鳥!連続写真!掲載中!

近くの多摩川に飛来する野鳥の連続写真を中心に、日頃感じた出来事を気ままな随想でご紹介し、読者双方との情報を共有したい。

テトラス(3回シリーズその2)

2014年03月24日 00時00分01秒 | 紹介

 当時は現在のような低価格でパソコンが購入できるわけではなく、自宅で持つには高価な買い物であったが、富士通のオアシスというワープロを購入した。職場ではソード社のワープロ、NECの98パソコンが主流を占め、富士通の9450という、いくらかソフトが組み込まれたパソコンを使用していた。初期のウインドウズからはMS-DOSを使った設定やメンテナンスを行っていた。

  大型の電子計算機は主にデータの蓄積とその解析に使っていたが、プログラムはフォートラン言語を使い、カードリーダーで読みとり、カードに打ち込んだデータを作るだけでも大変な労力を必要としていた。手がけていたのは、職業訓練用教材に引用されていたJIS(日本工業規格)及び、業界団体が作成していた規格や標準仕様の改定に伴い、教材との連動を図り、教材別にチェックするというシステムであった。

  その後の電子計算機の発展と共に職場での利用は当たり前となり、それこそ、パーソナルという意味のツールになったことで、感慨深いものを感じながら、当時のことを思い出している。定年退職後、特段の仕事をしていないが、現在でもブログに投稿する関係で、パソコンのお世話になっている。

  さて、テトラスについてであるが、テトラスとは職業訓練指導員支援システムのことで、職業訓練、指導員、支援、システム、それぞれの頭文字Sが4つ並ぶ。ギリシャ語で4のことはテトラなので、テトラスと名付けた。現在でも職業能力開発総合大学校基盤整備センターで運営されている。ご興味のある方は以下にアドレスを示すのでアクセスされたい。

 

URL  http://www.tetras.uitec.jeed.or.jp/

(次回へ続きます)


テトラス(3回シリーズその1)

2014年03月23日 00時00分01秒 | 紹介

 情報のデータベースがこれほどまでに世間を圧巻していて、拡大を続け、人類に有用であること、また、蓄積された多くのデータを電子化し、電子媒体に蓄積でき、容易に引き出すことができるのは、コンピュータ科学技術の賜と言えるであろう。古くから情報の蓄積は書籍という形を取ってきており、従来型の貸出、複写や保管方法等は多くの人手を介し、公共図書館の役割と慣れ親しんだ地域貢献とを無視することはできないが、現在はいつでも、どこでも、誰にでも情報を利用できるいわゆるユビキタス社会である、現在のようには、量的にも質的にも情報を利用できなかった。

  自分は丁度、情報が電子化する当初から現在までの過程を経験した一人でもある。毛嫌いする同僚が多かった中で、職場で必要性にせまられ、この世界に入ったと言える。コンピュータといわれていたのは大型で、空調が効いた特別の部屋に設置され、記憶装置といえば、オープンリールの磁気テープであった。また、3~5ギガのハードディスクといえば、ドラム形をしていて容積も大きな物であった。空調が必要であったのは、コンピュータ装置の発熱する熱量は相当高かったため、装置を冷やす必要からだったのであろう。

  デスクトップや、ノート型のパーソナルコンピュータが誕生した時期でもあった。8インチや5インチのフロッピーデスクで情報を蓄積していて、ワードプロセッサーが漸く出始めた時代であった。使用言語といえばベーシックといわれた言語で、キーボードから打ち込むデータは今と殆ど変わりないが、中央演算装置であるCPUの機能が低いためか、命令コードを打ち込んでも反応が遅く、なにをするにも相当時間が掛かった。(次回へ続きます)


著作物の引用(2回シリーズその2)

2014年03月22日 00時00分01秒 | 提言

  参考 著作権法第35条(学校その他の教育機関における複製等)

①学校その他の教育機関(営利を除く)において教育を担当する者及び授業を受ける者は、その授業の過程における使用に供することを目的とする場合には、必要と認められる限度において、公表されて著作物を複製することが出来る。ただし、当該著作物の種類及び用途並びにその複製の部数及び態様に照らし著作権者の利益を不当に害することとなる場合はこの限りでない。

②以下略

   最近の電子媒体による情報提供はこの著作権問題をより複雑にしている。インターネット情報が簡単にダウンロードすることが可能であり、著作権を持つものであっても、DVDやCD等販売目的でコピーして悪用され、盗用しやすいことも事実である。そこに目を付けてか、ワンクリックで有害サイトへの誘導や、課金など犯罪性の高いサイトが暗躍している。

  情報を利用する側にも問題が全くないとは言えない。有害サイトとそうでないサイトをみわける力量が必要になっている。また、引用する場合であっても、出典を明確に記述すると共に、著作権者への許諾を取ることが大切であろう。最低限のルールとして、著作物からの引用は避け、公的機関の出版物からの引用であっても、参考した箇所は一切の加工は許されず、原文のまま引用する。

