加賀まりこといえば
「小悪魔」「コケティッシュ」のイメージでしょうか。
私より少し下の世代だと
「夜のヒットスタジオ」で、ゲストにも言いたい放題言って激怒させていたおばさん、かな。
私の世代だと、どうだろう。
「未婚の母」かしら。


彼女が独身でありながら妊娠を発表、出産宣言した時は
女性週刊誌の記事がしばらく加賀まりこで占められてたような記憶があります。
彼女によって「未婚の母」という言葉が流行語になったんですよ。
当時私は小学生(!)。
でもクラスの女子の間でも話題になってました。
男子はどうだったんだろう?
この時期の男の子と女の子は、精神年齢がかなり開いてますもんね。
今も昔も、女の子はおませです。


そんなお騒がせ女優だった加賀まりこ。
彼女を見たい人にはうってつけの映画です。
ストーリーはあってないようなもん(笑)。
でも監督は「狂った果実」で有名な中平康で
脚本はなんと倉本聡なんですよ!
これには驚きました。


フランスのヌーヴェル・ヴァーグの影響を受けたような
退廃的でありながら洗練さも感じさせる、洒落た映像。
そして、ただただ加賀まりこが可愛らしい。
観てるうちに、石野真子や十朱幸代が被ってきてしかたなかったですが(笑)。
この映画以外では似てないんですけどね。


スチール写真を見たら小泉今日子の影もちらほら。
いろんな顔を持つ女?
さすがは小悪魔ちゃん。


この頃の加賀まりこはお人形のようにかわいかったですが
30代では超美人でした。
小栗康平監督作品「泥の河」に出演していた彼女の美しかったこと!
初めて彼女が登場するシーンでは
映画館内の観客が、文字通り「息をのむ」状態でしたよ。


その当時、日清食品のインスタントラーメン「棒棒鶏(バンバンジィ)」のCMに
「建てもの探訪」でおなじみの渡辺篤志と出演していました。
なんで私が覚えているかと言うと
このインスタントラーメン「棒棒鶏」で
「ボーボードリ」という置き時計が当たるというキャンペーンをやってたからです。


2人がセットの林の中でボーボードリを探している。
渡辺「ボーボードリなんているのかなあ」
加賀「人を信じなさい」
木の枝にボーボードリがとまっていて、「バンバンジィ!」と鳴く。
2人同時に「いたぁ!」


こういうCMでした。
うわ、なんて記憶力なの私(笑)。
その「ボーボードリ」がこちらです。




現在、うちの店に飾っているのだっ。
右目が時針、左目が分針になってます。
毎時0分になると「バンバンジィ」と鳴っていたのですが
もう30年もたっているので、時間は狂いっぱなしだし
関係ない時に「バンバンジィ」と鳴き出すし(何度か連続する時も!)。
さすがにうるさいので電池は抜いてあります。


「月曜日のユカ」に話を戻しましょう。
相手役は中尾彬。
若い人たちには「ネジネジおじさん」として有名ですが
実は2枚目だったんですよ!
この映画でも野生的なイケメンとして登場しています。


私はやはり小学生の時
日本テレビで放映されていたドラマ「大いなる旅路」を観て
中尾彬のかっこよさに一目惚れしましたよ。
今では「かっこよかった」と言っても信じてもらえないことが多いですが
この映画を観ていただいたら納得してもらえると信じておりやす。


どうでもいいことですが
私の名前も「ユカ」なので
映画の中で「ユカ」「ユカ」と呼ばれていると
自分が呼ばれてるみたいで照れますね。
はい、どうでもいいです。


それでは加賀まりこと中尾彬の
ツーショット「過去&現在」をどうぞ。







今さらながら「カッコーの巣の上で」を観た

2011-10-25 21:34:00 | 映画



前回のブログに書いた「ヒポクラテスたち」と同じく
楽天レンタルの期間限定無料で借りました。


この映画は私が高校生の時に公開され
その年のアカデミー賞を総ナメにした
あまりにも有名な作品です。
なのに今まで一度も観たことがありませんでした。
生きているうちに一度は観とかなあかんやろ~と
常々思っていたので、いい機会でした。

観る前の予備知識といえば
精神病院が舞台であり
精神病を装ったジャック・ニコルソン扮する主人公が入院、
婦長とことごとく対立する…ぐらいでした。
展開もラストもあえて知らないようにしてたわけです。
なんとなく重い内容だろうとは予想してましたが。


ああ、やはり重い映画でした。
でも
どどどっーっと疲れる重さではありません。
「映画を観たぞっ!」という重厚感と表現すればいいでしょうか。
非常によくできた作品だと思いました。
アカデミー賞総ナメも納得、っつーか
「これが賞をとらなオカシイやろ」
的な映画でした。


