昨日のつづきです。
いよいよ、「コウノトリの郷公園」へ。行く途中の田圃や川べりにコウノトリがいるかもと、キョロキョロしながら、誰かが白いものを見つけては、「あ、あれかも!」と騒ぐ。(笑)
今日はどうも雨のせいか、野外ではどこにもコウノトリは見当たりません。
かつて日本の至る所で見られた鳥ですが、農薬の使用などで餌がなくなり、湿地の減少など生育環境悪化で、その数を減らし、昭和46年には日本の空のどこにも見かけられなくなりました。
コウノトリの最後の生息地であったここ豊岡で 、野生個体を捕獲して人工飼育が始まり、平成元年に待望のヒナ誕生。
平成17年からは自然放鳥がなされ、野外でも43年ぶりにヒナが誕生する。
一度は絶滅した種を飼育下で保護・増殖させ、元の生息地に帰す取組みは世界でも稀な例として注目され、2012年、この円山川下流域一帯が「ラムサール条約湿地」に登録されたということでした。
このコウノトリを野生に帰すための拠点として、兵庫県立大学の研究部門が置かれているのがここ「コウノトリの郷公園」なのです。入館料無料ですが、環境協力金にワンコインを入れると、コウノトリの折紙をくれました。(下の写真)
ここで見られるのは、屋根のないケージ内の飼育コウノトリですが、あ~いました!いましたよ‼
1羽2羽3羽…8羽です。 もう感激、感激。なんと美しい姿でしょう…鶴にも感動したけど、やっぱり鳥たちを見るとこころが癒やされますね。いくら見ていても飽きません。(右端は青鷺)
なんと青鷺や白鷺もちゃっかりと来ていましたよ。ここには餌があるからだそうですが。
研究員の方がいろいろと説明してくれました。翼を広げると2メートルはあるということ。重さは6キロ。
コウノトリは、ヒナの時は甘えて声を出すが成鳥になると声を出さない。ただ、求愛や威嚇,仲間とのコミュニケーションのときは、嘴を〝カチカチッ〟と打ち鳴らす、「クラッタリング」をするのだと。
その音を聞かせて貰いました。
「鶴の一声」はあっても「コウノトリの一声」はないということ! ちなみに漢字で書くと「鸛」。
餌は今泥鰌が手に入らないので冷凍の小鯵だそうな。食べている様子がよく見えました。
雨が降っても何のその…、時間を忘れて見ていましたが、でも寒かったあ~
ああ、そうそう、望遠鏡で外の営巣しているところを覗くことができますよ。
次の目的地がありますので、後ろ髪を引かれながらも公園を後にしました。
途中で「あ、コウノトリ!」と指さしても、もう今度は誰も騙されません。
「あんなに小さくないわよね~」と言って。
まさに「百聞は一見に如かず」です。
今から行く所も、一見の価値ありとガイドブックにありましたが、本当にその通りでしたよ。
ちょっと道を間違い、宿の時間もあるし、お腹もすいたし、雨もまだ降っていて寒いし…
「もう寄らずに宿へ直行しようか?」と、運転手の旦那が言う。
「ダメ、ダメ。せっかくここまで来たんだし…次はもうないかも。」と、私。
やっと「玄武洞」にたどり着く。しかし、工事中で駐車場や入口が分りにくい。
工事の人に尋ねて、階段を上る。雨も止まずもうすぐ5時になろうかというので、うす暗い。
私は調べているので何となく想像ができるが、他の人たちは本当なの?と気乗りしない様子。
しかし、突然目の前に広がった景観に……みんな「うわ~すごぉ~い!」というだけ…他の言葉が出ない。
「ほら、来て良かったでしょう。」と鬼の首でも取ったように言う私。(鼻もちならん奴ダ~)
約160万年前の溶岩の冷却でできた柱状の割れ目の美しい玄武岩の大露頭、それが「玄武洞」です。
江戸時代から採石場として利用されていたのが、その地質的な価値と自然の作り出した節理の美しさや学術的な重要さから、昭和6年に玄武洞と青龍洞が国の天然記念物に指定されました。
そのあまりの素晴らしさに、私たちは残りの「青龍洞」「白虎洞」、南北の「朱雀洞」も見たいと、時間も足の痛いのも忘れて行きました。いやあ~人の言うことはやっぱり聞くもんですね。
ところで、「玄武」「青龍」「白虎」「朱雀」は、天の四方(東西南北)を司る四神、江戸時代の儒学者が命名と。
雨もそろそろ小やみになって、鶯はじめいろいろな鳥の声や姿が…とっても素敵な充実した時間でした。
少し遅れますと宿に電話すると、「玄武洞からならもう10分はかかりませんよ。」とのこと。
さあ、念願の城崎温泉のお宿へ。今日のところはここまで、つづきはまたね。