ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

船木宿吟行(その二)

2019年03月11日 | 俳句

 今日は一日中テレビも東日本大震災関連の報道ばかりでした。何度見ても、何度聞いても…なにもいう言葉が見つかりません。もう8年になるというのに復興は追いつかない…そんな現状を被災者の方々はどんな気持で過ごされているのでしょう。本当にお気の毒です。見ているだけで何も出来ないのが悔やしい! 

 昨日の〝船木宿吟行〟の続きです。

 「大木森住吉宮」には、海上航路安全の神を祀っていたので「灯台」を模した高灯籠があったのですが、台座の石しか残っていませんでした。台座から想像するとかなり大きいもののようです。また、説明には境内に松尾芭蕉の句塚「春立つてまだ九日の野山かな」があるというのですが、これも今一つはっきりしませんでした。この住吉社の傍に大きな「お地蔵様」がいます。1723年に建立されたもので、最初は「岡崎八幡宮」の境内にあったものが、1868年(明治元年)の神仏分離令の際、ここに移されたもの。1871年(明治4年)奇兵隊をはじめ諸隊の一部の脱退兵が船木に集結し、物情騒然となるなか、諸隊の兵達がこのお地蔵様の背に鉄砲弾を撃ち込んで、その数発の弾痕が残っています。以前見たときはそのままだったと思うのですが、この度見るとその弾痕にはセメントが埋め込んでありました。ナントも味気な~い!そのままの状態で保存して欲しかったですね。

 その後、「玉重琴製作所」の見学をさせてもらいました。外には琴板が干してありましたが、この板には〝会津桐〟が一番と聞いて、会津出身のMさんがビックリしていました。工作するのに一年は雨ざらしにして干すんですって。何事も勉強ですね。以下はこの「たましげ琴製作所」のネットでの紹介です。

 「まじめに正直に取り組むこと」が信念です。「有限会社たましげ」は、明治27年、初代・玉重信太郎が和楽器販売を営んだのが 始まりです。当時の山口県山陽道に位置する楠村(現宇部市)は宿場町として栄え、三味線・琴・琵琶・太鼓など日本古来の和楽器の需要が多くありました。琴製造は、三代目の美博が研鑽を重ねて開始しました。琴製造への新規参入は厳しい道のりとなりましたが長い精進が報われ、人間国宝の宮城喜代子師に自作を演奏してもらう縁をいただき、高く評価されました。後に明治神宮から依頼を受け、身を清めて専心して奉納をさせていただきました。

 現在は四代目となる彰彦が三代目の技を受け継ぎ、日々、琴制作に励んでおります。伝統技術の結晶といえるたましげの琴は各流派の先生方にご愛用いただいております。四代目は、伝統技術を継承する貴重な人材として学校にもお招きいただいたり、「全国小 ・中学生箏曲コンクールin宇部」は23回を数え、四代目が中心的な役割を果たしています。今では文字通り、全国でも有数のコンクールとして定着し、次世代への継承を託しています。

 私は以前何度も見学させてもらっていますので、珍しくはなかったのですが、今回初めて五代目の息子さんに出逢い、琴の演奏を聴かせてもらいました。余りにも若くて可愛らしい(笑)ので、年を聞くと25歳という…みんな一斉にエエッ!と。 小学六年生より筑紫会小林歌翠氏に師事して、同年「熊本箏曲ジュニアコンクール 金賞 一位」を受賞。 その他、様々なコンクールに出場を果たし、数々の賞を受賞。 国内だけにとどまらず、文化交流団の一員として海外でも演奏し、 現在は、水野箏曲学院福岡支部所属。 「今後も趣味として、箏の演奏で人に感動を与えられるようなボランティア活動を行なっていきたい。」と…(これはネットでの紹介)

 とにかく心に沁みるような美しい琴の音が誰もいない作業場(今日は土曜で休日ですから)に響き渡って、とてもいい時間が持てました。アリガトウございました。

 お昼は近くの〝楠こもれびの郷〟の農家レストランで…ここはセルフサービスの店で、どれも美味しそうな料理が並んでいて目移りしてしまい、つい食べ過ぎになってしまいます。オーコワッ!

 食後少し時間があったので、地元野菜などの売り場を覗こうと入口に来ると、〝ゆうれい出てます〟と。一瞬ナニッ!と思いましたが、これはこの地域の郷土料理〝ゆうれい寿司〟のことでした。この楠町吉部地区に古くから伝わる「ゆうれい寿司」のおこりは、正確なところは不明ですが、江戸時代中期ではないかといわれています。ここは海から遠く鮮魚類の入手が困難だったので、具を入れなくてもおいしい「白シャリ(すし飯)」が出来たんだと。それに、加え酢はゆずを使い、秋祭り、盆・正月にはお客や親戚の人にご馳走して喜ばれていましたが、この具の入っていない「白ずし」を人々は「ゆうれい寿司」と名付けたんだそうです。なお、季節によっては「ゆうれい寿司」の上にさんしょうの葉や、しそ、柳などの葉を添えていました。今では下の方にいろいろと具が入っていてとても美味しいです。岩国に似たような〝岩国寿司〟というのがありますが、それに比べるとこちらはさっぱりとした…ゆうれいだから当然かも(笑)…寿司飯そのものを味わうという感じ。これはお米の旨さが決め手ですね。もちろん買って帰りましたよ。

 この〝楠こもれびの郷〟は、楠地域の農林業振興と地域の活性化、都市と農村の交流などを、宇部市北部との連携を踏まえながら推進する拠点として設置されました。施設は、くすのき温泉「くすくすの湯」、農産物直売所「楠四季菜市」、農家レストラン「つつじ」、農業研修交流施設「万農塾(ばんのうじゅく)」の4つからなり、駐車場も完備しています。宇部市からはちょっと外れていますが、温泉に入り、美味しいものを食べて、新鮮な野菜を買って帰るという…ゆっくり過ごすところにはとてもいいところですよ。田園地帯で空気もいいし…。

 今日の出句は三句。近くの万倉ふれあいセンターで16時まで句会。無事終了で宇部に戻って解散しました。お疲れ様でした。  

コメント
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