観る前は
「患者を管理されたシステムに押し込む婦長 vs 患者に自由を勝ち取らせようとする主人公」
の構図を想像してたんですが
見事に裏切られました。


このふたりをどう思うかは
観客ひとりひとりに委ねられているんですね。
決して「わるもん」と「ええもん」の二分割ではないんです。
水戸黄門じゃないんですよ。


婦長はあくまでクールですが
それは婦長としての任務をまっとうしているからだと受け取れます。
ただ、そのベクトルが少しずれていたんでしょう。
患者の意志や自由をコントロールして
平穏な病棟を保つことが善だと信じる彼女にとって
マクマーフィは「悪」以外の何者でもありません。


マクマーフィは刑務所での労働からエスケープしたいがために
精神病を装って入院してきた、「おっさんの不良」です。
労働しなくてラッキー、と思ったのもつかの間
退屈な空間の中で生活している患者たちや
何の薬か尋ねても「そんなこと聞かずに飲んでりゃいいんだ」的な病院の態度に耐えきれず
「ルールは破るためにある」と言わんばかりに
ことごとく婦長に反抗するようになります。
その反抗たるや
まるで中学2年生のようです。


しかし
彼が掟破りの遊びを実行したおかげで
患者たちは生き生きとしていきます。
船に乗り込んで釣りをする場面
職員たちとバスケットボールをする場面
見られないワールドシリーズをマクマーフィが実況する場面
そしてあのクリスマスパーティ。
婦長主催の何の治療にもなってないグループセラピーより
どれだけ患者の回復に功を奏したことでしょう。


私が疑問に感じているのは
病院側がマクマーフィを仮病だと判断し
刑務所へ送還しようと話し合った時
婦長が「刑務所へ責任転嫁することになる。彼をここで矯正するのが私たちの役目だ」と反対したことです。
彼女の意図は何だったのか?
発言通り、婦長としての使命感からマクマーフィを入院させておこうとしたのか
あるいは、個人的な憎しみから彼を痛めつけるつもりだったのか
そこのところは
「観客のご想像にお任せします」
なんでしょうか。


冷静な彼女が取り乱し、人間らしい言動をとったのは
皮肉にもビリーを自殺へ追い込むシーンでした。
ビリーは自殺しましたが、彼女が殺したも同然です。
あれはひどい。あんまりだ。
母親が原因で発症したビリーに、母親のことを持ち出すとは。
おまえ死ぬしかないよ、と言ってるようなもんですね。


ラストは何というか、切ないですね。
そ、それでええんかい!と語りかけてしまうような。
観てない方にオチを言ってしまってはいけないので多くは書きませんが
それってアリかいな…と考え込んでしまいました。


とまあ、内容もさることながら
出演者たちの演技力の凄いこと!
ジャック・ニコルソンはもちろん
婦長役のルイーズ・フレッチャーが圧巻です。
特にマクマーフィに首を絞められている時の表情は
鳥肌が立つほど凄かったです。
患者を演じた脇の俳優たちも素晴らしかった。
「金ピカでまぶしい映画」とでも表現しましょうか。


で、結局
チーフが主役ってことでOK?


映画「ヒポクラテスたち」を30年ぶりに観た

2011-10-22 17:59:00 | 映画
医大生の青春と葛藤を描いた日本映画の名作「ヒポクラテスたち」。
楽天レンタルが期間限定で旧作無料だったので借りてみました。
この映画が公開された1980年は
私もリアルに大学生だったので
映画館で観ることができました。


この年の日本映画は元気でした。
「ヒポクラテスたち」にも出演していた、鈴木清順監督の「ツィゴイネルワイゼン」。
いまやソフトバンクのお母さん、樋口可南子が若く美しい「戒厳令の夜」。
伝説の俳優・松田優作と小林麻美が出演「野獣死すべし」。
松坂慶子の美人度最高潮「わるいやつら」「五番町夕霧楼」。
カドカワのお金の掛け方がハンパなかった「復活の日」。
海は死~にま~すか~の「二百三高地」。
そして忘れちゃいけない
世界のクロサワの「影武者」もこの年公開でした。


30年の時を経て観てみた「ヒポクラテスたち」。
当然ですが、まずキャストの若さに驚かされます。
一緒に観ていた次男(19歳)は
内藤剛志・阿藤快・斉藤洋介があまりにも若すぎてまったくわからなかったそうです。
確かに!
内藤剛志なんかロン毛のカーリーヘアだし
阿藤快は役柄のせいもあって、松岡修造のように見えます。


