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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

教材作成に従事して(7回シリーズその3)

2013年02月05日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 教材作成は、教科編成指導要領に従って、課程別、職種別に作成することになっており、教科編成指導要領は旧労働省の職業訓練局で作成されたものである。教科編成指導要領については、省内の部局で随時改定が行われている。年度開発作成計画が決まると、作成する教科ごとに学識経験者、業界の専門家、大学の教授等で組織された委員会を発足させ、別途定めた教材作成要領、執筆要項に沿って、開発が進められる。委員の中で、執筆者と校閲者を選任し、タイムスケジュールを決め、執筆の範囲と深さの調整をする。場合によっては、事前の打ち合わせに数回の分科会を持つこともあるが、新規作成でない場合は、改訂対象となる教材の前執筆者を再任させるため、比較的順調に進む場合が多かった。

 新規の作成においては、すべてがオリジナルとなるため、図・表等は最新の物を使用し、他の著者が作成した専門書からの引用については、後々問題となる著作権の許諾をもらっておかなければならず、原則、執筆者が行うこととしていた。

 執筆終了後は、校閲へ出す前に、執筆内容の精査や、執筆要項に沿っているか、レベルと表現方法の点検を担当者の方で行うが、執筆者との個別の打ち合わせは、苦労の多い仕事である。特に、専門用語の使い方は、執筆者によって、ニュアンスが異なることもあり、自分にとっては上司であり、業界の重鎮の方に、細部の変更を依頼するのは大変骨が折れる仕事であった。

 校閲を終了しても、例えば、洋裁科の教科書は、ドレメ服装学院の方と、文化服装学院の方を呼んで、両者の執筆者に教科編成要領に基づき執筆を依頼しても、どちらの系統でも使える内容とはならない。流派がある造園科でもそうである。建築構造なども、北海道と九州とでは、基礎構造から異なるため、全国にあう教材の作成は困難となる。そのような場合には、開発計画の前段階での調査が必要で、使用できない教材を作っていたのでは担当者として申し開きができない。(次回へ続きます)