川越芋太郎の世界(Bar”夢”)

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一言メッセージ・「美」の探訪ブログです。短編小説などもあります。

鳥居のある風景

2009-08-04 15:17:41 | 「美」発見
鳥居のある風景―Ancient Grace
ジョニー ハイマス
東方出版

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「鳥居のある風景」  写真家:ジョニー・ハイマス


われわれ日本人にとり、「鳥居」とは何でしょうか。
特に現代人にとり、何を示唆するのでしょうか。
その答えが本書の写真の中に隠されているような気がします。

まず、目次ページの日没時の鳥居
第一ページの日の出時の鳥居
この二枚から何を感じるのか。感じないのか。

「序」の文章で、森本哲朗氏が語る一文を引用します。
「京都稲荷の千本鳥が・・・聖域への幻想的な道行を
作り上げています」「鳥居は神域への門である。」

そう、結界の内と外の境門である。
鳥居の形そのものが語る物語がある。

「天の岩戸」に身を隠した天照大神を祠から出すために
岩との前に木を立て、横木に鶏を並べて鳴かせた。」
と言う伝説。・・・まさに、鶏居ですね。

自然をいつくしむ日本の伝統は、自然(山水)への畏敬と思慕
そして、自然との共生をその精神とする。
一神教にはない、全ての慈しみと畏怖の念を込めて「神」という
像を確立しているのではないでしょうか。

本写真集を見てみると気持ちが洗われます。
もし、この数枚の写真を目前の自然として、体験できたら
どんなに素晴らしいか。
写真集という小さな世界ですが、写真家ハイマスの精神の結晶
ではないでしょうか。
凛とした空気は私たちのDNAに響くものがあります。
ぜひ、実体験が無理なら、大画面で見てみたいものですね。

最後にジョニー・ハイマス自信の言葉を紹介します。
「35年前に、始めて日本を訪れたとき、私は瞬時にこの国に
見せられ、病におかされた。日本の古の美に恋してしまった。」
体験談として、
青い目の写真家が鳥居の下で就寝中に、嵐による
倒木から鳥居が守ってくれた体験を披露している。
自然への畏怖と感謝を込めて、彼はこの体験を語る。
信仰が違っても、八百神を敬う考え方は生まれるものですね。

これからの世界は有限の資源と環境の変化という未曾有の状況に
突入します。どうやら、古の日本精神が鍵となるかもしれません。
まずは、われわれ現代日本人がその精神を学ぶ時ではないで
しょうか。

末尾に、私が好きなショットを紹介します。
最終ページ132の一枚です。
まるで、結界の内から外を見るような冬の鳥居の一枚。
なぜか、この一枚を見ると、激しい中に、慈しみの気持ちが
湧き上がる。神がいれば、このように、見ているのだろうか。

参考:アマゾン
http://www.amazon.co.jp/s/ref=nb_ss_gw?__mk_ja_JP=%83J%83%5E%83J%83i&url=search-alias%3Daps&field-keywords=%92%B9%8B%8F%82%CC%82%A0%82%E9%95%97%8Ci

美の巨人たち:梅原 龍三郎

2009-08-03 12:09:42 | 美の番組紹介
梅原龍三郎 (新潮日本美術文庫)

新潮社

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「美の巨人たち:梅原 龍三郎」  


梅原龍三郎はの「竹窓裸婦」が本日鑑賞絵画の一枚です。

では、以下「美の巨人たちの番組の流れに従いながら、彼の
世界を覗いてみましょう。


20歳の大胆な青年は、フランス・コートダジュールのルノワール
のコレット荘を訪ねます。
数々の画家に惹かれながらも、引かれながら、思考錯誤の結果
巨人ルノワールの色彩にたどり着きます。

いきなり訪問した梅原を長年の弟子や友人のように意気投合し
ルノワールは5年間で、彼の持つ色彩の魔力を授けます。
すでに、リュウマチで絵筆を包帯で縛りながらの執筆活動。

梅原が学んだものは、「調査は最も弱い色の最も強いコントラスト
によって生まれる。」の一言に代表される。
ルノワール自身も梅原の才能を次の言葉で表現した。
「君は色彩をもつ。デッサンは勉強で補えるが、色彩は気品・気質
によるものだ。」・・・梅原の天性の才を認められる。