  自作教材といって指導する側が自ら作成したというマニュアルについて、広く関係指導員に周知しようとしたところ、精査してみると殆どのイラスト、図、表が著作権のある他社出版の教材からの引用であったため、使い物にならず没にしたことがあった。見識のある指導する立場にある者が安易に引用したことが原因であり、ベテランといえども陥りやすいミスと言えよう。ヒツコイようであるが、自作することによって、著作物等は他者が真似することが出来なくなるわけで、著作権や特許権は自分を守ってくれる手段でもある。

(このシリーズ最終回です)


著作物の引用(2回シリーズその1)

2014年03月21日 00時00分01秒 | 提言

  我が国ばかりではなく海外においても、著作物や発明品などの創作物については、作成した者や法人に対して、著作権や特許権を取得することが出来る。個人については一代限りである。著作権や特許権を取得すると死亡後も一定期間、同じ物を他人が真似をすることは権利の侵害に当たり、著作権や特許権を持つ者が損害賠償を要求することが出来る。

 このことは、一方では基本的な権利として、表現の自由という権利があるが、だからといって、勝手に引用し、または模造することによって利益を得ることは出来ない。

  では著作物とは何であるのか、著作権が付いた物が対象で、知的財産権の一種であり、自らの思想、感情を創作物に表現していて、言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラム等の様々な分野で、表現形式を持ったものといえる。

  情報等は著作権を言う前に使う側と受け取る側との暗黙知というか、ルールが存在する。

  知ることまではよいのであるが、知った後の使い方に制限があり、著作者と、その受け手である者との関係は、著作物を解して行われる需給関係が出来上がり、商品化する要素を含む。売ったり、買ったりすることができる。そこには金銭価値が生じることになる。

  取得した著作権や特許の一部に対し、許諾することによって、使用を認めることがあるが、この場合は譲渡ではない。掲載や引用も許諾が必要となる。この場合には作品であれば、どのような内容に引用するのかの明示が求められ、場合によっては拒否されることも生じる。作家が意図する意味を逆に示されたのでは賛同できないのも当然である。

  著作権法や特許法は使用者が利用しやすくする目的ではなく、作家などの作品を無断で引用するなどの被害から守る目的がある。全ての著作物が著作権を持っているわけではない。例えば、公的な組織で作る年報や公表された各種資料などは自由に利用できる。電話帳や住所録なども特殊な加工を除いて自由に利用できる。

  学校等で専門書等のコピーを参考資料として学生に対し配布する場合にも例外規定はあるが、原則は好ましいとはいえない。教員の多くは著作権法を十分に理解しているとはいえず、著作権法に目を通す必要を痛切に感じている。(次回へ続きます)


続編 ダイオウグソクムシ

2014年03月20日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 3月13日発信、産経新聞の電子板を読むと、5年間絶食していたダイオウグソクムシの死因は餓死ではなかったとのことである。解剖した胃部に満たす液体が死因の原因ではないか、という仮設で終わっていて、今後の調査や分析が必要である。淡褐色の液体には酵母様真菌という酵母の一種が見られ、酵母といえばビール酵母やパン酵母(イースト菌)は醸造に用いると炭水化物をアルコールに変える。

  酵母様真菌は自然界に普通に存在していて、特別な菌類ではない。当然、海水にも含まれていると推測するが、生物にも体内に存在するようである。死亡したダイオウグソクムシの検体が少なく、詳しいことは判らないが、食事を全く摂らずに5年間も生きていける原因究明のきっかけにはなると思う。

  発酵する食品は、我が国や東南アジアの食文化の底流を占め、なじみが深い。醸造酒、味噌、醤油、納豆、糠味噌、寿司、チーズ等発酵食品には、酵母等の菌類が関係する食品も多い。体内に住む大腸菌のお陰で生命も維持できている。微生物が食品や体内共生等で役に立っていることは興味深いものがある。

  ダイオウグソクムシが食物を摂取せずに長期間生きていけるという事実は、飽食に明け暮れる人間の傲慢さに警告を示しているようである。飲酒が欠かせない自らの生活を一変させることになるかも知れない。ダイオウグソクムシの胃部から発見された酵母が、錠剤となり、それを飲むことによって、胃部で食物がアルコールに変わり、人体のエネルギー源となれば、飲酒をする必要が無くなる。

 居酒屋やスナックが無くなるのは淋しいが、夜の世界は変わるであろう。発想が貧弱であるとお叱りの声が聞こえてきそうであるが、開発途上国等の食料枯渇の危惧が一掃されるようなエポックメーキング(epoch-making)な話でもある。


研究所(3回シリーズその3)

