川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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美の壺:門

2011-01-23 18:30:32 | 美の番組紹介
美の壺:門


門、それは出入り口。
建物への出入り口、
しかし、母屋以上に贅をしつらえた門がある。


まずは、寺院の門を見ることを番組では紹介する。


<美の壺1:見上げてくぐれ寺院の門>


東大寺南大門から始まる。
二層の門構えは、格式ある門構えである。
巨大な屋根は意味があるのだろうか。
門を潜れば左右に仁王像を見る。
さらに、見上げれば貫が縦横に走り、奥深い
天井まで見上げることが出来る。
そこには、圧倒的な空間がある。


まるで、訪問者の心の準備を促すようだ。



日光の陽明門は色彩鮮やかな木組みや彫刻がある。
寺院の門とは思えないような、彫刻である。

遊戯の彫刻

まるで子供が安心して遊べる世界を希求する
かのように。


幕府の安泰と平和を祈る門であろうか。



幕府の門といえば、城の門をどういう意味があるの
だろうか。




<美の壺2:二重の内に仕掛けあり>


城の要は二重の門にあり。

外側からの門を高麗門という。
さらに内側の門を90度(直角)に配置した櫓門がある。
2つの門で囲まれた空間を枡形という。
この枡形に戦時の工夫が込められていた。


まず、高麗門であるが、八双金具に代表されるように、
非常に威圧的な門構えである。
乳金物もまるで、生き物のように、迫るものを圧する。
分厚い扉、威圧的な金物で覆われた、外と内側を隔てる
巨大な扉。


次に、櫓門。
こちらは、倉庫と城壁をかねている。
武器倉庫であると同時に、戦時の城壁である。
鉄砲・弓・落石等の防衛武器が常備されていた。


実は、2つの門を二重に平行に重ねていないことが
ミソである。
戦時、押し寄せる大群から身を防ぎ、敵を殲滅する。
2つの門で区切られた狭い空間に敵を閉じ込め、
一斉に攻撃する。
なかなか、当時としても、考え抜かれた構造である。


では、平時の門はどうであろうか。


<長屋門の構えに格式あり>


江戸の武士家では、格式により門が決められていた。
格式ある大名家の門は両番所を備えていた。
番所とは、見張りの武士が控える場所。
左右両方にこの番所があった。
番所とは、生活が出来るような空間であり、
単なる見張りの小屋ではない。


今の警察官の駐在という程度ではない。
むしろ、交番がそのままあるというぐらい。


歴史を知ると面白い。


芋太郎も番組で学習した後、近隣の名家の門を
それとなくいくつか眺めて見ました。
皆様も寺院の門、城の門、武家の門、豪農の門と
それぞれに眺めて、その歴史を体験してみよう。


知とは、かくも楽しいものなり。
美の壺企画の皆様、ありがとう。
そして、今後も各種の美をお届け願います。


平成21年1月23日 川越芋太郎


文豪の装丁 (NHK美の壺)
クリエーター情報なし
日本放送出版協会



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