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近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

環境汚染問題と対応(4回シリーズその2)

2013年02月25日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 専門領域での研究、研究対象の多様化や高度化が進み、対応が試みられてきている。特に、厚生労働省健康局生活衛生課が進める政策についてはシックハウス対策として、原因分析、健康基準値と測定法の基準、防止対策、相談体制整備、医療・研究対策、汚染住宅の改修の6項目を政策の柱として、関係省庁が連携して、推進している。

 筆者の反省を含め、読者の皆様には他山の石と思っていただきたいこととして、従来、多少なりとも、塗料・塗装作業者の中には劣悪環境を肯定する者もおり、監督者においても現場の環境の悪さを「慣れれば問題なし」とするむきもあった。つまり、先入観として溶剤の臭気や原料の臭気は除去できない、毒性もさほど影響がないと勝手に判断してきた。

 このことは職業が持つ諦めがあったように思える。指摘したい点は症状があったとしても医療現場との結びつきが希薄で、専門医師は皆無に等しく、労働福祉事業団から移管された独立法人労働者健康福祉機構の労災病院においてすら、実証的治療のデータや療法の基準はほとんど公開されていないということである。東京労災病院に環境医学研究センター(シックハウス科)が平成14年5月に設置され、本格的な診療を行っているが、残念ながら全国的には展開されていない。重い症状が出てから病院へ駆け込んだとしても、現場での経験の乏しい医師が原因究明に当たり、分析に手間取っている間に症状の悪化や、慢性化する例もあるようだ。原因がはっきりしない分野は責任の所在を見つけにくいし、緩慢な症状で推移する場合など、個人的体質の問題として片づけられやすい。(次回へ続きます)