ROCK & CINEMA DAYS

映画とROCKと猫が大好きです

さよなら・にゃんこ

2011-11-19 10:08:00 | 
きのうの朝
店を開けてすぐに
1本の電話が入りました。


「お酒屋さんですか?」
はい、酒屋ですが…。


電話の主は
隣の県にある
某施設の職員さんでした。


「実はうちの職員がけさ9時前頃
車でそちらの前を通りがかった時に
猫をひっかけたらしいんです」


一瞬、心臓が凍りついたように感じました。


「お宅様の猫でしょうか。大変申し訳ないことをいたしました」
…いえ、うちは猫を飼っておりません…。
すぐ近くの○○というお店が猫を飼ってらっしゃるようなので
そちらの猫だと思います…。
「そうですか。では○○さんの方へ電話いたします。ありがとうございました」


電話を切った私は
「○○シスターズが死んだ…」
といたたまれない気持ちになりました。


私の店のすぐ近くに
「○○」というお店があります。
そのお店の裏手に
野良の子猫が2匹住みついていました。
最初は5匹いたのですが
ここ最近はいつも2匹だけ姿を見せていました。


2匹は見た目がそっくりでした。
キジ白のきょうだい。
「キジ白」というのは、白い部分が多いトラ猫のことです。





こういう毛色の猫を「キジ白」と言います。
ちなみにこの写真の猫は
大昔、私の実家で飼っていた猫です。


2匹はとても目が大きい美形でした。
オスかメスかもわかりませんが
私は勝手に女の子だと決めつけて
お店の名前をもじり
「○○シスターズ」と呼んでいました。


1匹はとても警戒心が強くて
人が近づくと逃げていましたが
もう1匹はとても人懐こく
「チッチッチッ」と呼べば
足もとに走り寄ってきて
体をすりつけ、のどをゴロゴロ鳴らす
本当にかわいい子猫でした。


夜、店を閉めてから
時々、子猫たちを見に行きました。
○○さんのお店の横に座っていることもあれば
別のお店の駐車場の隅で重なって暖をとっていることも。
姿を見つけると、しばらく遊んでもらう私でした。


だんだん寒くなってきて
特に夜は冷え込むようになりました。
毛布や段ボールでも与えてやりたいけれど
勝手によその敷地に置くわけにいかず
うちでは飼うことはできないし…。


さて
ここ数日は
なかなか猫たちに会いに行くこともできませんでした。


シスターズ、元気かなあ。
車にひかれなきゃいいけどなあ。


冒頭の電話がかかってくる前日
車で近くを走っていたら
シスターズがいつもの場所に
たたずんでいました。


かわいい子猫が2匹
ちょこんと置物のように並んでいる姿は
かわいらしくもあり、悲しくもありました。


そして翌日。
まだ店を開ける前
なぜかセンサーチャイムが鳴りました。


お客さんが店に入ってくると鳴るチャイムです。
まだ鍵は閉まっているから誰も入られないのに
なんで鳴ったんだろう?
光線がどうかなったのかな。


そして電話。
「9時前にそちらの前を…」。
まさにその時間でした。
チャイムが鳴ったのは。


不思議な偶然でした。


私は電話を切ってから
○○さんのところへ行って猫のことを聞きました。



お店の前で車にひかれていたそうです。


私、お寺に連れて行きますから
どうか遺体をひきとらせてください。
そう頼むと、○○さんは
悪いね、とおっしゃいながら
猫が入った段ボール箱をくださいました。


家に帰って
段ボールをあけると
変わり果てた姿のシスター。
顔の判別がつきませんでした。


なんでやの。
なんでひかれちゃったの。
にゃんこ。
なんで。
なんで。


手を合わせました。


動物のお寺に連絡してから連れて行き
供養をお願いしました。


帰宅してしばらくすると
電話をくださった職員さんたちが
お詫びに来てくださいました。


いえ、私の飼い猫じゃないですからお詫びなんて…と言ったのですが
「○○さんのところへ行ったら、あなたが可愛がってたからあなたのところへ行ってください、と言われまして」
とおっしゃいました。


遠いところから丁寧にお詫びに来られた職員さん。
猫をひいても知らん顔して行ってしまう人がほとんどなのに
ましてや、野良猫だと聞いてらっしゃったのに
わざわざお越しくださった方。


