おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
首・肩・腰・膝の痛み―・・・方剤解説⑥・・・
6、独活寄生丸
(備急千金要方)
【組成】四物湯(当帰・川芎・芍薬・地黄)を含む補血活血薬と、四君子湯(人参・朮・茯苓・大棗・甘草・乾生姜)から朮を除いたものを基礎に、肝と腎を補う薬剤を組み合わせたもの。
気剤
防風(辛温) 桂皮(辛温)
血剤
羌活(きょうかつ・苦平) 独活(どっかつ・苦平) 秦艽(しんぎょう・苦平) 牛膝(苦平) 地黄(甘寒) 当帰(甘温) 川芎(せんきゅう・辛温)
水剤
茯苓(甘平) 細辛(辛温) 人参(甘微寒) 芍薬(苦平)
脾胃剤
炙甘草(甘平)
不明
桑寄生(苦・甘 平)肝
・腎経
に入る。補肝腎。湿を取り除く。
杜仲(甘・微辛・温)肝・腎経に入る。補肝腎。筋骨を強くする。
【効能】疲れやすく、下肢が冷えやすいものの次の諸症：腰痛、関節痛、下肢のしびれ・痛み
【薬能】袪風湿(きょふうしつ・リウマチなどを取り去る)、貧血など血の機能の衰えを補い、血行をよくし、うっ血を取り除く
【解説】
血を補い活血の四物湯と元気を益し脾胃
を健やかにする四君子湯から朮を除いたものを基本に、風湿(リウマチなど)を去り・止痛の独活・秦艽(しんぎょう)・防風・細辛、肝と腎を補い・筋骨を強める桑寄生・杜仲・牛膝、及び辛温の気剤の桂枝から構成されています。
体力が落ちた時に風邪・冷え・湿気が侵入し、長期にわたり経絡・筋骨に停着して、肝のグループや腎のグループの不足と元気や血が虚した状態を補い、生命力・抵抗力を補助し病邪を駆除し治療します。
風邪・冷え・湿気が経絡・筋骨に滞留して気血の流通を滞らせるので、腰や膝のしびれ・痛み、関節が屈伸しにくい、軽度の浮腫などの症候が現われます。
肝・腎・気・血の虚をために、疲れやすい、動悸、息切れ、顔色が悪い、皮膚につやがない、腰や膝がだるく無力、足腰が冷える、寒冷を嫌い温暖を好むなどの症候を伴います。
舌質淡は気血不足、舌苔白は寒湿を表します。
中年以降は肝・腎の不足により筋骨が弱くなり関節も変形しやすくなります。
気血や生命力・抵抗力が虚の状態になると風寒湿の邪を感受しやすくなり、血流も悪くなり痛みを引き起こします。
活血＝かっけつ・血は流動しているものであり、病気によっておこる局部の留滞現象、たとえば婦人の腹に血塊があったり、月経が滞ってめぐらなかったりするもの、及び一般の瘡腫(キズ腫れ物)の灼熱紅腫の現象などに、適当な薬物を用いて、血を活発に流暢にし、再び阻滞しないようにすること。
【このような人に】
＊慢性的に腰痛や坐骨神経痛でお悩みの方
＊年とともに足腰が弱くなり、階段の昇り降りがつらい方
＊普段から寒がりで足が冷えやすく、腰や膝の痛む方に
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