おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
女性自身と漢方薬
p168女性が身につける香り高い香料は防腐剤・防臭剤の効力がある!
女性と男性が違うのは、女性が生理、受胎、出産という機能を持っていること、だから、男性よりも神経がこまかく、体を守るという防衛的な機能が備わっています。
唐時代の名著『備急千金要方・びきゅうせんきんようほう』を読むと、香りの高い香、室のなかで焚(た)く香、女性が身につける香水とか、婦人の着物の袖(そで)に入った香袋など、香りの高い薬剤は婦人科の処方のなかに入れています。
香りの高い薬剤は、防腐剤と防臭剤の効力をもっています。婦人が香水や香袋を身につけるのは、二つの効力が体の安全を守っているからです。
京都の清涼寺(せいりょうじ)の千年前の釈迦(しゃか)像の背中から、経文(きょうもん)や内臓が出てきた話はすでに書きました。
また、東大寺の正倉院からそれをさかのぼる二百年前の聖武(しょうむ)天皇や光明(こうみょう)皇后の書き物、中国の王義之(おうぎし)の書だとか、王冠、衣装が、虫食い一つなく、紙色も変わらずそのままの姿で保存されていたことも述べましたが、こんな千数百年前の宝物が、現在までどうして保存されていたかは、五十年前までは、詳細は分からなかったことです。
ただ、香薬が入っているということだけが知られていたのです。
『源氏物語』に出てくる〝えびの香〟というのは、光源氏が忘れられぬ女性の香りだといわれ、『源氏物語』の注釈をした与謝野晶子(よさのあきこ)も谷崎潤一郎も、香をくべたものとか香の一種とかと解釈を下してきたのです。『源氏物語』の書かれた平安朝には、すでに婦人は香りをつけたり、香を炊いていたのです。
これがわが国の香道のはじまりということになるのです。
釈迦像の内臓を調査したとき、絹の袋でできた腎臓や肝臓の中に香薬があり、少し絹の端が破れて中のものがこぼれ落ちているので、その内容物を調べてみたら、正倉院の宝物の中に入っている香とほぼ一致したのです。
そこで唐時代の古い中国の本に香について書かれたものはないかと、三十数巻を調べていたが出ていません。
ところが『備急千金要方』の婦人科の項に、口の臭(くさ)みを取る香辛料を主薬にした処方を記した項があります。
胃が悪いと口が臭くなるのですが、これには辛温の薬について数ページにわたって書いてあります。
それが〝えびの香〟のもとになる処方であったのです。
じつは、〝えびの香〟も釈迦像の香も、正倉院の宝物の香も、もとはこの唐時代の『備急千金要方』の「婦人科」の項にあったというわけです。
この香は、「沈香(じんこう)」と「白檀(びゃくだん)」と「麝香(じゃこう)」が、もとになっていました。
沈香というのは木が化石になり樹脂が固まったもの、樹脂が燃えるとにおいを出すわけです。
白檀は香の高いビャクダンの木のこと、腐らず、かびず、虫がつかない保存薬で木を削って気剤にもされています。麝香は東南アジアに群棲(ぐんせい)する麝香鹿という動物から取った香りです。
この三つの香のもとが保存剤になっていますが、同時にこれは人間の内蔵機能を守る薬剤でもあるのです。
その一部を肝臓や腎臓の薬として飲むと、気剤として気が晴れて爽快(そうかい)になる作用があります。
また、その香りをつけることは、皮膚や粘膜を守り、頭につければ毛を守ることになるわけです。
女性が身につける香水は、ヨーロッパでは長い歴史があります。
フランスのニースは、香水の町として知られています。
豚の脂肪を精製してにおいをしみ込ませたり、蜂蜜(はちみつ)にだって四、五十種類の香りがあります。
ラベンダーの蜂蜜だとか、ローズの蜂蜜は有名です。婦人が香りを身につけることには、皮膚や体を守ることと、気が晴れやかになるという効きめがあります。
化粧品にいい香りをつけるとか、石鹸に香りをつけてあるのは、気剤の効果があるからです。
香りの高い天然のものは、身につけても飲んでも保存料に使われても、カビを退け、腐らせず、気を晴らすという薬剤としての効力は失われないのです。
人間が自然のにおいを好むということは、いわば、においは人間の生活に欠かせない食物や薬剤と同じものだということです。
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