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p65太りすぎの人は寿命が短く、痩せ型の人は栄養の吸収が悪い!

2012-05-13 06:00:00 | 日記

おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です

薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』

 

現代医療の誤りを正す

 

第1章 漢方薬はなぜ効くか

 

体のバランスを考える

 

p65太りすぎの人は寿命が短く、痩せ型の人は栄養の吸収が悪い!

 最近「太りすぎて困る」という訴えをよく聞きます。

肥満体の人はいろんな障害を起こす恐れがあるので油断できません。

一つ実例を紹介しましょう。

 京都の陶芸家のAさん――この方は太っていて、二年ほど前、脳出血で倒れ半身不随になりました。

入院治療していちおうよくなったのですが、右手にしびれが残って仕事ができなくなりました。

Aさんは真剣に自殺まで考えました。

 このような症状に効力がある薬の一つが「防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)」です。

Aさんは二ヵ月あまりで体重が六、七キロ減り、体が締まってしびれもとれて、たいへんに喜ばれました。

Aさんの当時のカルテを紹介しますと、以下のとおりです。

Aさんのカルテ(2年前)
身長165cm 体重75kg

体質 冷えのぼせ

性質  短気

全身  疲れやすい

皮膚  汗かき

血圧  高い

大便  快便でない

頭    重い

首肩背 肩こる

この症状は、肥満体質の人に共通したもので、自分が太りすぎかどうかを計る目安となりますから、知っておくと便利です。

 それは、身長から一〇〇を引いた残りの数字が標準体重と考えていいわけです。

例えば身長が一六〇センチの場合、一六〇マイナス一〇〇、つまり六〇キロが標準です。

 ただし、背の低い人で、一五〇センチ以下の場合は、さらに一割引いた数字、つまり一五〇マイナス一〇〇=五〇、その一割の五を引いた四十五キロが標準となります。
(現在では、身長メートル×身長メートル×22が適当と思われます。)

 

 肥満体とは、太っているだけに全身に血が十分回りにくいわけです。

したがって十分に血液を送るためには、いつも常人以上に心臓が働かなければなりません。

片足一本分くらい太っている人、両足分も太っている人がいます。人間は電気や水道ではありませんから、太っている部分だけ時間給水や停電というわけにはいきません。

生きているかぎり余分に心臓を働かさなくてはならないのです。

「大男総身(そうみ)に血(知恵)が回りかね」という状態です。

 しかし、人間の心臓は一つですから、あまり働かせすぎると空回りして、オーバーヒートすることになります。

ですから、太った人は、体が大きいだけたえず忙しく血液を送らねばならないし、そのためにも栄養も人より多く摂らなければ体を維持できなくなるわけです。

 食事の量が多くなれば老廃物も多くなり、それが出しきれないで体内にたまってくると、「滞水」とか「血滞」が起こってくるのです。

太った人はそれだけ寿命が短くなるのは当然ですし、昨日まで元気にしていた人が、ころりと心臓麻痺(まひ)や狭心症で倒れたりするのは、見かけ倒しで心臓がオーバーヒートしていたことが原因なのです。

 先に問題の多い肥満体のことを説明しましたが、人間には肥満型がいれば、痩せ型もいます。

痩せ型の場合、こんどは心臓に問題は少なく、問題なのは水の停滞です。

 水分代謝が順調に行われないため、栄養の吸収が悪いのです。

胃や腸はちゃぷちゃぷになっていて、いくら食べても素通り同様という状態です。

これは摂ったものを体外へ出す機能のバランスが崩れている証拠なのです。

 肥満型と痩せ型の二つのタイプを漢方で扱うには、肥満型は、四六時中寝ても覚めても人一倍心臓に負担がかかっているのですから、それを助けるために血液循環を助けたり増血作用のある寒性の血剤(苦味剤)や、温性の血剤「川芎・せんきゅう」だとか「当帰」を入れなければなりません。

 痩せ型は水分代謝が悪いわけですから水剤を入れるのが原則になります。ふつう、症状にもよりますが、「五苓散(ごれいさん)」や「苓桂朮甘湯(りょうけいじゅつかんとう)」などを用いることになるのです。

肥満と痩せでは同じ病名、病症でも漢方処方がまったく違ってくるのです。

漢方薬の薬効表現方法(薬物選定の物差し)

1 病名

2 生理作用 (薬理作用) 1及び2が西洋医学の方法論

3 陰陽・寒熱(病像)

4 気・血・水(病因)

5 薬味・薬性(陰陽五行と病位病状・寒熱)

6 三陰三陽と経絡(病位病状・寒熱・引経)

7 証・病症群(薬物の証と処方の証)

8 補瀉(補助益生剋と陰陽五行)

9 汗吐下利和の五原則(治療方針)

10 調剤原則(処方構成の原理)

11 禁忌

1から11までが漢方の方法論

 漢方が救う人体危機西洋医学一辺倒からの脱出

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