ちわきの俳句の部屋

メカ音痴おばさんの一念発起のブログです。
人生の後半を俳句にどっぷりと浸かって、…今がある。

兼題は〝春灯〟

2019年03月05日 | 俳句

 今日は快晴で洗濯日和…先日どなたかがブログに〝二晴二雨〟と書いていらっしゃったんですが、まさにその通り。やっと溜まった洗濯物が全部片づいてすっきりしました。

 午後からは俳句教室。兼題は〝春灯〟で、もちろん三春の季語です。歳時記には「春の夜にともる灯火には、明るさやのびやかさ、華やぎがあって、特に朧夜の滲んだような灯には濃艶な趣がある」と書いてあります。確かに「夏の灯」「秋の灯」「冬の灯」と比べるとそれぞれの情趣の違いがよく分かりますね。

   春燈や衣桁に明日の晴の帯    富安風生

 いいですね~。こういう句をみると、やはり日本でしか感じられない情緒そのものでしょう。〈明日の晴〉とは結婚式でしょうか。だとすると、金糸銀糸の豪華な袋帯…それも娘さんの帯ではなくその母、すなわち自分の妻の帯だと私は思うのですが…。しみじみと明日の娘の晴れ姿と妻の姿を重ね合せて想像しながら、もしかしたら春燈の下で一杯やっているのかも。これは嫁に出す娘を持つ父親だけの感傷的な思いに違いありません。

 今回も面白い句がありました。それは〈春灯やたつた二人の祝ひ膳〉の句。

 結構点が入っていましたので、どこが良かったのか聞くと、〝二人だけでお祝いの膳を囲んでいる雰囲気が季語の春灯に合うので…〟〝そうですね。なかなかいい雰囲気ですよね~〟(笑)〝ところで何のお祝いなのかしら?〟すると、作者が名乗り出て、〝創作なんですけど…誕生日のお祝いで…〟〝ホントはみんなに祝ってもらいたかったのでは?〟〝そうなんですけど…〟〝旦那様はお祝いしてくれる?〟〝とんでもないですよ!〟すると、みんなもワイワイガヤガヤ…と。どこのお宅でも誕生日といったってな~んにもなしなんですって!まあ、私たちの年代の男性ってみんなそうなんです。きっと照れ臭いのでしょうね。

 ところで、その不満が心のどこかにあるでしょうと作者に聞くと、〝そりゃあまあ…だから理想を詠んだんです〟と。ほら、俳句って正直ですね。その気持が句にしっかり表れていますよ。どこでしょうと聞くと、???

 もうお分かりでしょう。〈たつた〉という言葉、「二人だけの」という語と比べてみて下さい。同じだと…でも音数が足りないのでと思って作者は使ったのでしょうが、言葉のニュアンスは全く違います。辞書の例文にも「たったこれだけ」とあるように、数量が少ないさまを強調するとき用いることが多いのです。ということは「二人」というのに不満が残っているということ。そこで、〈二人だけの祝ふワインや春灯〉と直し、〝誕生日じゃ面白くないから…ここは結婚記念日にしましょ!ならば邪魔者がいない方がいいわよね~〟と。嘘でもいいから皆さんどんどん俳句の中で〝遊びましょう〟。そうすると、楽しくなりますよ。

 事実を言うのは報告、一般論を言えば理屈といつも言われるので、考えたすえの句なんですよ~とは作者。よ~くよく分かります。でも、皆さん考えすぎはいけませんよ。気楽に頑張りましょうね。

 写真のこの〝実〟なんだと思いますか?先日の常盤公園に行ったときあちこちに落ちていました。見上げると大きな裸木にまだたくさんブラブラと下がっていました。スズカケ(プラタナス)の実のようでしたが、こんなにトゲトゲしていたかしら?ちょっと違うようでしたので、調べてみると〝モミジバフウ〟の実でした。別名〝アメリカフウ〟とも。秋の紅葉も美しい木なので公園や街路樹などでよく見掛けます。この実(種はみな飛んでなくなってその殻ですが)もリースやインテリアとして工作したりと楽しめるもののようです。

 

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