ユリカモメは多摩川の中流に位置する宿河原堰にも集団で飛来してきます。飛んでいる姿と近接距離で撮った写真をご覧ください。
職業訓練は教科書の他に実技教科書が開発されている。基本実技や応用実技に必要な作業手順を図示し、単位作業ごとにまとめたものである。勘やこつといった表現をわかりやすい言葉やイラストに置き換え、記述するが、書面ではなく、写真やビデオ等の視聴覚教材の併用となる。当時はハンディなカメラがあったわけでなく、大きな撮像管を有した大型カメラでの本格的な撮影を行った。スタジオと調整室を兼ね備えた映像撮影棟を持っていたため、スライド撮影から先端的なビデオ教材作成にも従事した。
作成した教材は試行校を指定して試行に供される。丁度、カリキュラムで試行できる時期に実施できればよいのであるが、コースや職種も限られ、地方での試行を余儀なくされた。
教材研究の方も大変盛んになり、ILOの開発したモジュール訓練が提唱されたのもこの時期を前後してであった。実学一体化とか、実学融合用の教材開発が提言され、先進国の例を見ながら検討したが、先例はほとんど無く、暗中模索で、試行錯誤の連続であった。
ビデオ教材においては、当初、テレシネという装置にかけ、従来作成したスライドや8mm、16mmフィルムをビデオ変換するといった程度のものであった。また、家庭用小型ビデオのマニアが行っていた撮りきりで、後で余分な箇所をカットし、編集するという方法であったが、全体の時間配分や、ビデオの特徴的な役割を十分発揮したものとはほど遠く、製品のレベルには至らなかった。 やはり、前もってシナリオを作成し、絵コンテを描き、テロップや、イラストを描いたパターンを作成し、完成品をイメージしながら、部分的に撮影を行い、それを最終的に編集する方法に落ち着いた。ビデオ作成には、一人の研究員に大幅に依存し、彼の努力で、某テレビ局の撮影スタッフや、アナウンサーの協力を取り付け、彼らのボランティアともいえる支援が無ければ、開発作成ルートに載せられずに試行段階で、挫折したことであろう。(次回へ続きます)