でも柄本明は見た瞬間わかったそうですよ(笑)。変わらない人なのよね。


最終学年の医大生たちが
大学病院で実習を通して医療の現実を体験していきます。
正義感に燃える学生もいれば
自信喪失していく学生もいます。
大学の寮では
国家権力と医療について、激論する学生たちがいます。
医大では、二浪三浪は当たり前。四浪五浪も珍しくないので
学生と言えど年齢は様々です。
そんな中で現役合格した1年生などは、「少年」の言葉がぴったりくる幼さです。


主人公もかつては
様々な医療問題について抗議運動に加わった過去があります。
でも最終学年の今は
ただ実習をこなして試験を受け、卒業に向かう普通の学生です。
しかし自分自身について、漠然とした疑問と不安を持ち続けています。
その不安感は、恋人が悪徳病院の堕胎手術で不妊になってしまったことにより頂点に達し
やがて精神に異常をきたしていきます。


ストーリーだけだと重く深刻な映画のようですが
軽いタッチで描いているので
笑いあり、ホロっとくるところありの楽しい作品です。
なんと手塚治虫が医師役で出演していたり
原田芳雄も説教の多い執刀医役で登場します。
北山修がCT技師役でフォーク・クルセダースについて熱弁を振るうシーンは
今見ても笑えます。


端々に織り込んでいる実験映画的な手法は
当時の若手監督や学生の自主制作映画で流行していたやり方です。
30年たった今あらためて観てみると
なつかしいと同時に新鮮な感じを受けます。
このころ、学生の自主制作と言えば8ミリでした。
ビデオカメラなんてとても買える代物じゃなかったし。
価格が現代とは2ケタぐらい違ってたと思います。
素人でもきれいな映像が撮れるようになった今
8ミリの粗い映像は却って印象的です。


この映画が公開当時話題になったのは
解散・引退したキャンディーズのランちゃんの
復帰第一作だったということもあります。
ランちゃんの役どころは重要でした。
主人公と同じグループで実習する女子学生。
ずっと優等生で過ごしてきて
勉強ができたから、成績がよかったからという理由だけで医大を受験して合格。
だけど医者になりたかったわけじゃない。
単位もとれて、実習が終われば国家試験。
でも自分は医者になる資格があるのか?
実習していくうちに、彼女は自問自答を繰り返し
すべてを放棄してしまいます。


次男は映画を観ながら
「喫煙者多すぎじゃね?」と言いました。
あ、ほんとだ。
登場人物全員たばこ吸ってます。
そうだね。今じゃほとんど見ない光景だわ。


30年前の京都の学生たち。
寮の様子も飲み屋の雰囲気も
私がリアルに思い出せることばかりです。
そういえば
大学で同級生だった男子が
この映画の撮影現場を見に行ったそうで
出演していた新人女優(妊娠中絶したいと来院した女子高生役)と
一緒に写真を撮らせてもらったと言ってました。
その彼も
今では大手新聞社でコラムを執筆する論説委員です。
時の流れを感じます。





これは公開当時のパンフレットです。
映画のパンフレットというか、ATGの機関誌なんですけど
パンフとして売られていました。
中には映画の台本がまるまる載っています。
表紙の真ん中に載っているのがランちゃん。
その右下が手塚治虫
左下が斉藤洋介
一番下の右端が内藤剛志です。


夫は試写会でこの映画を観たそうです。
「京一会館」という、当時の映画マニアの聖地で。
舞台挨拶に来ていた内藤剛志が
背が高く、存在感があって
すごくかっこよかったそうですよ。


ところでその夫ですが
私が観ているうしろから覗き込んで
「おっ、『ヒポクラテスたち』かぁ。なつかしい。ランちゃんかわいかったなあ」としゃべり出しました。
そこまではいいのですが


「そういや古尾谷雅人って最近映画に出ないなあ」


・・・・・・・・・・・il||li 〇| ̄|_ il||li・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

マジで言ってんだよねこれが…



映画「おとうと」

2011-05-10 15:39:00 | 映画
映画について何の前知識もなく観ました。
日曜の地上波で山田洋次監督作品「おとうと」。


恥ずかしながら、私は山田監督の「寅さんシリーズ」を観たことがないのです。
この世代としてはおそらく少数派でしょうね。
でもテレビドラマの「泣いてたまるか」は大好きでした。
当時は小学生だったんですが、あの哀愁を帯びた主題歌と
なんだか切ないストーリーに引き込まれて
毎週日曜日の夜8時からのオンエアを楽しみにしていました。


