より良き明日の為に

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ガザシュビッツ

2024-08-29 17:09:20 | より良き世界のために

 ガザシュビッツとはアウシュビッツ強制収容所をもじった私の造語です。

第二次世界大戦のさなか、ナチスドイツは占領下のポーランド南部アウシュビッツに強制収容所を設け、ピーク時にはユダヤ人を中心に約14万人が収容されていました。強制収容の目的は民族浄化と労働力確保であり、劣悪な環境の中で全収容者の9割以上が命を落としたとされています。特にユダヤ人は民族浄化の対象とされ、ナチスドイツとその占領地において600万人以上が犠牲になったとされ、この事実はホロコースト(組織的絶滅政策・大量虐殺)と呼ばれています。「アンネの日記」の作者アンネフランク(享年15歳)もその犠牲者の一人です。

 翻って現在のガザ地区はユダヤ人国家イスラエルによって壁やフェンスで境界を仕切られたパレスチナ人約200万人を擁する地域であり、昨年10月以降のイスラエルの攻撃による死者は4万人(この8月15日ガザ地区保健省発表)を超えました。これまでもガザ地区は「天井の無い監獄」と呼ばれてきましたが、現状はまるで「ガザシュビッツ」とも呼ぶべき状況です。

 イスラエルの皆さん、80年前に皆さんの父母や祖父母が欧州で受けたホロコーストを今あなた方がガザ地区の人々に対して実施しているのですか。それでは憎しみの連鎖が際限なく続いてしまいます。

皆さんの言い分はわかります。昨年の10月7日にガザ地区のハマスが突然イスラエルを攻撃して1139人を殺害し、約250人を人質としてガザ地区に連行したことへの報復であり、人質奪還を目指した戦いなのでしょう。

しかし考えてみてください。10月7日のハマスの攻撃はこれまでイスラエルが積み重ねてきたパレスチナ人民への虐待、ガザとヨルダン川西岸を取り囲む壁の建設、更にはヨルダン川西岸地域へのユダヤ人の勝手な入植、土地の収奪への報復だと思いませんか。

下記URLは昨年10月にこのブログに掲載した「パレスチナ国家設立を!」です。本稿の続きとしてお読みいただければ幸いです。

パレスチナ国家設立を! - より良き明日の為に (goo.ne.jp)


米国人の皆さんへ(米国第一主義からの脱却を!)

2024-08-03 17:17:01 | より良き世界のために

 米国人の皆さんにお願いがあります。トランプ前大統領やその支持者たちが掲げるMAGA(Make America Great Again)とAF(America First)から脱却してください。

20世紀の途中から米国はそれまでの英国に変わって世界のトップに躍り出ました。経済力も軍事力も抜きん出ていたのです。やがて第二次世界大戦の戦禍から立ち上がった欧州や日本が力をつけて来ますが、何れも同盟国なので多少の摩擦の後に折り合いをつけてきました。ところが今世紀に入ってからは中国の成長が目覚ましく、その猛追により2030年頃には軍事・経済の両面で世界トップの地位を奪われそうな情勢です。しかも中国はロシアや北朝鮮と組んで米国に対抗する姿勢を見せています。

 そこでトランプ氏は20世紀の栄光の地位に米国を戻そうとしました。つまりMAGAです。五大湖の南に広がるラストベルトをかつての様な自動車産業を中心とする製造業で蘇らせるのです。それはここで職にあぶれた白人達に職を与え、彼らを自身の味方に出来ることでしょう。

 しかしそのためには電気自動車(EV)を始めとする産品の輸出攻勢をかけてくる中国に対し、高い関税を掛けて阻止しなければなりません。それは相手国の報復関税を呼び、世界のグローバル化の流れに反して分断と憎しみを招きます。周囲を顧みず、自国の利益だけを優先すること、つまりAFです。更にトランプ氏は2017年1月の大統領就任直後に地球温暖化阻止のための世界的取り組み(COP)から離脱しました。これは近年米国に新たにもたらされた新たな石油資源、シェールオイルの利用を阻止されたくないがための行動です。そのためには例えば地球温暖化による海面上昇で沈みつつある太平洋の島ツバルに住む人々を見捨てることです。つまり米国の利益のみを優先して他を顧みない行動AFです。

 米国民の中にも貧富の差は大きく、特にラストベルトの白人の皆さんは「割を食っている」と感じていることでしょう。ただし餓死の危険性までは感じていないと思います。しかし世界の貧困はレベルが違います。昨年10月以来のガザ地区を含めた世界の飢餓人口は7億人強に上ります。彼らは本当に食べ物にありつけず、死に直面しているのです。

 米国民の皆さん、米国は民主主義の国であり国内の貧富の差は政策を尽くして解消すべきでしょう。しかし世界の深刻な貧困は国連の場で解消するしかありません。安保理常任理事国筆頭の米国には是非ともその先頭に立っていただきたいのです。それはAFではありません。WF(World First)です。MAGAはそのままでも良いでしょう。ただし経済と軍事面でのMAGAではなく、世界平和と飢餓撲滅のリーダーとして尊敬されるMAGAです。

 更に米国には国連改革の旗振り役を期待します。自らを含む安保理常任理事国に与えられた拒否権を廃止し、安保理を民主化してください。それが出来れば現下のロシアとウクライナの紛争やガザ地域でのジェノサイドの様な悲劇は無くなることでしょう。それは国連が世界連邦に近づくことを意味します。米国のリーダーシップにより地球上と宇宙空間での戦争が無くなった時、Make AmericaならぬMade America Great Againと称賛されることでしょう。

 米国民の皆さん、その為には来る11月の大統領選挙でトランプ氏の返り咲きを阻止してください。彼の再びの大統領就任は決して米国の利益にならず、更に世界全体の利益にも反すると思うのです。どうぞよろしくお願い致します。