おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
現代医療の誤りを正す
第1章 漢方薬はなぜ効くか
体のバランスを考える
p63汗かき型は神経質の人、無汗型は体力のある人
人間にとってバランスとは、自然に返ることです。
春夏秋冬の気候や風土に人間が調和することです。
しかし、現代医学では科学という名でバランスが無視されてきました。
漢方は体の偏(かたよ)りを正常化し、人間のバランスを調和する哲学であり、漢方薬はその歪(ひず)みの調和剤なのです。
先に述べた陰陽虚実説は、漢方のバランスの哲学ですが、この哲学を後漢のころ、もっと実証的にわかりやすく説いたのが『傷寒論(しょうかんろん)』です。
この『傷寒論』は漢方の原典であり、人間の体質をいくつかのタイプに分類して考えているのです。
人間の体質には、汗かき型と無汗型があります。
つまり、いまふうにいえばウエットかドライかということです。
が、この二つのタイプは非常に違いがあります。
山陽地方のような乾燥地帯に住む人はドライで、雨の多い山陰地方に住む人はウエットだとかいいますが、これは大きく地域で分けた場合であり、各個人になるとまたドライかウエットかはいろいろです。
では、どうして二つのタイプを見分けるかというと、手を握ってみて手のひらが湿っているか、乾いているかではっきりとわかります。
湿っている人は汗かき型なのです。
汗かき型というのはよく手に汗を握るといいますが、非常に神経質な人です。
仕事をしながら汗をかくのは、皮膚は正常な場合は水分を気体で発散していますが、体内の水分が出しきれないと皮膚から水分を出します。
皮膚表面は、気体で出そうとして血液がどんどん流れていくわけです。そのため心臓は余分に働き、ちょうど漏電(ろうでん)しているのと同じことになるのです。
逆に無汗型、ドライな人は、まだ体力があり、皮膚から気体でどんどん出せます。
気体で出すために皮膚の汗腺(かんせん)が閉じたり開いたしますが、その調節力があるということです。
この場合は体の水分は、まだ汗で出す余裕があるので、発汗剤で出してやったらいいわけです。
人間は皮膚表面から水分を気体なり液体で放出して、体温を調整していますが、汗かき型はたえず気化熱で体温を奪っているので、扇風機にかかっているのと同じことになり、寒けがするわけです。
鼻から水分を出せば、鼻で体温を奪っていくのですから、クシャミが出るのです。
その人間の体の異常の前兆を、手を握ってみることだけでも、汗かき型か無汗型かとらえることができます。
これは漢方でいう証(改善薬の決め手)として重要な要素になるのです。
汗かき型と無汗型で、使用する漢方薬が全然違ってくるのです。
手が湿っている人は気剤で汗を発散させてやればいい。
気剤の代表的な薬に「桂枝(けいし)」というのがあります。
よく子どものころ、夜店で買って飲んだ肉桂水(にっけいすい)――しゃぶった肉桂の香りが高くて辛(から)い味――じつはこれが桂枝なのです。
桂枝には湿りを乾かしてくれる気体で出してくれる効きめがあるのです。
反対に無汗型は汗をかかせなければなりません。
その場合、桂枝に「麻黄(まおう)」という薬を加えて使います。
これを間違って与えるとたいへんなことになります。
湿った人に汗を出させる麻黄を与えると肺炎にならないともかぎりませんし、乾いた人に乾かす薬の桂枝を飲ませると、心悸亢進(しんきこうしん)を起こすかもしれません。
店頭で売っている漢方薬にはこの二つの種類、麻黄の入った薬と桂枝の入った薬があります。
婦人病の漢方薬など、麻黄が必要な無汗型の人が桂枝の入った婦人病薬を飲んだりすると、いつまでも出血が止まらないことがあります。
これはいいかえると、漢方薬が人間の体質に応じて、的確に薬が効くように処方されているということです。
汗かき型と無汗型は、漢方流に理屈っぽくいうと、陽虚証と陽実証ということになり、体質のバランスをみる物差しになっているのです。
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