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増加する世界の軍事費

2019-05-04 14:57:27 | より良き世界のために
 世界の軍事費が増加しています。
 ストックホルム国際平和研究所が4月29日に発表した報告書によると、2018年の世界の軍事費は1兆8220億ドル(約203兆円)となり、統計を取り始めた1988年以降で最も高い数字を記録したとのことです。
 世界の軍事費は冷戦末期の1988年で約1兆5000億ドルでした。冷戦終結と共に減り始め、1998年には約1兆ドルで底を打ったのです。この間の削減は主に冷戦終結に伴うロシアを含む欧州と米国によるものでした。しかしその後世界の軍事費は増加に転じます。増加の大部分は米国ブッシュ政権による2001年のアフガン戦争と2003年のイラク戦争に伴うものです。この増加は2011年に約1兆7000億ドルでピークを打ちます。これは平和志向の強い米国オバマ政権の両戦争終結に向けた努力によるものです。その後は2014年まで少しづつ下げますが、2015年以降再び増加に転じます。オバマ政権の米国は下げ続けますが、中国の軍備拡張が際立ってきたのです。そして昨年、トランプ政権の米国が再び増加に転じ、中国の増加とあいまって統計を取り始めた1988年以降で最も高い軍事費となったのです。そしてこの中には安倍政権のもと、6年連続で増加した我が国の472億ドルも含まれています。
 2018年の世界の軍事費1兆8220億ドルを同年の飢餓人口約8.2億人で割ると一人当たり約2200ドル(約24万円)になります。一日当たりは約6ドルで、飢えからの脱出には十分な金額です。世界はこれだけの貴重な富を殺人兵器を作り、爆薬を燃やしたりして浪費しています。実に愚かなことです。世界が軍事費を削減していくにはどうすればよいでしょうか。
 それはUN(国際連合)の機能を改善・強化していくほかにありません。EU(欧州連合)は発足後27年目を迎えます。現在英国の離脱問題で揺れてはいますが、もはやその域内で、例えばドイツとフランスとの戦争は考えられません。従って仮に地球上が全てEU域内であれば軍事費はゼロになるのです。これを世界規模に拡大していくしかありません。EUは今月末に議会選挙を予定しています。構成国の人口比例で選ばれた議員は信条と党派に基づいて行動し、出身国の利益を代表するものではありません。強化後のUNも同様な議会を持つべきです。更に三権分立に基づく行政機関と司法機関を設けるべきです。UNが現在のEUのレベルまで進化するには長い年月がかかることでしょう。しかし世界はそれを目指さねばなりません。しかも出来るだけ早く・・・。