すばらしい方です。


私はお詫びされるような立場ではないので
恐縮しながらも
「来てくださってありがとうございます」
心の中でつぶやきました。


シスターの生前の写真が1枚だけあります。
でも、カメラを向けると警戒して逃げるかもしれないので
離れたところから望遠
フラッシュも焚けなかったので全然顔がわかりませんが
生きていた証です。





さよなら にゃんこ。

加賀まりこが超ドーリィな映画「月曜日のユカ」

2011-11-01 00:03:00 | 映画
楽天レンタルが無料サービスを実施してくれるおかげで
ここしばらく映画を観ることのなかった私が
立て続けにDVD鑑賞しています。
今回借りたのは
加賀まりこが「和製ブリジッド・バルドー」と呼ばれた時代の作品
「月曜日のユカ」です。


私より上の世代の方々は、加賀まりこといえば
「小悪魔」「コケティッシュ」のイメージでしょうか。
私より少し下の世代だと
「夜のヒットスタジオ」で、ゲストにも言いたい放題言って激怒させていたおばさん、かな。
私の世代だと、どうだろう。
「未婚の母」かしら。


彼女が独身でありながら妊娠を発表、出産宣言した時は
女性週刊誌の記事がしばらく加賀まりこで占められてたような記憶があります。
彼女によって「未婚の母」という言葉が流行語になったんですよ。
当時私は小学生(!)。
でもクラスの女子の間でも話題になってました。
男子はどうだったんだろう?
この時期の男の子と女の子は、精神年齢がかなり開いてますもんね。
今も昔も、女の子はおませです。


そんなお騒がせ女優だった加賀まりこ。
彼女を見たい人にはうってつけの映画です。
ストーリーはあってないようなもん(笑)。
でも監督は「狂った果実」で有名な中平康で
脚本はなんと倉本聡なんですよ!
これには驚きました。


フランスのヌーヴェル・ヴァーグの影響を受けたような
退廃的でありながら洗練さも感じさせる、洒落た映像。
そして、ただただ加賀まりこが可愛らしい。
観てるうちに、石野真子や十朱幸代が被ってきてしかたなかったですが(笑)。
この映画以外では似てないんですけどね。


スチール写真を見たら小泉今日子の影もちらほら。
いろんな顔を持つ女?
さすがは小悪魔ちゃん。


この頃の加賀まりこはお人形のようにかわいかったですが
30代では超美人でした。
小栗康平監督作品「泥の河」に出演していた彼女の美しかったこと!
初めて彼女が登場するシーンでは
映画館内の観客が、文字通り「息をのむ」状態でしたよ。


その当時、日清食品のインスタントラーメン「棒棒鶏(バンバンジィ)」のCMに
「建てもの探訪」でおなじみの渡辺篤志と出演していました。
なんで私が覚えているかと言うと
このインスタントラーメン「棒棒鶏」で
「ボーボードリ」という置き時計が当たるというキャンペーンをやってたからです。


2人がセットの林の中でボーボードリを探している。
渡辺「ボーボードリなんているのかなあ」
加賀「人を信じなさい」
木の枝にボーボードリがとまっていて、「バンバンジィ!」と鳴く。
2人同時に「いたぁ!」


こういうCMでした。
うわ、なんて記憶力なの私(笑)。
その「ボーボードリ」がこちらです。




現在、うちの店に飾っているのだっ。
右目が時針、左目が分針になってます。
毎時0分になると「バンバンジィ」と鳴っていたのですが
もう30年もたっているので、時間は狂いっぱなしだし
関係ない時に「バンバンジィ」と鳴き出すし(何度か連続する時も!)。
さすがにうるさいので電池は抜いてあります。


「月曜日のユカ」に話を戻しましょう。
相手役は中尾彬。
若い人たちには「ネジネジおじさん」として有名ですが
実は2枚目だったんですよ!
この映画でも野生的なイケメンとして登場しています。


私はやはり小学生の時
日本テレビで放映されていたドラマ「大いなる旅路」を観て
中尾彬のかっこよさに一目惚れしましたよ。
今では「かっこよかった」と言っても信じてもらえないことが多いですが
この映画を観ていただいたら納得してもらえると信じておりやす。


どうでもいいことですが
私の名前も「ユカ」なので
映画の中で「ユカ」「ユカ」と呼ばれていると
自分が呼ばれてるみたいで照れますね。
はい、どうでもいいです。


それでは加賀まりこと中尾彬の
ツーショット「過去&現在」をどうぞ。