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欺瞞だらけの安倍改憲

2018-05-17 17:57:09 | より良き我国のために
 いま安倍政権は「憲法改正」の目玉として9条に「自衛隊」を明記しようとしていますが、それはこれまでの同政権の常套手段と同様、幾つかの欺瞞に満ちたものです。

 欺瞞の第一は「加憲」の形をとっていることです。現状の9条はそのままに、別項を設けて自衛隊を追記しています。これは「加憲」を主張している与党公明党の協力を得易くする為であり、かつ国民にも安心感を与える為と思われます。しかし法理論的には、相反する条文が追加された時は後から書き加えられた条文が優先します。国民の多くはこれを知りませんが、政権は知っていて隠しています。「集団的自衛権行使の為の実力組織」とは「戦力」に他ならず、その「戦力」を使うことは「交戦権行使」に他なりません。つまりこの改憲が成立した暁には9条2項の「戦力不保持」と「交戦権の否認」は事実上無効になることを見越しているのです。

 欺瞞の第二は「自衛隊の法的位置づけ」です。自衛隊の前身は警察予備隊でした。つまり警察や海上保安庁と同列の行政組織なのです。従って警察や海上保安庁が憲法に記載されていないように、自衛隊も記載されていません。安倍政権は「自衛隊を憲法に明記しても今と何も変わらない」と言いますが全くの偽りです。憲法に明記された自衛隊は警察や海上保安庁とは別格になります。憲法には「内閣」の記載がありますが、「防衛省」は書かれていません。つまり自衛隊は己の上位組織である防衛省を超えて、内閣と同列の位置づけになります。それはもうかつて内閣をも牛耳って侵略戦争を推進した「軍部・軍隊」に匹敵するものではないでしょうか。

 欺瞞の第三は「自衛隊員の命の危険性」です。恐らく国民の多くの「自衛隊」のイメージは2016年3月以前のままでしょう。つまり専守防衛に徹し、国内外の災害救助・援助で汗を流して働き人々の命と財産を守る頼もしい組織です。しかし現在の自衛隊の性格は2年前に施行された「平和安全法制=戦争法」でガラッと変わっています。安倍政権は「自衛隊は今後も戦闘地域には決して入らない」と言っていますが、まやかしです。例え米軍の後方支援=兵站に徹したとしても、敵がその兵站を叩くのは兵法の常道です。そしてミサイルも長距離爆撃機もある現代、「後方」は瞬く間に戦闘地域に変わります。かくして自衛隊が戦火に巻き込まれ、自衛隊員が命を落とす危険性は非常に高くなるのです。 

 この様に嘘で塗り固められた安倍改憲ですが、あなたは賛成しますか?もしこの改憲が成れば自衛隊は事実上の「軍隊」に位置付けられます。志願者減少に伴う徴兵制施行、軍事裁判法制定、軍備拡張、軍産学複合体形成などが進むことでしょう。「靖国で会おう!(注)」海外派遣される自衛隊員同士の間でやがてこんな言葉が交わされるかもしれません。そのような日本の明日をあなたは本当に望むのですか?

(注)「靖国で会おう!」は若い人にはわからないかも知れません。旧日本軍では戦死すると靖国神社に神として祀られたのです。戦地に赴く兵士達が死を覚悟して言い交した言葉です。