おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 平人氣象論篇 第十八
第二節
春胃微弦曰平。弦多胃少曰肝病。但弦無胃曰死。胃而有毛曰秋病。毛甚曰今病。藏眞散於肝。肝藏筋膜之氣也。
夏胃微鉤曰平。鉤多胃少曰心病。但鉤無胃曰死。胃而有石曰冬病。石甚曰今病。藏眞通於心。心藏血脈之氣也。
長夏胃微耎弱曰平。弱多胃少曰脾病。但代無胃曰死。耎弱有石曰冬病。弱甚曰今病。藏眞濡於脾。脾藏肌肉之氣也。
秋胃微毛曰平。毛多胃少曰肺病。但毛無胃曰死。毛而有弦曰春病。弦甚曰今病。藏眞高於肺、以行榮衛陰陽也。
冬胃微石曰平。石多胃少曰腎病。但石無胃曰死。石而有鉤曰夏病。鉤甚曰今病。藏眞下於腎。腎藏骨髓之氣也。
語句の意味 2-2
散=発散すること。
筋膜=肌肉の肌腱部分で、関節に付着している部分を筋とし、肌腱の外を包んでいるものを筋膜という。筋と筋膜の生理機能は肝によって主持され、同時に肝血によって養われるので「肝は筋を主る」といわれる。
筋膜=人体を構成する薄皮組織の一つで、筋の外を包んでいる膜のこと。
肝血=肝臓が蓄えている血液。
鉤=鉤(鈎)脈・<素問陰陽別論>「一陽鼓するを鉤という。」
<注>「一陽とは三焦の心脈の府をいう。しかり一陽鼓動する者は則ち鉤脈也。まさにこの鉤脈は則ち心脈なるべし。・・・」
<難経十五難>「夏の脈は鈎、心は南方の火なり、万物の茂する所、枝垂れ、葉を布き皆下曲すること鈎の如し、故にその脈の来ること疾く、去ること遅し、故に鈎と曰う。」
<同>「夏の脈は鈎、反するものは病となす、何を反すと謂う。然る也。その気来ること実強、是を太過という。病外にあり、気来ること虚微なる、是を不及という。病内にあり。その脈の来ること累累として環の如く、琅玕を循るが如きを平という。来りて益々数、鵜の足を挙ぐるが如くなるものを病という。前曲り、後居して帯鈎を操るが如くなるを死という。夏の脈は微鈎なるを平という、鈎多く胃の気少きを病という。但鈎にして胃の気なきを死という。夏の胃の気を以て本となす。」
微鉤=夏は心を主り其の脈は鉤にあたる。故に夏の脈はわずかに鉤の気味を有するのが平脈である。鍼灸医学大系
石脈=<難経十五難>「冬脈石なるものは、腎北方水也。万物の蔵する所也。盛冬の時は、木凝し石の如し。故に其の脈の来たること沈濡にして滑。故に石という。」
沈=沈脈のこと。
沈脈=脈象の一種。この脈は軽くとると応じないが強く押さえると得られる。病が裏にあることを示している。沈でしかも力のあるものは裏実、沈で力のないものは裏虚である。八裏(微・沈・緩・濇・遅・伏・濡・弱)の脈で陰脈である。
耎=ぜん・よわい。やわらかい。
代=代脈・脈象の一つ。脈の到来が緩弱で、規則的な休止があるもの。この脈は、臓気の衰弱を主り、心臓疾患・驚恐・打撲の重症なものなどにみられるが、また妊娠後期にも見られるので、これは区別しなければならない。<診家正眼>「代・・・・止に常数あり、自ら還る能わず、やや久しくして即ち動ず。」
代脈=脈の拍動が一定の回数になると止まる脈
濡=軟(濡)脈・脈象の一つ。脈は浮小で力なく、軽く按ずれば得、強く按ずれば不明瞭
となるもの。亡血傷陰あるいは湿邪留滞の証に多くあらわれる。
<脈経>「濡は、綿衣水中にあるが如し、手に軽く相得る。」
藏眞高於肺=藏の眞は肺に高(のぼ)る・充実した気力は肺に貯えられる意である。鍼灸医学大系
栄=営に同じ。
栄気=営気・飲食物から生じ経脈中をめぐり全身を栄養する精気のこと。
衛気=体表を保護し外邪の侵入を防ぐ気。衛陽ともいう。
営・營=飲食が変化して生じた精微な物質。
<素問痹論>に「営は水穀の精気なり」とあり、この種の物質は脾の気化作用に従って肺に運ばれ、経脈中を行り、臓腑と身体各組織に均しく分布される。
営衛=営気と衛気のこと。両気とも同一起源、つまり水穀の精気の化したものである。営は経脈中を行り全身を栄養する作用がある。衛は脈外を行り身体を防衛するはたらきがある。一般に営衛は主に機能面をあらわし、気血は物質的基礎面をあらわしている。気血の運行にしたがって営衛の作用が発揮される。
<素問・陰陽応象大論>
には「陰は内にあり、陽の守りなり。陽は外にあって、陰の使なり」とある。この陰は営血をさし、陽は衛気をさし、これらの陰陽、内外、守(内を守る)、使(運行)などの対立する言葉は営衛気血の相互に依存する関係を示している。清代の葉天士は<温熱論>中で、これに基づいて温病の伝変を衛気営血の四段階に分け臨床上の弁証施治の綱領を作った。<霊枢営衛生会>参照。
陰陽
行=そういう働き(作用)を行うという意である。鍼灸医学大系
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