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沖縄県知事選に寄せて

2018-09-24 19:39:34 | より良き我国のために
 沖縄県知事選挙もあと1週間後に迫りました。普天間基地の辺野古移転に反対するオール沖縄の玉城候補と安倍政権が推す佐喜真候補の事実上の一騎打ちの様相となっています。佐喜真候補は辺野古基地建設に対する旗幟を明らかにしませんが、「辺野古基地建設しか無い」という安倍政権が擁立するのですから建設容認に間違いありません。

私はかつて仕事で沖縄を訪れました。仕事前日の日曜日の正午に那覇空港に降り立ち、観光バスで南部戦跡巡りをしたのです。ひめゆりの塔、摩文仁の丘、中でも最も印象深かったのは旧海軍司令部壕でした。大田実司令官が自決の直前に海軍次官宛に打った電報文が展示されていました。その一部抜粋を以下に記します。

 ……陸海軍沖縄に進駐以来、終始一貫、勤労奉仕、物資節約を強要せられつつ(一部はとかくの悪評なきにしもあらざるも)ひたすら日本人としての御奉公の護を胸に抱きつつ、……一木一草焦土と化せん。糧食6月一杯を支うるのみなりという。沖縄県民斯く戦えり。県民に対し、後世特別の御高配を賜らんことを……
 あれから73年、果たして我日本は大田司令官の願いを叶えたでしょうか。本土決戦を遅らせるための捨て石となって9万4千人もの一般住民戦死者を出した沖縄県に報いたでしょうか。

 現在工事中の辺野古新基地の滑走路の長さは1800m、対する普天間基地のそれは2800mです。これをもって米軍は辺野古基地が普天間基地の代替として不足するとしています。イザという時は那覇空港を使うと言っています。また新滑走路から約1.3kmの地に沖縄高専の海抜約70mの建物があり、滑走路から2.286km以内は海抜55.7m(滑走路の海抜は10m)以下という米軍基準から外れています。更に新基地の海抜は10mであり、これを超える津波や高潮で壊滅する恐れがあります。そして最近、新基地の地下に断層があり、かつ軟弱地盤でもあると判明しました。

 これほどまでに問題だらけの新基地を造りたいのは米軍ではなく安倍政権です。2014年6月、官製談合の疑いのある新基地工事入札で56億円台の予定価格に対し、鹿島建設をはじめとする他社が60億円台以上を提示する中、55億円台で大成建設が落札しました。そしてその大成建設には菅官房長官の子息が社員として在籍していたのです。

 沖縄県の皆さん、オール沖縄に結集して玉城候補を当選させてください。それはこの問題だらけの新基地建設を阻止するという県民の意思表示になります。そしてそれは故翁長前知事の命がけの訴えを叶えることでもあります。

 沖縄県以外の46都道府県の皆さん、オール沖縄にエールを送りましょう。玉城候補を勝たせることは安倍政権に「ノー」を突き付けることになります。そして沖縄に新基地を造らず、むしろこれを減らし、更に植民地扱いの様な日米地位協定を改定する政権に変えていきましょう。それは米軍の規律意識を高め、我が国での米軍に因る事故や被害を激減させることでしょう。そしてそれが73年前の大田海軍司令官の願いに沿い、夥しい一般住民戦死者を出した沖縄の辛苦への報いのひとつになるのでは無いのでしょうか。