2014年03月19日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 自分は世間で一般的に呼ばれる研究員ではなく、開発を主体とする実践的技術者の要素と編集者的な要素が強かった。更に言えば、教材は労働省が行う認定教材となっていたため、認定基準に準拠するための基準を執筆者に提示し、その表現や内容等の精査に奔走していた。自分は教材開発研究を行っていたので、自ずと開発は、時間が経過すれば出版物の改訂版を出す必要があるため、テーマ設定には苦労することも少なかった。

  職業訓練用教材の多くは、日本工業規格(JIS)の解説書的な要素が多分にあり、JIS改定に伴う最新版の教科書や、実技指導書などの改訂を余儀なくされた。当時はビデオ教材の走りであったため、スタジオを利用してビデオ撮影に携わったこともあった。研究を管理する立場になって、パソコンを使った仮想空間(バーチャルリアリティ)における教材研究などを手がけたこともあった。最大の成果といえば、職業訓練に従事する指導員のための教材データベースを立ち上げたことかも知れない。

  研究成果の発表は、成功したケースばかりではなく、失敗した原因の考察が大変重要となる。失敗の中に成功へ導く要素が含まれているからで、経過が判らずして成功してしまうと再現性が低下してしまう。大きな研究所では分業や高性能の分析用機械・装置が導入されていて、自らが行う実験とは異なる不連続な現象に遭遇することが多くなってきている。研究の分業化による管理の重要性がますます必要になってきたと言える。(このシリーズ最終回です)


研究所(3回シリーズその2)

2014年03月18日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 今回のテーマは研究所での経験一端をご紹介できればと思って筆を執った。自分が所属していた研究所は、行政研究に係わる職業訓練という特殊な研究所であった。厚生労働省の労働分野の政策研究所として有名な日本労働研究機構は幅広い労働関係の研究を手がけている。昭和53年4月に雇用促進事業団が所管する職業能力総合大学校の付置機関として設立し、40名規模の研究員が居た組織である。職業訓練に特化していたため、規模としても小さい組織であったが、国際労働機構(ILO)がイタリアのトリノに持っていたトリノセンターの機能を日本版として作られたといってもよいであろう。トリノセンターでは、職業訓練用教材の作成から出版、配布までを手がけていて、勿論、基礎研究部門を持っている。

  組織の話はこれぐらいにして、研究員が行う研究とは何かについて自分なりの考えを述べることにしたい。そもそも研究とは何であるかであるが、テーマがあり、その成果を発表することで次のテーマに発展させる。エンドレスなところもある。テーマは、上司から与えられることもあるが、自らがテーマ探しをすることも多い。

  一般的な研究テーマ探しは、専門分野で発表されている研究論文で、時代を遡って手当たり次第に目を通すことから始める。研究論文の構成は、研究の目的、研究方法、実験結果、結果の考察などである。考察では実験結果から導き出される傾向と理論との整合性を図り、再現性、新たな発見、未知の現象等を導き出す。

 研究論文破読から、ある程度テーマが絞られてくれば、仮説を打ち立てる。通常は仮説として適用できる実験計画書を作る。材料、器具、装置、等を選別し、予算計画と共に時間(工程)計画も作る。実験途中で検証する必要があるため、工程ごとの評価基準も作って置く。この実験計画書を関係者に提示し、最終判断を仰ぐ。(次回へ続きます)


研究所(3回シリーズその1)

2014年03月17日 00時00分01秒 | 緑陰随想

 国立理化学研究所があやしくなっている。数日前の日経新聞一面にSTAP論文撤回に関する記事が掲載されていて、三面には関連記事、及び理化学研究所組織についての説明があった。読んで居られない方へその抜粋をご呈示する。

  新元素発見などで幅広い成果と題して、国内最大級の公的研究機関で文部省が所管する。

 物理学、化学、生物学など幅広い研究を手がけ、事務系職員も含めると約3400人(2012年度末)の人員を抱える。年間予算は13年度でおよそ850億円。113番目となる新元素を見つけたり世界初のIPS細胞を使った臨床研究を実施したりするなど、基礎から応用まで広い成果を出している。中略 90年代以降、計算科学研究機構(神戸市)、発生・再生科学総合研究センター(神戸市)、放射光科学総合研究センター(兵庫県佐用町)、脳科学総合研究センター(埼玉県和光市)の研究拠点を設置している。

  幕末から大正期に活躍した実業家で日本資本主義の父と称される渋沢栄一氏が設立した研究所である。

  普段の生活にはスッポットがあたることもない研究所生活を11年経験した自分にとっては、理化学研究所は時代の最先端を研究する場所として、もっと話題となっても良さそうであるが、今回のSTAP細胞に係わる論文の撤回騒ぎには、似つかわしくない事例として、世間を騒がすことになってしまった。結論めいたことや批評する立場ではないし、傍観者の一人として推移を見守りたいと思う。(次回へ続きます)