順調に進んだ、欧州生活後、日本に帰国。
しかしながら、日本の画壇では受け入れられなかった。
酷評から学び、自分の世界を生み出すまで、
梅原は20年の歳月を苦悶する。

苦悶の生活から救いだしたのは、ルノワールの死であった。
まさに、愛する弟子(出を友人)を導くように。
梅原は再び欧州の地で復活を図る。

そこで、生み出したのが「緑青」の色彩である。
欧州と違う日本の色彩。
国により違う色彩、それは、光の性質の違いであった。

鈴木春信や唐獅子図屏風の色彩感覚からたどり着いた「緑」
こそが、梅原の日本的色彩であった。
一見、怖いような緑であるが、
日本の自然とくに、緑の自然から与えられる「光」を
描く。
裸婦の白い肌にバックの竹林の緑と3箇所の赤。

ルノワールに学び、たどり着いた「日本」の色彩。
生命の喜びという根本概念はルノワールを生かし、
梅原独自の色を生み出した。
岩絵の具と油絵の融合!

最後に、梅原の言葉を記載したい。
「ルノワールに会ったことで根本を迷う事はなかったので
やはり結局は徳をしているのかも知れぬ。」
ルノワールの呪縛から苦悩した梅原自身の含蓄ある言葉である。

人の成長に必要な要素がここにあるような気がする。
日本の色を求めた梅原龍三郎。
多くの日本人が彼を知ることから始めたい。

日本のよさを再発見する意味で。


本人のプロフィールを知りたい方は
:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A2%85%E5%8E%9F%E9%BE%8D%E4%B8%89%E9%83%8E

作品紹介:大原美術館(倉敷)
http://www.ohara.or.jp/200707/jp/menu.html
残念ながらウェブ展示はされていません。

なお、竹窓裸婦で検索すると多くの観賞ブログがあるみたいですね。
上記の画像は書籍紹介です。

推薦:高峰秀子さんの梅原像です。
私の梅原龍三郎 (文春文庫)
高峰 秀子
文藝春秋

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現代美術家 草間 彌生さんのご紹介

2009-08-02 10:42:12 | 「美」発見
クサマトリックス/草間弥生
森美術館
角川書店

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現代美術家 草間 彌生さんのご紹介


彼女のまず、ユニークな存在感に触れてみてください。
好みが多い美術界において、その味たるやかすれられない魅力をたたえている。

作品はさらに興味深い。
前衛的で斬新で、立体があれば平面もある。
ユニークでかわいらしい作品群である。
世界の人々が魅了されるのも無理は無い。

45回ベネチアビエナーレで世界参加以来、
次から次へと高い評価の作品を世界に送り出している。

評価の表現を借りれば、
「目もくらむ」「魔法をかけられたよう」などなど肯定的な評価が多い。
それもそのはず、
「宇宙の神秘た永遠へのあこがれを表現する」と彼女は語る。

ぜひ、彼女こと草間さんの魅力ある作品に触れてみてください。
観るだけでなく、触れことも大切です。(笑)

参考として、下記のアドレスを表示します。(見るだけになりますが)
最近は携帯電話や関連グッズも出ているようです。
こちらは、私達も手に入れられますね。

蝶 キーリング : 草間彌生

ラムフロム

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1,ニアイコールシリーズ第5弾。前衛芸術家・草間彌生を追ったドキュメンタリー。
http://www.kusama-loveforever.com/

2.作品を見てください。
 http://www.yayoi-kusama.jp/j/information/index.html
 http://image-search.yahoo.co.jp/search?ei=UTF-8&fr=top_ga1_sa&p=%E8%8D%89%E9%96%93%E5%BD%8C%E7%94%9F

なお、記憶ですが、「美の巨人たち」の番組で過去紹介されてましたような。

上野不忍池の蓮

2009-08-01 17:24:31 | 「美」発見

東京の上野公園といえば、数々の美術館や博物館と芸大で有名です。
無論、古くは、彰義隊や西郷さんに関わる「あの上野山」です。
8月1日、ようやく休みが取れて、家族で観に行きました。

池一面が蓮の花。まるで・・・。
幸せな時間でした。
あう人もみななんとなく幸せそう。
あなたも、蓮の花で日頃の「もやもや」を解消しましょう。