ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

水難の句会

2017年04月28日 | 俳句

 4月25日(火) 恩田俳句教室の巻

今年度は新しく2名が参加され、1名休会の、11名でスタート。

私の俳句教室はそもそも初心者を対象にしたものなので、〝入門〟という言葉が付いています。

だから、入会される方は殆どが始めてなのですが、ある程度テレビや本などで予備知識を持って

来られますので、呑み込みも早いです。一応添削教室という形でやっていますし、

句会にしろ吟行にしろ10名前後がベストメンバーですね。

さて挨拶が済んで、「では、今日の…」と言う間もなく、私はお茶を零してしまいました。

それも熱~いお茶!まだたっぷり入っていたのを、胸から膝へ…もちろん机のプリントにも。

もう、後の祭りです。ちょっとした油断が…ウ~ン大事な(?)胸がやけどしたかも…でも熱かったぁ~

「先生、災難続きで…水難の相があるんでは?」と。

そう、みんなブログ読んでくれているんですよ、アリガタイ。

そうこうするうちに今度は、みなさんの添削句稿を忘れて来ていることに気付き…

もう〝踏んだり蹴ったり〟です。先日の〝三隣亡〟ならぬ〝泣きっ面に蜂〟〝弱り目に祟り目〟…

今考えたらいろいろありましたね。後から思い付くなんて…まあ何でもそんなもんですね、俳句も。

今日の兼題は「雲雀

日本各地の麦畑や草原など、どこででも見かけて春を代表する小鳥。特に空高く舞い上がって囀るので、

それを「揚雲雀」、上り詰めると今度は一直線に落下するので、「落雲雀」。

では今日の傑作を!  〈紺碧に羽いそがしく揚雲雀

新人さんの句ですが、季語は一つ、575の定型という基本ももうバッチリ!言うことなしです。

そこで「この雲雀どうして忙しいのですか?」と聞くと、「そう見えたから…」そりゃそうでしょうね。

見たものを見たまま詠みなさいよ、なんて教えてるんだから。じゃこれでよしと…

でもせっかくここまで勉強に来て、手ぶらでは帰れませんよね。どうしましょうか?

この句は「いそがしく」に作者の独自の目があるのですから、やはりそこを生かしてあげなくては…

そこで助け船が出ましたよ。「先生、雲雀には何か聞きなしがありましたよ」と。何々?

聞きなしとは、鳥のさえずりなどの節回しを、それに似た言葉で置き換えること。

例えば、フクロウの「ぼろ着て奉公」とかホトトギスの「特許許可局」などのたぐい。

では雲雀はというと、私は囀りの「ピーチュル」しか知らなかったのですが、教えてくれました。

「リートル・リートル・ヒーチブ・ヒーチブ」、即ち「利取る、日一分」で、

太陽から借金を取り立てようとしているのだとか。すると、また誰かが

「一升貸して二斗取る…」もあるよと。もうオドロキです。ナンと雲雀というのは欲張りな、

それも、一升で二斗とは…すごい高利貸しじゃあねぇ~。可愛い雲雀の印象がガラリと変わりました。

フゥ~ン、これはいいこと聞いた!これを使わぬテはないゾ、と以下の句になりました。

「揚雲雀」で空はもう見えるので「紺碧」は削りましょう。また、ここではあまり色は意味ないし、と。

   借金を取りに忙しく揚雲雀

ちょっと川柳的にはなりましたが、あの高い空でうるさく鳴き立てる雲雀の声が聞こえるでしょうし、

作者の好意的でない気持ちも、また聞きなしを知らない人も〝へぇ~なるほど〟と思ってくれるのでは。

もう一つ、〈雲居より声姦しく恋雲雀〉というのがありまいた。

「雲の中での恋」ホント?「でも雲の中から雲雀の声がするもの、あれラブラブなんでしょう?」と。

すると、「雌は啼かないよ」とか「巣は草の中や麦畑にあるじゃん…」とか、みなさん博識なこと!

結局あの空での囀りは、縄張りを宣言しているのだということに。そこで、次のようになりました。

   雲居より威を張る声の雲雀かな

以上、この日の句会もハプニングはありましたが、新しいことに出会えてよかったぁ~。感謝!

お口直しに、我家の「豊後梅」、去年は剪定しまくったので成らず、今年はこんなに…

                

 

コメント (2)
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