新しい元号が「令和」と決まりました。「令」という字で最初に頭に浮かんだのは「法令」や「条令」つまり「命令」でした。そこで辞書「新漢語林」で調べたのです。結果は以下の通りでした。
字義①命ずる、いいつける、法令などを発布する、②みことのり、君主の命令、③のり、おきて、法令、布告書、「律令」、④いましめ、おしえ、教訓、⑤おさ、長官、「県令」、⑥よい(よし)、りっぱな、すぐれた、「令名」、⑦他人の親族に対する敬称、「令兄」、⑧文体の名、皇后・太子・諸侯などの命。
解字・会意、「令」の上半分は人を集めるの意味とも、頭上にいただく冠の象形ともいう。下半分は人のひざまずく形にかたどる。人がひざまずいて神意をきくさまから、いいつけるの意味を表す。
字義の①から⑤まではやはり「命令」ですね。それも君主を含む権力者の命令です。⑥と⑦が新しい元号の「令」に込められた「良い」でしょう。但しこの「良い」は解字・会意にはありません。「大勢の人がひざまずいて神意をきく様が好ましい」ので「良い」、「すがすがしい」の意味が付いたと推測できる説明がありました。だとすればあくまで命令する側から見ての「良い」となります。
1日に米紙ニューヨークタイムズなどの海外メディアはこの「令和」を「order and peace(命令と平和)」と訳しました。彼等も私と同様「令」は先ず「命令」のようです。あわてた日本政府は3日に新元号の英訳を「beautiful harmony(美しい調和)」と定めたようです。
「美しい調和」は安倍総理がかつて国家像として掲げた「美しい国」に重なります。この度「令和」は当初の5案になく、後から急遽国書由来のホープ(他の英弘、広至は共に人名に多用)として追加されたものです。国書由来へのこだわりといい、「美しい国」に重なる6案目の追加には総理自身の関与か、総理に忖度した取り巻きの関与が疑われます。
それにしても新元号の制定過程において、「令」の字義の先頭5つを占める「命令」の意味に疑問を感じる人は居なかったのでしょうか。学者はもとより充分承知しており、関与した他の人達も辞書を紐解いたことと思います。気にはなっても口に出せなかったのでしょうか。与党内では石破氏だけが2日に「(令)という文字に違和感がある」と発言しています。勿論安倍氏自身も充分承知の上で閣議決定したのでしょう。
或は安倍氏は「令」の「良い」という意味を表向きに使い、「命令」の意味を新元号に忍ばせたのではないでしょうか。自民党が2012年に発表した憲法草案にそれに通底するものが見て取れるのです。現憲法は国民が制定し、その第99条で天皇、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員にこの憲法を尊重し擁護する義務を負わせています。一方で自民党憲法草案では第102条でその順守義務から天皇を除き、代わりに国民を追加しています。つまり天皇を国民の上に置いています。明治の大日本帝国憲法は天皇が制定し、大臣を介して臣民(国民)にこれを守らせるものでした。自民党改憲草案にはこの部分で明治憲法に近づきたいと言う意図を感じるのです。
大宝から平成まで200を超える我が国の元号の中で「令」が使われたことはありません。この字が持つ「命令」の意味が強烈過ぎて避けられたのでしょう。但し一度だけ候補に挙がったことは有ります。1864年の「令徳」です。時まさに幕末で「朝廷が徳川に命令する」という意味がありました。この時は幕府が何とか巻き返して「元治」に納まったのでした。
我が国の元号として歴史上はじめて「令」の字を選んだ安倍政権をあなたはこれからも支持しますか?もし「否」であればこの7日、21日、そして7月の国政選挙と続く亥年選挙で与党勢力を減らし、野党勢力を増やすべく投票願います。この「悪しき忖度政治」は「一強多弱」が続く現状から政権交代を繰り返す競り合い状態に変えることでなくせます。その代わり方針決定には与野党の妥協が必須で時間もかかりますが、それこそが民主政治なのです。現状の様に国民の多くが反対する中で与党の強行採決が繰り返されて物事が次々と決まっていく政治よりも何倍もマシだと思いませんか。
