鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

色々あらァな(南天に赤と白の実?)

2021-11-23 21:33:55 | 日記
「色々あらァな」という捨て台詞で一世を風靡した「東京ぼん太」という芸人がいた。あのキャッチフレーズを今風に表現すると「人間は多様性があって当たり前なんだヨ」ということになろうか。

我が家の庭の西北に高さ1メートル半くらいの南天が植わっている。

西風の強く当たる場所なのだが、健気というか「ぼっけもん」(一本気な強情者)というか、柳に風と受け流してまっすぐに生い立っている。

「これが南天の生きる道」と、もしこの南天が真情を吐露したら、間違いなくそう言うに違いない。

それほど厳しい環境でも健気に生い立っているのを見ると、いい歳ながら励まされる。

この南天に異変が起きている。というのは同じ株なのに赤い実と白い実を同時に付けていることだ。

この南天は基本は赤い実なのだが、後から叢生して来た二本の株に白い実がなっている。

何年か前に確か植木市で求めたものだと思うのだが、ほぼ植えっぱなしで過ごして来た。

ウイキペディアによると、南天の本来の実は赤で、のちに白南天が生まれたらしい。

しかし同じ叢生仲間の株に赤と白とがあるのは解せない。

一株だと思っていたのだが、白南天の苗が紛れ込んでいたのか、それともいわゆる「アルビノ」だろうか。

アルビノとは一言でいえば「色素がない」ことで、皮膚に内包しているメラニン色素をどういうわけか持たないので、人間であれば肌の色は真っ白である。また髪の毛については同じように黒であれ、金髪であれ、これも真っ白になる。カラスや蛇でもアルビノが存在する。

だが、植物にアルビノはないはずだ。例外として「斑入りの葉」というのがあるが、あれは葉緑素がまだらに抜けたもので、葉っぱ全体が白いというのは有り得ない。光合成ができなくて枯れてしまう。


玄関に近い花壇の中の南天は西北のより一回り大きいが、こちらの実はすべて赤い。今年はいつもより多目に身を付けた。

南天には葉にも実にも毒があると聞いている。そのせいか鳥や昆虫の食害はないようだ。

南天が「難転」との語呂合わせで「難を転じる」と解釈され、縁起物として取り扱われているが、この食害が無いことがひとつの理由だろう。

また、一株一株は細身でありながら根元から分株して叢生するため、まるで家族のように寄り添い合い、雨風を凌いでいるように見えるのも縁起物たるゆえんに違いない。