鴨着く島

大隅の風土と歴史を紹介していきます

処暑の花火

2022-08-25 20:34:39 | おおすみの風景
暦の上で8月23日は「処暑」で、夏の暑さもようやく和らぎ、季節は秋へと歩み出す頃である。夜、庭に出てみると草むらから秋の到来を告げるコオロギの鳴き声があちこちから聞こえてくる。

日中の主役のセミも、もうクマゼミのあのシュワシュワという大音量は全く消え去り、時たまツクツクボウシが声を振り絞っているが、それもすっかり間遠になった。

今年の夏は台風に見放された珍しい夏だった。例年なら今頃までに3つか4つは西日本のどこかに上陸して被害をもたらすのだが、今年はまるで嘘のようにやって来ないままである。いったいどうしたのだろう。

これも異常気象と言うなら、有難い有難い異常気象だ。

鹿児島県では旧盆のあと、新型コロナウイルス感染のピークを迎え、今も新規感染者が4600人とか多い状態が続いている。ただ当地鹿屋市ではお盆明けの5日間くらいは300人台の後半が続いたが、ここへ来て200人台に落ち着いてきている。

それでも孫の通っている保育施設では休園措置が取られており、子どものいる家庭では親子ともども感染している例もあって、なかなか大変である。


24日の夜は、我が家から直線距離で3~400mにあるハンセン氏病療養施設の星塚敬愛園で花火大会が実施され、娘一家がやって来て見物をした。

庭の南東の隅にかつてプレハブの倉庫が立っていた跡のコンクリートの床がそのまま残っていて、車の駐車場として使っているのだが、そこに椅子とベンチを持ち出して観覧席にした。

午後7時半に予告通り打ち上げが始まった。


最初の500連発と思われる。いやでも花火大会を盛り上げる。


今年の大輪花火はこの手のものが多い。真ん中の流れ花火は普通はそれだけで打ち出されるのだが、大輪とセットになっている。

そのほか、珍しかったのが大輪の半分が別の色になっていたり、中には大輪の向かって左から右へまるでサーチライトがぐるりと回って輝くようなのがあったりした。花火業界も工夫を重ねているのだろう。

星塚敬愛園では例年7月下旬か8月上旬に夏祭りがあり、たいてい夕方明るいうちに1時間余りの歌謡ショーがあり、そのあと暗くなってから花火の打ち上げがある。

歌謡ショーに招かれるのは結構大物歌手が多い。コロナ禍の昨年、一昨年と歌謡ショーは中止になったが、それまで見に行った中で、記憶に残るのが瀬川瑛子、福田こうへい、田川寿美、大川栄策、中村美津子などベテランから若手までよく知られた歌手ばかりであった。

我家からは歩いて10分ほどと近いので、いつも園内で売られている生ビールを片手に聴く歌謡ショーは夏の「マイ風物詩」なのだ。

しかし今回を含めて3回、残念ながら歌謡ショーは中止になった。来年こそは楽しい夏の夜のひと時が味わえるものと期待している。