まずは今週末の投票からです、どうぞ宜しくお願い致します。
字義①命ずる、いいつける、法令などを発布する、②みことのり、君主の命令、③のり、おきて、法令、布告書、「律令」、④いましめ、おしえ、教訓、⑤おさ、長官、「県令」、⑥よい(よし)、りっぱな、すぐれた、「令名」、⑦他人の親族に対する敬称、「令兄」、⑧文体の名、皇后・太子・諸侯などの命。
解字・会意、「令」の上半分は人を集めるの意味とも、頭上にいただく冠の象形ともいう。下半分は人のひざまずく形にかたどる。人がひざまずいて神意をきくさまから、いいつけるの意味を表す。
字義の①から⑤まではやはり「命令」ですね。それも君主を含む権力者の命令です。⑥と⑦が新しい元号の「令」に込められた「良い」でしょう。但しこの「良い」は解字・会意にはありません。「大勢の人がひざまずいて神意をきく様が好ましい」ので「良い」、「すがすがしい」の意味が付いたと推測できる説明がありました。だとすればあくまで命令する側から見ての「良い」となります。
1日に米紙ニューヨークタイムズなどの海外メディアはこの「令和」を「order and peace(命令と平和)」と訳しました。彼等も私と同様「令」は先ず「命令」のようです。あわてた日本政府は3日に新元号の英訳を「beautiful harmony(美しい調和)」と定めたようです。
「美しい調和」は安倍総理がかつて国家像として掲げた「美しい国」に重なります。この度「令和」は当初の5案になく、後から急遽国書由来のホープ(他の英弘、広至は共に人名に多用)として追加されたものです。国書由来へのこだわりといい、「美しい国」に重なる6案目の追加には総理自身の関与か、総理に忖度した取り巻きの関与が疑われます。
それにしても新元号の制定過程において、「令」の字義の先頭5つを占める「命令」の意味に疑問を感じる人は居なかったのでしょうか。学者はもとより充分承知しており、関与した他の人達も辞書を紐解いたことと思います。気にはなっても口に出せなかったのでしょうか。与党内では石破氏だけが2日に「(令)という文字に違和感がある」と発言しています。勿論安倍氏自身も充分承知の上で閣議決定したのでしょう。
或は安倍氏は「令」の「良い」という意味を表向きに使い、「命令」の意味を新元号に忍ばせたのではないでしょうか。自民党が2012年に発表した憲法草案にそれに通底するものが見て取れるのです。現憲法は国民が制定し、その第99条で天皇、国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員にこの憲法を尊重し擁護する義務を負わせています。一方で自民党憲法草案では第102条でその順守義務から天皇を除き、代わりに国民を追加しています。つまり天皇を国民の上に置いています。明治の大日本帝国憲法は天皇が制定し、大臣を介して臣民(国民)にこれを守らせるものでした。自民党改憲草案にはこの部分で明治憲法に近づきたいと言う意図を感じるのです。
大宝から平成まで200を超える我が国の元号の中で「令」が使われたことはありません。この字が持つ「命令」の意味が強烈過ぎて避けられたのでしょう。但し一度だけ候補に挙がったことは有ります。1864年の「令徳」です。時まさに幕末で「朝廷が徳川に命令する」という意味がありました。この時は幕府が何とか巻き返して「元治」に納まったのでした。
我が国の元号として歴史上はじめて「令」の字を選んだ安倍政権をあなたはこれからも支持しますか?もし「否」であればこの7日、21日、そして7月の国政選挙と続く亥年選挙で与党勢力を減らし、野党勢力を増やすべく投票願います。この「悪しき忖度政治」は「一強多弱」が続く現状から政権交代を繰り返す競り合い状態に変えることでなくせます。その代わり方針決定には与野党の妥協が必須で時間もかかりますが、それこそが民主政治なのです。現状の様に国民の多くが反対する中で与党の強行採決が繰り返されて物事が次々と決まっていく政治よりも何倍もマシだと思いませんか。
まずは今週末の投票からです、どうぞ宜しくお願い致します。