おはようございます昌栄薬品の宮原 規美雄です
黄帝内経素問 三部九候論篇 第二十
第三節
帝曰。所謂三部。
岐伯曰。有下部。有中部。有上部。部各有三候。三候者、有天、有地、有人也。必指而導之、乃以爲眞。
上部天兩額之動脈。上部地兩頬之動脈。上部人耳前之動脈。
中部天手太陰也。中部地手陽明也。中部人手少陰也。
下部天足厥陰也。下部地足少陰也。下部人足太陰也。
故下部之天以候肝、地以候腎、人以候脾胃之氣。
語句の意味
指=シ。ユビ。手指でさし示す。さしずする。おもむく。旨・むね。意向。おもむき。わけ。
導=ドウ。ミチビく。教える。指導する。道案内をする。手びきをする。さそう。案内者。指導。さきがけ。
指導=教えみちびく。
眞=マ。まこと。正しい。まじりけない。まことの。うそいつわりがない。正確の意。中心の意。普通の。ほんとうの。にせものでない。飾りけがない。ありのまま。
上部=①頭面をさす。
<素問三部九候論>「三部に下部あり、中部あり、上部あり。上部の天は兩額の動脈なり、上部の地は兩頬の動脈なり、上部の人は耳前の動脈なり。天は以て頭角の気を候い、地は以て口歯の気を候い、人は以て耳目の気を候う。」
②身体の上半分および上にある臓腑をさす。
<難経十四難>「上部に脈あり、下部に脈なければ、其の人まさに吐すべし、吐せざるは死す。上部に脈なく下部に脈あれば、困するといえども害を為すことあたわず。」
兩額之動脈=足少陽胆経・額の陽白を通るのであれば。旧カネボウ漢方経絡と経穴
上部の天は両額の動脈なり・鍼灸医学大系
*王冰の注に「額の両傍に在り。動手に応ず。足の少陽の脈気の行く所なり」とあり。
足の少陽胆經の經路で搏動の手に応ずる所、懸顱(ケンロ)穴、懸釐(ケンリ)穴附近(側頭動脈)
両額の動脈・東洋学術出版社素問
張志聡の説「太陽は諸陽の中の主たる気である。その経脈は額に上って巓で交わり、脳で会し、項(うなじ)に出る。だから上部の天では頭角〔頭頂の左右の突出部分〕の気を候うのである」。すなわち、両額の太陽穴部分を指し、足の太陽膀胱経脈に属する。
頬車=きょうしゃ・経穴名。足陽明胃経に属し、機関、鬼林、曲牙、牙車(がしゃ)ともいう。
兩頬之動脈=承泣・四白・巨膠・大迎・頬車へ走行するので足陽明胃経。旧カネボウ漢方経絡と経穴
耳前動脈=耳前の陥凹したところにあり、絲竹空・和髎穴などの所にあたる。手の少陽脈気の行るところである。<霊枢厥病篇>「耳鳴は、耳前の動脈を取る。」
関衝から始まり・・・耳門・和膠・絲竹空とあるは手少陽三焦経。旧カネボウ漢方経絡と経穴
上部の人は耳前の動脈なり・鍼灸医学大系
*王冰の注には「耳の前の陥なる者の中に在り。動手に応ず。手の少陽の脈気の行く所なり」とある。
手の少陽三焦經の經路で、耳の前の陥所耳門穴の附近で、動脈手に応ずる部位
耳前動脈・東洋学術出版社素問
すなわち、耳門穴部分を指し、耳の前の筋肉のくぼみにあり、手の大腸小腸経脈に属する。
中部=①脈の関部のこと。
<素問三部九候論>「三部に下部有り、中部有り、上部有り。」「中部の天、手の太陰なり。中部の地、手の陽明なり。中部の人、手の少陰なり、・・・天は以て肺を候い、地は以て胸中の氣を候い、人は以て心を候う。」
②体の中央をさす。
<難経>「手の心主少陽の火は、足の太陰陽明の土を生ず。土は中宮を主る。故に中部にあるなり。」
手太陰也=手太陰肺経
1中府2雲門3天府4侠白5尺沢6孔最7列欠8経渠9大淵10魚際11少商 旧カネボウ漢方経絡と経穴
手陽明=手陽明大腸経 旧カネボウ漢方経絡と経穴
中部の地は手の陽明なり・鍼灸医学大系
*王冰の注に「大陽(大腸?の誤りではないか)の脈を謂うなり。手の大指と次指との岐骨の間、合谷の分に在り。動手に応ず」とある。
手の陽明大腸經の經路で、合谷穴の附近、動脈の手に応ずる部位(撓骨動脈の分枝)。
手少陰=手少陰心経 旧カネボウ漢方経絡と経穴
下部=①脈の尺部のこと。②体の下部のこと。
足厥陰=足の厥陰肝経 旧カネボウ漢方経絡と経穴
足少陰=足少陰腎経 旧カネボウ漢方経絡と経穴
足太陰=足太陰脾経 旧カネボウ漢方経絡と経穴
足太陰・東洋学術出版社素問
衝陽穴に位置し、足の甲の上五寸のところにあり、足陽明胃経脈に属する。
赤い字の文言は誤りではないか?
漢方用語大辞典、新・東洋医学辞書
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