さて、「おとうと」。
鶴瓶、素晴らしいですね。
坂田三吉の物語を延々としゃべり出して小春の結婚披露宴をぶちこわすシーン。
ああ、さすが本業は落語家なんだよな、と思わせるあの語り口。
あの暴れっぷりも、素でやってるんじゃないの?とニヤニヤしながら見入ってました。


蛇足ですが、SMAPの中居くんがカメオ出演してたシーンでは
思わず「世界仰天ニュースかっ!」と呟いてしまいました。。。


ストーリーはもうご存じでしょうけれど
町の薬局を女手ひとつで経営している「お姉ちゃん」と
大阪で何をしてるかわからない(自称「大衆劇の役者」と「たこ焼き屋」)
あかんたれの「おとうと」。
子供の頃からお姉ちゃんがおとうとの尻ぬぐいをし続けています。
お姉ちゃんはいつもおとうとのことを心配して
おとうとはいつまでたってもお姉ちゃんに甘えっぱなし。


吉永小百合演じる「お姉ちゃん」は
おとうとがどんなに迷惑をかけても激高せず
静かな口調で諭し
おとうとを責める実兄や娘には、盾になって庇います。
姉と言うよりは母親のようです。


甘やかして育てたからこんな人間になってしまったんだ、と
兄(小林稔持)はお姉ちゃんに怒りをぶつけます。
この兄についての詳細は明らかにされていませんが
お姉ちゃんの娘がエリート医師と結婚する際に
いろいろ骨を折ってくれたというお姉ちゃんの言葉から
医療関係者なんだなと推測されます。
そしてお姉ちゃんは薬剤師。
と言うことは、年齢から考えて
2人ともエリートコースを歩んできたんだということがわかります。


そこから、お姉ちゃんの亡夫の言葉
「君たちふたりは、彼を踏み台にしてきたように思える。
 たまには彼に花を持たせてあげようじゃないか」と
おとうとを娘の名付け親にさせた意味につながります。


そんな仏様のようなお姉ちゃんですが
おとうとが借金を肩代わりさせた同棲相手の女性のことを
「あいつは頭弱いねん、アホやねん」と罵倒した時は
激高してひっぱたきます。
お姉ちゃんに叩かれたのは初めてだったのかもしれませんね。
おとうとも逆ギレして出て行きます。


昔のホームドラマを再現したストーリーかと思いきや
終盤は通天閣界隈のホスピスに舞台が移り
ターミナルケアについても観客に考えさせる構成になっています。


お姉ちゃんの娘はエリート医師と結婚しますが、ほどなく離婚します。
離婚前、お姉ちゃんが娘の夫と話し合いの場を持ちますが
夫は感情のかけらもない無機質な人間として描かれています。
娘と面と向かって話してくれ、と頼まれると
「面と向かって話すってどういうことですか?
 せめて質問を箇条書きにしてくれたら、ひとつひとつ答えられるんですけど」
と答えるぐらい冷淡です。
それと対比させるように、西成のホスピスの医師を登場させています。


大病院の冷淡なエリート医師と
西成の個人経営のホスピスで儲けもなく働く人々。
やっぱ山田洋次監督はこの対比を描きたかったんでしょうかね。


出演者、みんなよかったですよ。
特に鶴瓶は秀逸でした。
吉永小百合の大阪弁はびっくりした!
私ら大阪出身者は、大阪弁にうるさいんですよ。
関西以外の人が大阪弁をしゃべると、アクセントが違うのですぐわかるんです。
で、大阪人は
「なにこの大阪弁!気色悪う~。背中こそばなる~!」
と嫌悪感を抱くのですが
吉永小百合の大阪弁は、よく研究されたなという感じで、心の中で拍手しました。
小林稔持の大阪弁はうまいなあと思ってたら、関西出身なんですね。


ホスピスの入居者役で、青空あきおが出てるやん、と思ったら
今は「横山あきお」という名前なんですね。
歳がバレバレです。


いい映画でした。
でも気になったことがあります。
お姉ちゃんが大阪のおとうとに会いに行く時に乗ってた新幹線。
あれって、東海道新幹線の車両じゃないんでは…?
ひょっとして東北新幹線?
シートの色が…。


あと、
ガンで絶命寸前の患者って、あんなに意識あるのか?
私も父親と祖母をガンで亡くしましたが
まったく意識なくて、ただ呼吸の荒さはすごかったです。
見てるだけで息苦しかったですが
医師が言うには「辛そうに見えますが、本人はそんなに苦しくないんです」とのことでした。
まあ、ガンでもいろんな最期があるのかもしれません。


姑役の加藤治子、いい味出してましたね。
「いい歳して、お姉ちゃんお姉ちゃんって、バカみたい」。
wwwww