ガトゥ・ハロゥ

八犬伝と特撮と山田風太郎をこよなく愛する花夜のブログ。

【伏 知られざる物語】

2012年10月19日 00時31分11秒 | 【伏 ~贋作里見八犬伝】

(別冊文藝春秋2012年11月号より)

今回の外伝は「知られざる物語」。
浜路達よりも過去の里見の伏姫様のお話ですが、伏本編と少し展開が
異なっているので、パラレルワールドな感じ。

伏本編の伏姫と八房は、鈍色が突然拾ってきた八房を姫が取り上げる
という展開だったのに対して、こちらはちゃんと狸に育てられた子犬を
姫が拾い、“花びらが八つある牡丹のよう”だというので“八房”と名付けられる。
義実も伏姫に育ててみよ、と命じる。

伏本編では、白い子犬を鈍色が拾い“白色”と名付け、義実は鈍色に「育ててみよ」
と命じている。姫が取り上げた後、腰の辺りに牡丹のような模様を見つけ
“八房”と名付ける。
姫パターンと鈍色パターンで場面は同じでも意味合いが異なっている感じ。

伏姫や八房のキャラや展開が【八犬伝】本編寄りです。
森や城など背景は大いに異なっているけれど、姫や八房、大輔は
基本パターンで行動しているようです。

八房の心情モノローグが面白かったかも。
キリスト教は悩める青年、仏教は円熟した老人...だったかな、
どこかでそんな文章を読んだけど、ここでの八房は老いた長老犬で
特に姫の為にというわけではなくて、世話になった里見家の為に
敵の首を取ってきたら、よく判らないままに伏姫と城を出ることに
なっていてさてどうしたものかと困惑しているところに、
妙なおかしさがあったりして。




【伏】が明日から公開です。
見に行こうと思ったら、上映している場所が近隣に無く越境してくる予定です。

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