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曲公阿世の徒

2018-02-28 22:45:04 | より良き我国のために
 「曲学阿世」という四字熟語は学を曲げて世におもねると読みます。ここで「世」とは権力と言い換えても良いかも知れません。「学」は学説・学識経験ですが真理と言っても良いでしょう。つまり学者が権力者の意向を忖度して真理を曲げ、わが身の保身や栄達を図ることです。ただしこの徒は優れた権力者のもとでは存在し難く、さにあらぬ権力者のもとでは生息し易い徒なのです。

 そこで表題の「曲公阿世」ですが、皆さん初めて目にする熟語の筈です。何しろつい最近の私の造語ですから…。「公」は政治家や官僚・公務員であり、国民全体の為に公正に務める使命を負った人々のことです。最近この「公」が踏み躙られるケースがとみに頻発しています。自衛隊の派遣日報問題、森友学園問題、加計学園問題、斎藤スパコン問題、山口暴行問題、裁量労働制に関わる労働時間データ問題などです。

 これらの問題は政権又は権力者にとって都合の悪い行政文書を隠したり、改竄したり、お友達に不当に利益を与えたり、不当に不起訴処分にしたりして権力者の意に沿おうとしたり、その密命に従ったものです。そしてその結果も出ています。国会質疑に於いてひたすら偽証を貫いた官僚がその功により栄転しています。国会議員の質問はとりもなおさず国民の質問なので、彼は国民を欺き、公正を踏み躙ったのです。まさに曲公阿世の徒です。こういった傾向は2014年に内閣人事局が出来て加速したように見えます。 

 曲公阿世の徒もやはり優れた権力者のもとでは存在し難く、さにあらぬ権力者のもとでは生息し易い徒です。権力者にも友人・知人はいますが、優れた権力者は友人・知人が不当な便宜を受けることを許しません。しかしさにあらぬ権力者はそこが甘いかあるいは自ら不当な便宜を与えようと図るのです。

ただし曲公阿世の徒が成した不正を覆す文書やデータが相次いで発覚していることも事実です。行政府内が曲公阿世の徒ばかりだったら今でも隠され続けていたはずです。そこには曲公阿世の徒でない、「公正」を旨とする人たちの存在があります。彼等が動かなければ野党政治家もジャーナリストも会計検査院も捜査当局も真の文書、真のデータに辿り着けなかったことでしょう。

 彼等にも家族がいて生活があります。彼等にとって人事権を握る権力者の報復は怖いはずです。かつて政権を揺さぶる疑惑の陰で幾多の死者が出ました。それらの恐怖を乗り越えて「公正」を選んだ彼等に私たちは感謝し、その勇気を称え、かつ権力者の報復から守る為に目を光らせねばならないのです。皆さんどうぞよろしくお願い致します。