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黄帝内経素問 玉版論要篇 第十五 語句の意味 揆度奇恒

2011-09-30 09:19:48 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

 

黄帝内経素問 玉版論要篇 第十五

 

第一節

 黄帝問曰。余聞。揆度奇恆、所指不同。用之奈何。

 岐伯對曰。揆度者、度病之淺深也。奇恆者、言奇病也。請言道之至數。五色脈變、揆度奇恆、道在於一。神轉不回。回則不轉。乃失其機。至數之要、迫近以微。著之玉版、命曰合玉機。容色見上下左右。各在其要。其色見淺者、湯液主治。十日已。其見深者、必齊主治。二十一日已。其見大深者、醪酒主治。百日已。色夭面脱不治。百日盡已。

 

語句の意味 揆度奇恒

 

揆度=きたく・疾病の診断にあたって病情と病処とを正確にはかり知ること。

 

揆度奇恒=きたくきこう・揆度とは測量と計量であり、奇とは特殊なものであり、恒とは通常のものをさしている。

診断にあたって、一般的な規律と特殊な変化をよく観察すれば、正確に病状を判断することができるとことを意味している。

また揆度と奇恒は<内経>に引用される二部の古医書名であるという説もある。

奇恒=古医経の篇名、または奇病のこと。

 

奇病=異常な病。東洋学術出版社素問玉版論要篇第十五

奇病=張景岳の説「病が支絡にありそのみちすじが経脈に及ばないので、奇病という。すなわち尋常でない疾病のことである」東洋学術出版社素問繆刺論篇第六十三

 

揆度=きど・病の浅深をはかる。鍼灸医学大系

奇恆=きこう・奇恆とは「独立してつねに変らぬ」というのが原義であるが、本文にいう奇恆とは次の岐伯の言によると奇病のことをいうているのである。

 そこで奇病とは何か。繆刺論篇第六十三第一節に

「夫れ邪の形に客するや、必ず先ず皮毛に舎す。留して去らずんば入りて絡脈に舎す。留して去らずんば入りて經脈に舎し、()りて五藏に連り腸胃に散ず。陰陽倶に感じて五藏乃ち傷(やぶ)る。此れ邪の皮毛より入りて五藏に極まるの次なり」とある。鍼灸医学大系

 

病邪が体に入ってくる順序は、必ず先ず皮毛に侵入します。侵入した病邪が留まって去らないと孫絡に侵入します。侵入した病邪が孫絡に留まって去らないと、病邪は絡脈に侵入します。侵入した病邪が絡脈に留まって去らないと、病邪は經脈に侵入します。經脈に侵入した病邪は、五藏に内()り、更に連なった腸胃に流れ散じます。此れは病邪が皮毛から侵入し五臓まで至る順序でございます。

 

これは外邪が生体にはいって病気を起すまでの次第であるが、かくして起きた病気が一般の病気(仮に正病という)で、これは奇病とはいわないのである。

次に「今邪皮毛に客(キャク)し入りて孫絡に舎(シャ・繆刺論篇では舍)し、留(リュウ)して去らず、閉塞して通ぜず。經に入ることを得ず。

大絡に流溢して奇病を生ずるなり」と朮示している。

つまり一般の病気は、邪が經脈を通じて五臓に入り、陰陽倶に感じて起るものであるが、奇病の方は邪が孫絡に留って經脈にはいることも出来ず、従って勿論五臓には無関係に又陰陽とも関係なく、単独に独立して起る病状である。

又病能論篇第四十六には「奇恆とは奇病を言うなり。

所謂奇とは奇病をして以て四時を得ざらしめ死するなり。

恆とは以て四時を得て死するなり」ともある。鍼灸医学大系 玉版論要篇

 

揆度・奇恒=「揆度」とは量を衡(はか)ることと比較すること。「奇」は異常、「恒」は正常。東洋学術出版社素問

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