おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
薬学博士渡辺武著『漢方が救う人体危機』
現代医療の誤りを正す
第2章 漢方はどう診断するか
〝気〟のやまい(気毒症)の原因とその対処法
p111女性の男性化は頭に血液が流れ腎臓・子宮がお留守になるからだ!
女性の解放運動は年々盛んになってきました。
男女差別の撤廃、平等は、戦後、日本でも憲法で保障され、最近は社会的習慣や職場、私生活、経済面から性の自由にまで及んでいます。
いわゆる女性の男性化が進行しているのです。
これはいったい、漢方医学でいうとどういうことになるのでしょうか。
男女の権利を平等にするのはけっこうなことですが、現代医学でも女が男になるわけにはいかないし、また、男が女になるわけにもいきません。
女性と男性では、体の機能が全然違っているわけです。
早い話、脈ひとつとっても、男脈と女脈では、たいへんな違いがあります。
男性は頭や手足を使い、血液が上に流れているので脈は強く、女性は下腹部に子宮という大切な器官があるので、下に血液が流れて上半身の血行を示す脈は弱いのが正常なのです。
だから、女性が頭を使ってかっかして、男性と同じようなことをしていれば、血液は頭に流れて、下の器官がお留守になるのが当然です。
逆に男性が女性化する場合は、血液が頭に回らなくて下に多く流れることになります。
男性は頭に血液が流れるのはふつうですが、女性が頭に血がのぼれば、それだけ負担がかかっていることなのです。
職場で男性と同じ仕事をしている女性は、男性と同じ機能に慣らされているのです。
頭に血液が流れて下の腎臓や子宮がお留守になっているのですから、女性機能が衰え、冷えで生理も不順になりがちですし、セックスも億劫(おっくう)になり、だんだんと不感症になってきます。
近ごろ、子供を愛せないと訴える女性がふえてきました。
もちろん社会的な問題もありますが、女性の男性化も一端の理由です。
女性の母性的な感覚や本能は、女性が女性であることの自然から生まれてくるものなのです。
頭を使ってかっかしているということは、頭や皮膚から気体を出していることで、心臓はよけいに働きつづけているわけです。
一般に男性は四六時中、頭を使ってかっかして働き妻子を養ってきました。
頭、体力、腕力を使っているのですから、心臓は男性のほうがより酷使(こくし)されていることになります。
男性と女性の生命の維持ということからみても、国連の人口統計調査では、男性よりも女性の方が長生きする結果が出ていますし、日本でも今年の平均寿命では、女性の方が七歳くらい長生きしています。
男性が心臓や内蔵機能を使いすぎている証拠です。
成人病(近ごろは生活習慣病という)はまず眼や鼻、そして耳の機能が衰えてきます。
男性は頭に血液が回らなくなると老化がはじまるのです。
ですから、女性が逆に頭を使ってかっかして男性化していくことは、老化に拍車をかけていることになるのです。
少なくとも漢方という人間の自然から男女を見た場合、女性の解放は女性が人間であるべき権利であって、女性が男性化する権利ではないのではないでしょうか。
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