鴨着く島

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帰省と感染増

2022-08-19 22:27:25 | 日本の時事風景
鹿児島県ではお盆が終わり、帰省子が都会に帰ってから急激に新型コロナ感染者が増えている。

予想されたことだが、昨年・一昨年と帰省をためらっていた都会からの家族連れが一気に増えたことがその原因に違いない。

お盆前の10日に過去最高の3988人だったのだが、お盆明けの17日は4000人をあっさり超えて4624人となり、翌18日は4948人、そして今日は速報値で4600人と3日連続で4000人台後半の高い感染者数を記録した。

全国的にも今日は感染者数が26万人を超え、過去最大になったという。また1日当たりの感染者数で、日本は世界的にもトップクラスになっている。

9時のNHKニュースでは各都道府県の数値を報道したが、大都市圏(首都圏・関西圏・中京圏)ではかなり感染者数を減らしているのに、九州・四国・中部・東北・北海道では過去最高の感染者数になっている。

やはり都会からの帰省子による感染が顕著に起きたのだ。

重症化率や死亡率はほとんど変わらないが、このオミクロン株BAー5型の素早い感染が全体の実数を押し上げ、重傷者と死亡者の絶対数は決して楽観視できない大きさである。

政府はそれでも国民に行動制限を訴えるつもりはないようで、2年前の腫物を触るような行動制限とは雲泥の差だ。もはや新型コロナ感染症は季節性のインフルエンザ並みになったというのだろうか。やがて獲得するであろう「集団免疫」を頼みにしているようにも見える。

国内の行動制限はかなりフリーになったのだが、その一方で海外からの訪問者には厳しい制限を課している。

入国前の抗原検査による陰性証明書が義務付けられ、旅行の場合、団体旅行でないと認められない。ところが国によって開きはあるが、多くの国では個人旅行が主役なのである。

日本では子どもの時代からまず学校単位、あるいは学年単位で行われる団体旅行が一般で、その傾向は高校時代にもあり、就職してからは職場で「慰安旅行」という名目で、これまた集団旅行が津々浦々で行われている。

そういう日本人であるから、海外旅行も集団でというのが圧倒的に多い。

とにかく集団で行動することに違和感を感じないのが日本人の属性で、それは今しがた触れた学校における団体旅行をはじめ、運動会とか学芸会などで培われた面が大きい。

そもそもお盆という行事があり、お盆には御先祖様と交流できるから実家に帰って墓参りをするという集団行動も日本人ならではだろう。学校は夏休みでもあり、一家そろって故郷に帰省するにはちょうどよかったのだ。

かくて都会から新型コロナウイルスが大量に持ち込まれることになる。

私は実はもっと極端に感染が増加するだろうと予測していたのだが、そこはやはり日本人の律儀な、というか人の目を気にする集団的属性によってマスク・消毒・手洗い等の感染対策がきちんと守られていたため、最少の感染増加で済んだと言うべきだろう。

8月末の夏休みの終了に向けて次第に減少に転じると思われるが、明けてから学校の集団生活に復帰したあとの感染がどうなるか、は注目に値する。