10月7日ガザ地区を実効支配するハマスはイスラエルを急襲しました。これに対してイスラエルが反撃し約2週間経った現在、イスラエルの死者1400人、ガザの死者4000人超で、更にガザでは地上戦を目前にしていて悲劇は続きます。
ハマスの攻撃の理由はパレスチナの後ろ盾だったサウジアラビアが米国の仲介でイスラエルと和解しようとしたからです。この動きに危機感を持ったのでしょう。ハマスにはイランとレバノンのヒズボラも加勢しています。イスラエル側につく米欧とパレスチナ側につくイラン、レバノンなどとの間でより大きな紛争にエスカレートする危険性もはらんでいます。
今回最初に攻撃を仕掛けたのはハマスであり、イスラエルは「報復」として反撃し、欧米もそれを認めています。しかしイスラエルとパレスチナの間には数世紀以上にわたる紛争の歴史があり、その「そもそも」を考えずにどちらが悪いかの判断は出来ません。
イスラエルの建国は1948年で、国連総会では同時にパレスチナの建国も実現する方向でした。しかしそれはとうとう実現しないまま、紛争を繰り返しつつ今日に至っています。ユダヤ人が建国を果たした土地にはもともとパレスチナ人が住んでいました。パレスチナ人は住んでいた土地を追われ、ヨルダン川西岸とガザ地区に押し込められたのです。そして現在更にヨルダン川西岸にはユダヤ人が次々と入植し、パレスチナ人の土地を奪っています。長い間それを許してきたのが国際社会です。
今回最初に攻撃したのは確かにハマスですが、それは過去から現在に続くユダヤ人による自分たちの土地の簒奪に対する「報復」と考えるべきではないでしょうか。つまり最初に戦争を仕掛けたのはあくまでもイスラエルであり、国際社会はそれを黙認してきたのです。
今こそ国際社会は双方の紛争を沈め、パレスチナ国家を成立させ、2国家共存を実現するべきです。そうしない限り今私たちが目の当たりにしている悲劇は永遠に繰り返されることでしょう。