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「美の巨人たち:梅原 龍三郎」
梅原龍三郎はの「竹窓裸婦」が本日鑑賞絵画の一枚です。
では、以下「美の巨人たちの番組の流れに従いながら、彼の
世界を覗いてみましょう。
20歳の大胆な青年は、フランス・コートダジュールのルノワール
のコレット荘を訪ねます。
数々の画家に惹かれながらも、引かれながら、思考錯誤の結果
巨人ルノワールの色彩にたどり着きます。
いきなり訪問した梅原を長年の弟子や友人のように意気投合し
ルノワールは5年間で、彼の持つ色彩の魔力を授けます。
すでに、リュウマチで絵筆を包帯で縛りながらの執筆活動。
梅原が学んだものは、「調査は最も弱い色の最も強いコントラスト
によって生まれる。」の一言に代表される。
ルノワール自身も梅原の才能を次の言葉で表現した。
「君は色彩をもつ。デッサンは勉強で補えるが、色彩は気品・気質
によるものだ。」・・・梅原の天性の才を認められる。
順調に進んだ、欧州生活後、日本に帰国。
しかしながら、日本の画壇では受け入れられなかった。
酷評から学び、自分の世界を生み出すまで、
梅原は20年の歳月を苦悶する。
苦悶の生活から救いだしたのは、ルノワールの死であった。
まさに、愛する弟子(出を友人)を導くように。
梅原は再び欧州の地で復活を図る。
そこで、生み出したのが「緑青」の色彩である。
欧州と違う日本の色彩。
国により違う色彩、それは、光の性質の違いであった。
鈴木春信や唐獅子図屏風の色彩感覚からたどり着いた「緑」
こそが、梅原の日本的色彩であった。
一見、怖いような緑であるが、
日本の自然とくに、緑の自然から与えられる「光」を
描く。
裸婦の白い肌にバックの竹林の緑と3箇所の赤。
ルノワールに学び、たどり着いた「日本」の色彩。
生命の喜びという根本概念はルノワールを生かし、
梅原独自の色を生み出した。
岩絵の具と油絵の融合!
最後に、梅原の言葉を記載したい。
「ルノワールに会ったことで根本を迷う事はなかったので
やはり結局は徳をしているのかも知れぬ。」
ルノワールの呪縛から苦悩した梅原自身の含蓄ある言葉である。
人の成長に必要な要素がここにあるような気がする。
日本の色を求めた梅原龍三郎。
多くの日本人が彼を知ることから始めたい。
日本のよさを再発見する意味で。
本人のプロフィールを知りたい方は
:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%85%E5%8E%9F%E9%BE%8D%E4%B8%89%E9%83%8E
作品紹介:大原美術館(倉敷)
http://www.ohara.or.jp/200707/jp/menu.html
残念ながらウェブ展示はされていません。
なお、竹窓裸婦で検索すると多くの観賞ブログがあるみたいですね。
上記の画像は書籍紹介です。
推薦:高峰秀子さんの梅原像です。
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