完成度の高いマニュフェストを掲げての選挙は民主主義の社会にとって好ましいものであり、そのマニュフェストは当然守られるべきものです。
政党がたった一つのマニュフェストを掲げて政権を取った時、そのマニュフェストは100%守らねばなりません。
しかし複数のマニュフェストを掲げて政権を取った時はその限りではないと思うのです。
有権者のマニュフェストに対する支持はその項目ごとに異なります。
項目Aには賛成でも項目Bには反対の場合があります。
それでも他党との比較のなかでその党を選ぶことはあるのです。
従って政党は政権を任された後にマニュフェストの項目ごとの支持率調査を実施すべきです。
さもなければ各種世論調査の結果を採用してもかまいません。
その結果をもって改めて政権としての政策を選び直すべきです。
例えば昨年の民主党のマニュフェストの中で、ガソリン税の廃止や高速道路の無料化は各種世論調査の結果を見ても、有権者の支持率は低かったのです。
これは地球温暖化防止という大きな命題に反するマニュフェストだったからに相違ありません。
選挙目当てのバラマキのようなマニュフェストを有権者の多くは見抜いていたことになります。
さらに税収がマニュフェスト作成時の見込みより大幅に落ち込んだ様な場合に、そのマニュフェストの項目や数値は当然見直されるべきであり、国民との約束だからと云ってマニュフェスト通りに実施しようとすることはむしろ「失政」になるのではないでしょうか。